内容説明
舞台は18世紀末ドイツ―。モーツァルトやシラー、ノヴァーリスの恋人らの真正な肖像画を描いた、ひとりの女性がいた。肖像は、いつ、どのようにして、描かれたのか。かれらの交流と、友情の軌跡をたどる。
目次
第1章 女流肖像画家の誕生
第2章 シラーとの親交と肖像画の制作
第3章 モーツァルトとの出会いと肖像画の制作
第4章 ヴァイマル公国のシラー夫妻との交流
第5章 ノヴァーリスからの依頼と肖像画の制作
第6章 ドレスデンからベルリンへ
著者等紹介
松田至弘[マツダヨシヒロ]
1940年東京生まれ。早稲田大学教育学部(西洋史専攻)卒業。秋田県立本荘高等学校長、秋田北高等学校長などを歴任。県合唱連盟会長や県高等学校文化連盟会長を務める。世界史教育の研究に関する賞や文部大臣表彰を受け、瑞宝小綬章を受章。現在、歴史研究家(西洋近世・近代史)で歴史エッセイを書いている。秋田日独協会顧問(前会長)、愛好団体「モォツァルト広場」会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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trazom
25
モーツァルトの肖像と言えば、ランゲのもの(私のアイコン)とシュトックのものが好きだ。ともにモーツァルト晩年の哀愁を湛えている。ランゲは有名だが、シュトックは全く知らなかった。義弟のサロンで文化人と交流し、シラー、シュタイン夫人、モーツァルトなどの肖像画を残している女流画家だったと言う。そんな人のことを丹念に調べ、日本で初めて紹介してくれた著者に感謝したい。ただ、この本は、事実の紹介に留まっていて、海老沢敏先生「巨匠の肖像」や高階秀爾先生「モーツアルトの肖像をめぐる15章」のような深い感動には遠く及ばない。2019/09/29
Go Extreme
1
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