出版社内容情報
近年、8世紀に編纂された『日本書紀』よりも早くに記録された木簡という生の文字史料の読み直しや比較検討により、7世紀後半の律令国家成立期から展開期の研究が進められている。
本書では、西河原遺跡群から出土した水路による稲の運搬や出挙の木簡から地方官衙の様子を探るとともに、葦浦屯倉や小篠原遺跡との関わりについての興味深い討論が収録されている。
一 古代地方木簡の世紀 渡辺 晃宏
二 西河原遺跡群を掘る 畑中 英二
三 西河原木簡群の再検討 市 大樹
四 討論 西河原木簡をめぐって
五 近淡海安国造と葦浦屯倉 大橋 信弥
付編 塩津港遺跡出土の起請文木札について 濱 修
内容説明
本書は平成二〇年七月一九日~九月七日まで滋賀県立安土城考古博物館で開催した財団法人滋賀県文化財保護協会調査成果展・滋賀県立安土城考古博物館第三六回企画展『古代地方木簡の世紀―文字資料から見た古代の近江』に関連するシンポジウムおよび博物館講座の記録集である。
目次
古代地方木簡の世紀―西河原木簡から見えてくるもの(古代地方木簡の世紀―七世紀の木簡と西河原遺跡群出土木簡;西河原遺跡群を掘る;西河原木簡群の再検討;討論 西河原木簡をめぐって;近淡海安国造と葦浦屯倉―西河原木簡群から見えてくるもの)
付編 塩津港遺跡出土の起請文木札について