内容説明
よみがえれチャーターストン。いまはなき幻の黒人居住区チャーターストン。そこを舞台に繰り広げられる二つの人間喜劇。南アフリカ黒人文学に新境地を拓いたンデベレの軽妙な語りの世界。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
サトリミギト
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どうしようもない人間というのがやはりいて、人は彼らを「愚か者め」と言って後ろ指を立てるが当然、そんな彼らだって(=私たちだって)当然生活があり、ただただ生きている。「愚者たち」の語り手である教師は非人道的な人物であるが、大きな反省や内省もなく日がな酒を飲み教鞭を取って子供に教える喜びを感じている。人を憎むことだってある。ユーモアだっていう。罵倒が日常化すること以外、私たちとなんら変わりがない。明日は我が身であり彼らもただ一個の人間であるということが面白おかしく書かれている。2020/07/24