聞書水俣民衆史 〈第5巻〉 植民地は天国だった (2版)

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聞書水俣民衆史 〈第5巻〉 植民地は天国だった (2版)

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  • サイズ A5判/ページ数 345p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784883230341
  • Cコード C1022

出版社内容情報

第五巻「植民地は天国だった」1925~1948年頃
▼水俣の村と工場の道をたどつていくと、朝鮮に出る。いやでも、植民地の問題が、正面に立ちはだかってくる。歴史的な経緯を記すのは、やさしい。日本窒素は、アンモニア合成に成功するや、直ちに朝鮮赴戦江に二〇万キロの大発電所を作り、興南に硫安年産五〇万トン(当時世界第三位)という巨大化学工場を建設する。興南工場は、やがて総合的化学コンビナートに発展していく。水俣工場からも、多数の労働者が転勤。その親戚知人を頼り、まるで民族移動のように、水俣から人々が朝鮮に渡った。
▼植民地は、物価は安く収入は多かった。水俣では夢にも考えられなかった、栄耀栄華な暮らしができた。出世も早かった。万国の労働者などというものはなかった。末端労働者でも、支配民族の一員だった。日本人と朝鮮人の間で、個人と個人の関係は、存在しなかった。あるものは、民族と民族の関係だけで、蔑視と憎悪に満ちていた。「朝鮮人は…と思え」という公式だけが、通用した。暴力がまかり通った。
▼本巻は、日本窒素が、朝鮮でどのようにして大発電所や巨大工場を建設していったかに始まり、朝鮮における水俣の民衆の生きざまや意識を、克明に聞

一 植民地の巨大工事
 赴戦江発電工事と興南工場の建設
   日本窒素の朝鮮電気事業
   いかにして赴戦江の水路を掘ったか
   赴戦江堰堤工事と曝首
   輿南工場の建設
 植民地生活の始まり
   水俣からの転勤職人の回想
   朝鮮人の目、日本人の目
   安い物価、多い収入
 
二 植民地の化学工場
 日本人の工場
   輿南肥料工場
   海軍航空燃料アセトアルデヒド工場
 統治と技術
   個人と民族
   死傷を前提にした技術
三 植民地の民衆
 鬼針金の鉄条網の中で
   いかに工場を警備するか
   逃げ帰るオモニ
   俺より下は居ない
   カフェと遊郭い
   頭の切り替ぇ
   三つの言葉
 日本人社宅の奥さん
   社宅の暮らし
   朝鮮人部落
   夜逃げ先
   金の玉を握り錦を飾る
   昨日をあざ笑う
四 植民地の崩壊
 36年め
   戦時下及び末期の工場
   四人の兵士
   一職人の日記 8月15日~9月3日
   社宅の入れ替わり
 難民化と興南地区人民工場
   災厄
   一職人の日

熊本日日新聞 1990.10.4
うぶすな百年の壁画
現代口碑学へ新地平拓く
谷川雁
記録破りの夏がまだ炎をあげている8月の末、『聞書水俣民衆史』全5巻が完結した。私にとって自分の<うぶすな>の長大な壁画ができあがった心持ちである。お生まれははどこ。水俣病のミナマタですと答えてきたが、ゆりかごの微妙な震えを語るのはむずかしかった。これからは、どうぞこのシリーズをお読みくださいといえばいい。青くやせた自分の幼年時代の外界を説明するのに、これがあれば一言もつけ加える必要がない。(中略)
だが、悲劇の背景の解説として、これほど説得力のある読物もあるまい。登場する語り部の実数は男女およそ300人。その9分9厘は土地の実生いであって、維新から敗戦までの80年を、この地の民が得意とする歯に衣きせぬリアリズムで、固有名詞に遠慮することもなく、精細きわまる具体性で語りつぐ。百千の挿話の端切れが系統を追って配置されていくうちに、事実の空隙は埋められ、シニカルでおどるような語り口がいつしか人間喜劇の巨大なつづれ織となってひろがる。もちろん私の知った顔もある。友人の血族もいる。けれども同窓会の写真のような盲目の親和感

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

seichan

1
どなたかが書評のなかで引用してたから興味もって図書館で借りて読んだ(お礼コメつけたかったけど流れてわからない)。聞き書きのリアル、様々な肉声の厚みに圧倒されるおもい。植民地差別はいくない!みたいなスローガン的な捉え方じゃなくて、半島に流れていった人たちの貧しさと惨めさ、そんな侵略者に痛めつけられる悲しみや怒り、蔑視や愚弄、時に生まれるやさしさ、などなど複雑怪奇な織物のよう。劣等感はさらなる劣者を必要とするし、なんちゅーか、衣食足りない者たちの殴り合いの哀しさが胸をかきむしった。シリーズ全部読むべきか。 2021/12/15

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