内容説明
朝鮮通信使一行の旅行記録に、くり返し彦根の地に対する称賛の言葉が記されていることは、あまり知られていない。行き届いた“おもてなし”の背景には、徳川将軍家光のブレーンとして朝鮮通信使の成功に向けて尽力した彦根藩主・井伊直孝による、こと細かな指示があった。初紹介の史料も駆使し、「陸路中の第一」と讃えられた彦根における日朝交流の具体像に迫る。
目次
第1章 彦根城と朝鮮人街道の一体的整備(幕府の交通政策としての彦根築城;彦根周辺の交通網整備)
第2章 朝鮮人街道の成立(全国の街道からみた朝鮮人街道;天下人の通る街道;将軍上洛道を組み込んだ彦根城;朝鮮人街道の成立と運用)
第3章 朝鮮通信使をもてなした彦根藩(江戸へ向かう朝鮮通信使;日朝外交の刷新に尽力した井伊直孝;通信使の彦根宿泊)
第4章 通信使を迎えた彦根(彦根城下町に設けられた宿泊所;宿泊所の中核・宗安寺;街道整備と二つの茶屋)
第5章 文華をこのむ地 彦根(詩作の交流;訳官洪喜男との交流)
著者等紹介
野田浩子[ノダヒロコ]
昭和45年(1970)京都市生まれ。平成7年(1995)、立命館大学大学院文学研究科博士課程前期課程修了。同年より平成29年3月まで、彦根城博物館学芸員。現在、立命館大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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