内容説明
10年もの間、無実の政治犯として囚われた父親、そして家族を襲う悲劇。しかし周りの人々に支えられ、ついには家族の解放と穏やかな生活をとりもどす。アメリカ在住の女性学者がつづる国境を越えたファミリーヒストリー。第二次大戦後、台湾戒厳令下の恐怖政治の時代、白色テロに襲われた一家族の証言。
目次
張我軍・張光直と私たちの一家
「二・二八事件」から思い起こすこと
六歳
雪中に炭を送る―恩師からの救いの手
監獄への面会途上で
父の物語
かたくなに家族を守った母
父の出獄
骨と灰の償い
言語のはざまで
伯父、陳本江と「台湾一の秀才」呂赫若
虎口を脱する―両親のアメリカ移住
紅豆の啓示
中国と台湾、両岸の受難者
実直に道を切り開いた伯父、張緑水
最後のカード
台湾女性の鑑、陳玉鑾
恩師、モーゼズ・シューとその妻シャルロット
娘が一六歳になって
弟の緑島訪問
父の手
著者等紹介
孫康宜[ソンコウギ]
1944年、北京生まれ。台湾で育ち、1968年、アメリカに移住。プリンストン大学文学博士。プリンストン大学東アジア図書館館長、イェール大学東アジア言語文学学科教授などを歴任。現在、イェール大学マルコム・G・チェイス56アジア言語文学講座名誉教授。専門は中国古典文学、抒情詩、比較文学、ジェンダー研究、文化理論、美学
杉本史子[スギモトフミコ]
1973年、名古屋生まれ。立命館大学大学院文学研究科史学専攻東洋史専修博士後期課程修了、文学博士。現在、立命館大学等で非常勤講師を務める。専門は中国近現代女子教育史、中国近現代ジェンダー史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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