創元推理文庫<br> 永劫回帰

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創元推理文庫
永劫回帰

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  • サイズ 文庫判/ページ数 294p/高さ 15X11cm
  • 商品コード 9784488697020
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

無頼の宇宙船乗りヨアヒム・ボアズは、哲学者コロネーダーたちの手で身体改造された一種の超人だった。彼と機能的にリンクされた「船」とともに宇宙を渡るポアズの目的はただひとつ…。この宇宙は、定められた輪をたどるように、幾度も同じ時を繰り返してきた。その円環構造に楔を打ち込むこと。横溢するアイデアで読者を自在に翻弄する、鬼才のワイドスクリーン・バロック。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

新地学@児童書病発動中

110
この宇宙が気に食わないので、宇宙を丸ごと壊そうとする男を描いたSF。こんな馬鹿馬鹿しい話を大真面目に描こうとするところがSFの良いところだ。空前絶後のスケールを持った作品で、SFの中にもこのような壮大な話は少ない。ニーチェの永劫回帰の思想をベースにしている。この宇宙は何度も同じことを繰り返すと言う考え方だ。主人公のボアズは耐え難い痛みを経験したことがあり、それを何度も繰り返すことに耐えられないと思っている。荒唐無稽なSFのプロットの中に、真面目な哲学的考察が混じるところはディックの作品に似ている。傑作。2017/01/31

催涙雨

57
アイデアと設定と話が結構めちゃくちゃに錯綜しているのにテーマのほうで一本筋が通っていて、それがまったくブレないのがすごいところ。やっぱりこういう作品は好きだなあ、と改めて思う。この作品の宇宙は時間が円環状になっていて、未来は過去に値する。で、想像を絶するようなもの凄い苦痛を味わった経験のある主人公ボアズは、それが繰り返されるのを阻止するために、時間遡行・改変の方法を探す。簡単に言えばただそれだけの話なのだが、このなかにオリジナルの哲学だとか政治、船やシリコン・ボーンなどのたっぷりのガジェットが盛り込まれて2019/05/10

ニミッツクラス

10
91年の初版(480円)。本文280頁しかないと言うのに活劇とベイリー的宇宙論を存分に味わえる・・が、前半の疾走感に比して後半の読みにくさたるや寝落ち度倍返しだ。やはり常人の思考域を超えた宇宙論の根拠の無さ、と言うか、輪廻してても良いではないか、或いは精進して解脱すれば別の宇宙へ行けるのではないかと言うような宗教的観測も先に立つ。ロムレイ、時間石、鳥頭人、そして「歌う船」のサイボーグ船ヘルヴァに匹敵しそうな主人公とADPの塊の船の関係・・もうちょいなのに90℃で沸騰みたいなもどかしさを感じた。★★★★☆☆2015/08/14

けいちゃっぷ

10
何回か中途で挫折したものだが、ようやく読了。 なんだか50年代頃のSFを読んでいるような気分でした。 それはそれでいいんだけど、すんなりと頭に入ってこないというか。 解説でベイリーは小説が上手な人でないとチラッと書いてますが、そのせいもあるのかな。 ついでに解説の受け売りだが、ベイリーはこの宇宙の在り様にがまんがならないようだ、というところに妙に納得してしまった。 宇宙を敵に回した男のめくるめくワイドスクリーン・バロックをご覧あれ。 294ページ 2013/06/09

おーすが

5
ベイリー二冊目。コロネーダーと錬金術師、陰と陽など対にになる概念、船に繋がれたキャプテン、造形改造をほどこされたニンフガールなど身体性のあるキャラが前に読んだカエアンの聖衣と通じる感じ。カエアンの聖衣のほうがどちらかといえば好みだけど、珪素骨(シリコンボーン)もタイムジェルかっこいいし、ラストで心を持って行かれた〜メイスとのセックス&「死ぬ必要はない!」キャプテン・ボアズに全部!あと食べ物の描写がちょこちょこ出てくるのもかわいくて好き。パイナナ食べたい。2019/06/12

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