内容説明
編著者の川口由一が就農後、農薬や化学肥料を使った農業を続けることで心身を損ね、いのちの営みにまかせ、自然の理にかなった農業を模索し、1970年代後半に自然農にたどりつく。以来、30年余りにわたり、不耕起・不施肥・無農薬で稲作と野菜の栽培をおこない、全国各地の自然農の指導にもあたる。「耕さず、肥料、農薬を用いず、草や虫を敵としない」という教えや「耕さず、持ち込まず、持ち出さない」という3大原則は、すべてのいのちの営みを大切にし、環境に負担をかけずに実りに結びつける自然農の技術をあらわす言葉として知られている。
目次
序章 自然農が妙なる生命の世界をもたらす
第1章 生業としての自然農をめざして
第2章 自然農の野菜は味が濃く栄養豊か
第3章 農業を継ぎたくなかった私が自然農へ
第4章 自然農で生かされる生命つながる生命
第5章 家族で自給を目的とした自然農へ
第6章 プロの販売農家として自然農を実現
第7章 自然農の楽園に日々生かされて
第8章 自然農を軸にした農的暮らしを求めて
著者等紹介
川口由一[カワグチヨシカズ]
1939年、奈良県生まれ。農薬・化学肥料を使った農業で心身を損ね、いのちの営みに添った農を模索し、1970年代半ばから自然農に取り組む。自然農と漢方医学をともに学ぶ場(妙なる畑の会、赤目自然農塾、漢方学習会)をつくり、福岡自然農塾など全国各地の学びの場に伝えている。静岡大学農学部、愛媛大学農学部大学院非常勤講師などを務める
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感想・レビュー
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Hiroyuki Nakajima
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耕さず、肥料農薬を用いず、草や虫を敵としない」 自然農とは自然をコントロールせず、自然に調和していく農法でした、川口先生の指導で自然農に取り組み生き生きと生活を楽しんでおられる方々の記録は勉強になります、自分もやってみようと言う気が起こる本です、ただ大きな畑は持って無いですが・2010/01/04
りんごのき
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ぼんやりと「農的生き方」に憧れて10年。うちの畑は、意図して植えたものは育たないけれど、こぼれだねから芽吹いたものは本当によく育つ。雑草の中でぐんぐん育って立派になった大根とか、ニラとかを見るにつけ、農薬や化学肥料って本当に要るんだろうか、と疑問が膨らむ。本当はそんなものやめて、一人一人が少しずつでも無農薬で食料を自給した方がいいんじゃないのかな、と。そんな中途半端な「半農半X」の私とは比べ物にならないほど「真剣」に生命と向き合って生きる自然農家の体験記。勉強になった。2018/04/11