内容説明
自然と共に、農魂なるもの、小農・直耕…ムラの現場から自給自立の必然性を洞察。農的社会へのシフトをめぐる劇的往復書簡集。
目次
序章 経済成長の果てに
第1章 時代の子として
第2章 野の青春なれど
第3章 よって農に就く
第4章 農業近代化の渦中で
第5章 「自然に学ぶ」とは
第6章 揺らぐ「食と農」
第7章 農魂あればこそ
第8章 あとに続く世代へ
終章 市民皆農のとき
著者等紹介
山下惣一[ヤマシタソウイチ]
1936年、佐賀県唐津市生まれ。農業に従事するかたわら、小説、エッセイ、ルポルタージュなどの文筆活動を続ける。1970年、『海鳴り』で第13回日本農民文学賞、1979年、『減反神社』で地上文学賞受賞(直木賞候補)。国内外の農の現場を精力的に歩き、食・農をめぐる問題などへの直言、箴言を放つ。アジア農民交流センター(AFEC)共同代表などを務める
中島正[ナカシマタダシ]
1920年、岐阜県下呂市生まれ。陸軍工科学校卒。台湾で終戦を迎え、戦後は実家に戻り農業を継ぐ。自然循環型の一環として養鶏を導入。当初の採種鶏を採卵鶏に転換し、「薬を与えず自然を与えよ!」の考えで小羽数、平飼いによる自然卵養鶏の飼育技術を確立。また、江戸中期の思想家安藤昌益に傾倒し、農耕をよりどころにする生き方を説く(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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まこと
1
1次産業の衰退による食料自給率の低下→TPPなどによる食物の輸入自由化→更に安い農作物が入ってきて農業が衰退→気候変動などにより海外から食料が輸入できなくなる→食料自給率が低い日本ではパニックになる。ということが危惧されるということが理解できた。また著者によるとそれはもう自明のことであり、その後には市民全てが農業に携わる日がくるだろうということも書かれていた。最近の燃料高騰、野菜高騰、インフレ、円安トレンドなどを見ていると、少しずつそこような未来に近づいているようにも感じる。
とこまた
0
ぜひたくさんの人に読んでみて欲しい。「本は買って読め」派だけども、ぜひ図書館で借りても良いから。本来、われら生き物はお天道様の分け前(日照時間に応じた光合成生産物)以上の食料を口にすることはできない。なのに今、この狭い日本の土地で一年に生み出す以上の食料(とか)を浪費しちゃってるのだ私自身からしても。謙虚に、自分自身の食い扶持がまかなえれば良いんでない?みんなが自給自足できる世の中ってよくない?2012/10/06
ひかりパパ
0
TPPは、農業破壊への道。推進派は、国益のためというが、ズバリ輸出企業である大企業の儲けをさらに増やし、内部留保を溜め込むことが目的だ。大企業は非正規雇用を増やし、賃金抑制し、懐を肥やすのみで、国民の大多数を窮地に追い込むものだ。2012/07/12
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