出版社内容情報
日本列島の古代地名は、日本語はもとよりアイヌ語・中国語・南方系諸言語に加えて、朝鮮語などの混合言語である。本書は、古代朝鮮から渡来した文化の痕跡たる朝鮮語系地名の研究集成である。
著者の金沢博士は、明治期の東洋語学比較研究の第一人者。第一回韓国派遣研究者で『日韓両国語同系論』を著わし、音韻、語法、語彙から日本語と朝鮮語が同系であることを明らかにした。
本書に収録した『日鮮同祖論』は、日韓合併の正当化に利用されたが、実は日本の古代文化とくに多くの地名が朝鮮渡来であることを論証した内容なのである。現在入手困難な金沢博士の「日韓故地名」に関する諸論考をまとめたものである。
第一部 日韓古代地名論考
郡村の語源に就きて
日韓の古地名に就て
日鮮古代地名の研究
朝鮮研究と日本書紀
朝鮮古地名の研究
神名と地名
第二部 日鮮同祖論
地名と上古史の研究
地名人名等に関する日鮮語の比較
韓 国
新 羅
熊襲国
高千穂添山峯
橿原宮
第三部 地名の研究
序 説
字音を用ひたる地名
字の通音を用ひたる地名
字訓を用ひたる地名
義訓を用ひたる地名
訓読字を音読する地名
音読字を訓読する地名
音訓混用の地名
餘 戸
二字の嘉名
俗字と誤字
音韵上ょり見たる地名
地名の種類
地名と姓氏
地名の移動
地名と神祇
地名と都市宿駅
地名と部曲
金沢庄三郎博士の略歴と主要著作
索引