内容説明
プレミア12、台湾優勝の熱狂の裏にあったものは。日本植民地帝国のスポーツとしての野球が、台湾でどのように普及したのか。内地日本と植民地台湾、即ち中央と周縁の関係の中で、甲子園で準優勝した嘉義農林の「三民族」協力論の形成過程、それがいかに説得力を持ち、どのように利用されたのか、またそこにはどのような矛盾を内包していたのか。植民地期台湾の野球史からスポーツが帝国統治の手段として作用するメカニズムが明らかになる。
目次
序論
第1部 帝国の体育スポーツ 中央と周縁、競争と協力(台湾体育協会と野球行政体制;植民地帝国野球世界の構成;「嘉農」野球と「三民族」の運動競合)
第2部 コロニアル・モダニティ(台湾人のスポーツ観;野球選手の身体技能とアイデンティティ;軟式野球とレジャースポーツ;野球の大衆化―ラジオ、新聞、野球場)
著者等紹介
謝仕淵[シャシエン]
国立台湾師範大学歴史学科博士、国立台湾歴史博物館副館長、台南市政府文化局局長を歴任、現在は国立成功大学歴史学科准教授。研究分野はスポーツ文化史、物質文化史、飲食文化史など、日常生活や物にまつわる歴史研究を行っている
鳳気至純平[フゲシジュンペイ]
台湾・国立成功大学台湾文学科博士、文藻外語大学日本語学科非常勤助理教授、長栄大学応用日本語学科非常勤助理教授、中央研究院台湾史研究所ポストドクター、国立成功大学人文社会科学センターポストドクター等を経て、国立高雄科技大学応用日本語学科助理教授。研究分野は台湾の歴史、文学、漫画研究など
菅野敦志[スガノアツシ]
共立女子大学国際学部教授。博士(学術)早稲田大学。専門は台湾現代史、東アジア地域研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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