内容説明
音楽のほんとうの楽しさとすごさを知ったら、この子たちは、どんな顔で、どんな演奏をするだろう。それを見たい。それをこの子たちに教えてやりたい。―中澤の胸の奥でたぎるものがあった。ボロ負け高校吹奏楽部が一躍、「吹奏楽の甲子園」の頂点へ登りつめた!なぜだ?夢の舞台「12分間」へ一途だった涙と汗の青春ノンフィクション。普門館に伝説を生んだ“野庭サウンド”誕生の原点。
目次
プロローグ 一〇年目のコンサート
1 このひとを、おれたちの先生に!
2 君らがやるなら、わしもやる
3 怒って泣いてたどりついた
4 音楽はハート。心で歌うもの
5 指揮者だけ見つめて奏でた五千人ホール
6 先生、立ち上がってください
7 ワンダフル!次はどこで吹くの?
8 仲間どうし、ライバルどうし
9 コンクール前日の長い夜
10 鳴り響け!『エル・カミーノ・レアル』
エピローグ 指揮棒をかざして
著者等紹介
石川高子[イシカワタカコ]
ノンフィクション・ライター。1971年立教大学文学部卒業。編集業に携わったのち、雑誌などで人物インタビュー、ノンフィクション取材を手がけ、現在に至る。身近な出来事のなかに息づく「物語性」をじっくり掘り起こす視線が魅力の人。作品を味わい深く紡ぎ上げる根気と筆力は天賦の才か(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆみねこ
77
元吹奏楽部員の母として、我が子たちにも中澤先生のような指導者との出会いをさせてあげたかったなぁと思いながら読了。公立の弱小校を、わずか2年目にして全国金賞の栄誉に。10年間のドキュメンタリー、とても読み応えあり。石川高子さん、初読み。余談ですが、我が子たちは地区大会で普門館が会場だったのです。ちょっとラッキー(^_-)2017/05/21
あっくん
50
初石川高子さん。TVドラマ「仰げば尊し」の原案だそうです。県立高校吹奏楽部のドキュメンタリー。実際に野庭高校の演奏を聴いてみたかった。2016/07/26
ぶんこ
46
「オデッセイ」を先に読んでいたので、かなりの部分重複していました。改めて強く感じたのは中澤先生にとっても充実した日々だった事。そして信子夫人にとっても充実していただろうと。学生時代に部活をしていると、毎年試合があって、試合前の緊張を経験しますが、歳をとっていくと、そういった経験から遠ざかってしまい、時々無性に寂しくなります。中澤先生にとっても演奏会前の緊張と興奮を生徒と共に味わえるのは、大人として羨ましかったです。2017/06/11
ひほ
33
TVドラマ『仰げば尊し』の原作。中澤忠雄さんと高校吹奏楽部の体当たりのぶつかり合い、それを乗り越えて全国大会金賞。やっぱり感動ものでした。ラストの蛍の光のによる卒業生を送り出す件はもう涙涙でした。2016/08/06
tom
16
偏差値35レベルのブラバンが、あっという間に全国大会金賞。とてもすごいサクセスストーリー。高校生たちはすごい。指導者に恵まれて、熱意と切磋琢磨があれば、これだけ上手になれるのだ。私にとってはおとぎ話のような上達ぶりで、うらやましくてならない。でもねえ、周りとの競争に追い回される日々と急速な上達はセット。ほとんど体育会系の日々。音楽をやって周囲の人と競争というのも、なにやら悲しい。若いからできるのですかねえと思いながら読了。ブラバンやって、その後も音楽を続けてる人って、意外に少ないみたい。どうしてかしら。2020/09/09