内容説明
エッリーコ・マラテスタを中心とするイタリア社会主義(アナキズム)史の膨大な史料・文献に基づく緻密な先駆的研究の上に、「構造的暴力」と「積極的平和」、世界システム論、フェミニズム、「萃点の移動」、「四十億年の私の生命」、禅の呼吸、エンパワメントとエクスポージャー、ロングハウスデモクラシー、身土不二など、多様な考え方と実践を取り込み構想された平和学の中で、「いまここ」の「方法」としてアナキズムが描き出される。
目次
第1部 地球市民の平和学(平和の方法としてのアナキズム―ひとつのデッサン;地球民主主義の芽;地球市民への道;エンパワメントとエクスポージャーの平和学;もう一つの世界を求めて;“平和学”をめざして;補遺1 夢―少数民族の人権・エコロジーとアナキズム;補遺2 ユートピアの実験―モンテヴィデオにおける共同体)
第2部 ナポリ青年群像―エッリーコ・マラテスタ序章(南欧からの手紙 エッリーコ・マラテスタをめぐることども―一九七六年夏ミュンヘンにて;一八七一年ナポリ青年群像―エッリーコ・マラテスタ序章;ナポリ“ラ・カムパーナ”考;マテーゼ蜂起(一八七七年)とアンナ・イングレーゼのこと
チェルノブイリの年に
リビアとイタリア
女性・エコロジー・第三世界―南・北イタリアからの視点
反ファシズム青年群像素描―二〇世紀初頭のイタリア文化とグラムシ
第一次世界大戦とイタリアの戦後若者文化(一九一八‐一九二〇)
ナポリ文書館生活素描
マラテスタ研究をめぐる史料状況 素描(一八七一‐一八九一)
記憶の場 ヴェントテーネとサント・ステファノ
解題 戸田三三冬 その研究の軌跡―マラテスタ、アナキズム、そして平和学)
著者等紹介
戸田三三冬[トダミサト]
1933年~2018年。東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得満期退学(国際学修士)。2004年3月まで文教大学国際学部教授(在任中担当科目:国際学入門、国際関係論、ヨーロッパ地域研究、比較文明論など)。マラテスタ研究センターを主宰。専門分野:国際関係論、平和学、イタリア近現代史
田中ひかる[タナカヒカル]
1965年生。明治大学法学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。