聞書水俣民衆史 〈第2巻〉 村に工場が来た (2版)

個数:

聞書水俣民衆史 〈第2巻〉 村に工場が来た (2版)

  • 出版社からのお取り寄せとなります。
    入荷までにおよそ1~3週間程度かかります。
    ※商品によっては、品切れ等で入手できない場合がございます。
  • 出荷予定日とご注意事項
    ※上記を必ずご確認ください

    【出荷までの期間】
    ■通常、およそ1~3週間程度

    【ご注意事項】 ※必ずお読みください
    ◆上記期間よりも日数がかかる場合がございます。
    ◆お届け日のご指定は承っておりません。
    ◆品切れ・絶版等により入手できない場合がございます。
    ◆品切れ・絶版等の確認に2週間以上かかる場合がございます。
    ◆「帯」はお付けできない場合がございます。
    ◆画像の表紙や帯等は実物とは異なる場合があります。
    ◆特に表記のない限り特典はありません。
    ◆別冊解答などの付属品はお付けできない場合がございます。
  • 店舗受取サービスはご利用いただけません。

    ●3Dセキュア導入とクレジットカードによるお支払いについて
  • サイズ A5判/ページ数 248p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784883230310
  • Cコード C1022

出版社内容情報

第二巻「村に工場が来た」1908~1925年頃
▼明治四一年、水俣村に小さな化学工場が建つ。夕方になると人も通らない、川下の淋しい場斬に。村の一角に異質な世界が、出現したのだ。赤々と燃える電気炉というものがあり、湯気の出る石(カーバイド)を作るという。村の日雇の日給よりなお安く、人を使うという。あそこに行けば、一日一人づつ死ぬげなという風評も立った。現金収入に苦しむ村人たちも、さすがに二の足を踏む。工場に入ったのは、村の最下層の人たちであった。日本窒素肥料株式会社の歴史の始まりである。
▼村の小さな化学工場は、今にも潰れるという話だった。しかし、一〇年も経つと、事情は一変する。廃止になっていた村の塩田跡に、従業員二〇〇〇人という、大工場が新たに建設されたのである。今度は、村人こぞつて工場に入る。一軒に二人の青年が居れば二人、三人居れば三人。それでも、水俣だけでは労働者が足りずに、近郷近村、天草や長島などから、人々が蝟集してくる。一日本の村の工業化は、どのようにして行われたのか。水俣村にとつて、工業化とは何であったか。それが、本巻のテーマである。
▼わたしたちは、建設の状況を見た後、幼年期と青年期の工場の内部に入

一 電気の唄――金山と化学工場
  牛尾・大口金山回想
   日本一の金山といわれた
   手籠ン子
   野口さんの曾木発電所
   大吉茶屋の娘
   金山の垂れ流し
  村に工場が建つ
   電気柱の唄
   臍ン出た
   悪い評判

二 化学労働の始まり――明治末の石灰窒素工場
  会社勧進、道官員
 1 カーバイド工場
   工場は赤ん坊も赤ん坊
   煉瓦壁の中の高熱仕事●自分の名前も読めない/   カーバイド炉の変遷/1500キロ炉の仕事/24時間   働かされた
   熟練と気質
   カーバイド製品部●会社勧進、道官員
   炭素工場
 2 石灰窒素工場
   ドイツからきた炉●焼いても焼いてもできない
   銅線で窒素を作る
   藤山さんの発明●アレー、あんたかな?
   その後の展開
 3 鉄工部
   明治の職人の世界●年期小僧
   小僧哀話●係長の弁当/松次の死
  工場の日々
   東雲のストライキに習って
   負け犬
   カーバイド船の爆発
   亡者の仲仕株●仲仕の仕事/藤山さんと野口さん
   村の職工日記こもさ   んか、西蕃か/長着物着ただけで、おおごと/お   汁のにごっとる所は、あるかないか/ひき脱ぐよ   によくなった
   ゼロからの出発●会社行きがよか/夢をかなえる
   女の隷属
  町になる
   文明開化●電気/帳面と押麦
   乗り物
   商人たち●工場へ町がにじり寄る/カラスとカイ   シャ





季刊青丘7号 1991.2
彼らの物語をわれわれの物語へ
チッソの二人の労働者を編者とするこの本の場合(岡本は、元水俣第一労組委員長)、感慨は特別のものがある。主要部分が、工場で働いた人びとからの聞書の集積だからである。水俣に注目する人びとの視線は、当然ながらこれまでおもに、患者とその家族に注がれており、著者たちはそれぞれの角度からの造形力をもって、それらの人びとの伝声管の役割を果してきた。語り手の問題としては、この本は、そんな状況を一挙に打ち破った。
しかもこれは、なまはんかな聞書ではない。聞書は近年、盛行の反面、不幸にもお手軽な著述の代名詞とも化しつつあるとの観があるが、この本は少なくとも3点で、そんなムードを吹きとばす力をみなぎらせている。
(中略)
そこには、民衆の問題を突きつめなければ、日本も世界も変わりえないとの意味での、民衆への信頼がある。と同時に、日本人の体アおよび記憶としてまとめあげることで、突きあわせる他者としての、朝鮮人側の発言を促そうとの姿勢もほのみえる。そしておまえはという問いも振りかかってくる。それにたいしてはいまのところ、彼らの物語をわれわれの物語へ、さらにわたくしの物

最近チェックした商品