感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
へくとぱすかる
26
双書名にあるように、単に「淡海」(アハウミ)と呼ばれていた湖(それが「近江」という言葉の語源でもある)が、いつから「琵琶湖」になったのか。意外にもその歴史は新しく、室町時代に名称の起源があるものの、一般的に広まるのはもっとあとの時代であるらしい。さらには楽器の琵琶の形をしていることに気づかれることは、古代には考えにくく、ここには水の神としての、弁財天信仰とのかかわりが重要な役目を果たしているようだ。日本最大の湖が、大きいためにかえって固有の名前をつける必要がなかった、と考えれば、なるほど納得できる説だ。2015/02/28
よしあ
1
丁寧な内容。当地の出版社から出ている書籍のようだ。 様々な歴史資料を紹介しつつ、呼称の変遷をたどる。楽器の琵琶、弁才天の由来、神仏習合の信仰の形。単に形が似てるからと思っていたが、深く長い流れがあったのだ。古代の、鳰の海という呼び方が好き。2023/12/21