内容説明
子どもが友だち、先生、家族の生命を奪う。いま、『エミール』の復権を。
目次
第1章 子ども観の喪失(「豊かな社会」、貧しくなる子ども時代;いま、子どもたちに何がおきているか;子どもたちが自立できない;子どもが加害者になる―佐世保事件を探る;近代への扉は子どもが開いた)
第2章 『エミール』を読みとく(近代教育を歩み出した子ども観と『エミール』;「自然の時代」―〇歳;「自然の時代―理性の眠りの時期」―一歳~一二歳;「理性の時代」―一二歳~一五歳;「力の時代」一六歳~二〇歳;「知恵の時代-幸福の時代」―二〇歳~;『エミール』の今日的限界)
第3章 子ども観をたてなおす(集団があって個が発見できる;見失った幸福感を取り戻す)
著者等紹介
秋葉英則[アキバヒデノリ]
1941年生まれ。教育学博士(東北大学)。大阪教育大学教授。同大学副学長歴任、現在、同大学附属図書館長、同大学学校危機メンタルサポートセンター長。授業研究所所長
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感想・レビュー
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Takao
2
2005年9月20日発行(初版)。著者・秋葉先生のサイン入り。ということは、横浜保育問題協議会「保育のつどい」で講演をお願いした時(私は記念講演の司会)に求めたものだろう。著者は本書発行から9年後の2014年11月9日、死去。晩年の、遺言のような本だと感じた。1762年に発行された『エミール』に影響を受けたのがペスタロッチ。そのペスタロッチの学校を訪れたのがフレーベルであり、ロバート・オーウェンであった、という件が印象深かった。様々な限界も指摘されているが、40年前に買った文庫本に取り組んでみようかな。2019/03/18
織茂勘
2
エミールの中身についてほとんど知らなかったので、要約並びに考察が描かれたこの一冊はとても読みやすかった。 まだエミールのことを知らない人、気になる人にはオススメしたい。2017/04/30
miyuki
1
これを読んだらエミールについて理解できる、、わけではないと思いますが、原著についてもっと深く知りたいと思える内容でした。今日の実力主義的な教育を批判したいということはよく分かりましたが、具体的にどうすればいいのか、どうすれば変えられるのかという所がまだ私には分からないので勉強が必要だと思いました。2020/06/13