出版社内容情報
ユーナニ(アラビア)医学の精髄(バイブル)本邦初の完訳
アヴィセンナの「医学規典」は大作品と呼ばれ、この「医学の歌」は小作品ながら、医学・医術の精髄であるばかりでなく、珠玉の詩である。アヴィセンナことイブン・ス鍈ーナは、イスラム社会では中世医学(ユーナニ医学)の聖医と崇められてきた。本書は中世から近世にかけて、イスラム文化世界の医学教育のうえで医学生に暗記させるための医学教程であった。名ばかり有名なアヴィセンナ医学の骨子が、数多い欧米の訳書・注解を参照して初めて訳出された。
バイオ・メディスンといわれる西洋の近代医学に対する反省にたって、いま読み直される中医・漢方医学、インドのアーユルベーダ医学、さらにアラビア世界のユーナニ医学などの伝承医学に熱い視線が注がれている。
本文
解説
1 アヴィセンナの生漉
2 アヴィセンナの業績
3 アヴィセンナの医学理論
4 「医学の歌」の歴史
5 「アヴィセンナ」理解のための重要な事項に
参考文献
毎日新聞「本と出会うー批評と紹介」1999.2.21
今から1000年前、ペルシャの医師イヴン・シ鍈ーナー(ラテン名アヴィセンナ)が著した『医学規範』は、ギリシャ医学の最高峰ヒポクラテスやガレノスの流れをくみ、ラテン語版は中世の西欧医学に多大な影響を与えた。本書はその要約として知られる『医学の歌』の初の日本語版である。
この偉大な医師は、哲学者、政治家、科学者、そして詩人で、かつ医者の不養生を地で行くような生活をしながら、当時の先端医学や予防医学をラジャース体と呼ばれる短文の詩で書き残した。
詩は1326編に及び、飲酒の項でワインの乱飲を警告し、体操では過激な運動と休息の求め過ぎを戒めているように、健康の基本を、中庸な生活と体内の調和を保つことに置いている。
そのバランスが崩れたとき病気になり、治療に自然治癒力を重視している。ギリシャの四大の自然観を基本にしているが、中国の「気」に通じる面もある。
中世の医学詩であるが、現代の医学・医療に通じるものが含まれている。
クロワッサン「うちの小さな図書館で」1999.2.25
千年以上前のアラビア医学の大家の著した医学者。詩歌のかたちで書かれている。アラビア語、フラ
内容説明
アヴィセンナの「医学規典」は大作品と呼ばれ、この「医学の歌」は小作品ながら、医学・医術の精髄であるばかりでなく、珠玉の詩である。アヴィセンナことイブン・スィーナは、イスラム社会ではユーナニ医学の聖医と崇められてきた。本書は中世から近世にかけて、イスラム文化世界の医学生のための医学教程であった。アヴィセンナ医学の骨子が、数多い欧米の訳書・注解を参照して初めて訳出された。