内容説明
幼くしてハンセン病を得た妹。はげしい戦禍の中をけなげに支える兄。その魂が今、新しくよみがえる。哀しくもいとおしい物語。
著者等紹介
儀間比呂志[ギマヒロシ]
1923年、沖縄に生まれる。行動美術展、ドイツ国際版画展、東京国際ビエンナーレ展などに出展。絵本に『ふなひき太良』(毎日出版文化賞)、『鉄の子カナヒル』(サンケイ児童出版文化賞・岩波書店)などがある。’04年6月浦添市美術館で「沖縄・戦争と平和展」開催
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感想・レビュー
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絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
5
宮古島で暮らしているタケシと妹ツル。ある日ツルはハンセン病と診断され療養所に隔離されることになる。そして太平洋戦争勃発。戦時下の暮らしと病気への偏見の中健気に生きることを描いている。2018/10/27
ゆーらりや
0
10年前に読んだ絵本を、慰霊の日に再度読み返しました。 儀間比呂志戦争3部作の1つ。2015/06/23
おと🦁🐾
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同日、NHKで「隔離と戦禍〜沖縄 ハンセン病患者たちの受難〜」を視た。「カーヴィルの奇跡」で世界のハンセン病治療をリードしたをアメリカ。そのアメリカ占領下の沖縄でも、本土と変わらぬ差別があったのだと実感した。2024/08/10
ゆかり
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東京都人権プラザ企画展で開催された絵本『ツルとタケシ』原画展へ行けなかったため、図書館で予約。すると、偶然、国立感染症研究所の一般公開で、ハンセン病についての展示コーナーで病気そのものについてお話を伺うことができた。そのため、絵本にでてきた症状について(神経障害のため、痛みがない)すぐに理解できた。当著は、戦時中のハンセン病患者についての物語。絵本なので、語りは淡々とわかりやすい表現。その分、哀しみがストレートに突き刺す。差別を受けてきたハンセン病患者に戦争という時代の横串。知らないことはたくさんある。2019/10/07