植民地がつくった近代―植民地朝鮮と帝国日本のもつれを考える

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植民地がつくった近代―植民地朝鮮と帝国日本のもつれを考える

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  • サイズ B6判/ページ数 360p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784883034376
  • NDC分類 221.06
  • Cコード C1022

出版社内容情報

怪物としての民族主義を越えて!
あらゆる近代は、すべからく植民地近代である。韓国歴史学における、親日か反日かの閉鎖回路からの脱出をはかり、植民地収奪論/近代化論の対立をのりこえ、東アジアにおけるトランスナショナル・ヒストリーの可能性をさぐる。――韓国の民族主義に批判の一石を投じ、「韓国歴史学界の異端児」と恐れられる尹海東の本邦初の単著。


日本語版序文
第一章 私の近代
――絡みあうアイロニーの世界
 実験と挑戦としてのエッセイ
 「戦場にかける橋」とリー・クワンユー――植民地をみる二つの視角
 植民地分裂症と植民地近代
 分離した世界から絡みあう世界へ
 近代世界の普遍性と連続性――一六年戦争
 アイロニーの世界としての植民地近代
原注
訳者注
第二章 植民地認識の「グレーゾーン」
――帝国日本支配下の「公共性」と規律権力
 はじめに――なぜグレーゾーンか
 抵抗と協力の弁証法――植民地的公共性の意味
 近代化と規律権力
 結論にかえて
原注
訳者注
第三章 親日と反日の閉鎖回路からの脱出
 盧武鉉とウェーバー――責任倫理の世界、そして「親日」
 「過去清算」としての「親日派清算」について
 「忘却」のための「協業」――記憶の抑圧のために
 同一性イデオロギーとしての同化政策と「協力」
 多様な「協力」の形
 「責任」とはなにか
 「責任」を問う「清算」へ
  原注
訳者注
第四章 植民地官僚からみた帝国と植民地
 植民地官僚研究、何が問題なのか?
 「植民地国家」(colonial state)と植民地官僚
 植民地の社会分化と植民地官僚
 「協力」行為と帝国
 何を、いかにすべきか?
原注
第五章 民族主義は怪物だ
 問題提起――民族主義という怪物
 民族主義の両面性
 イデオロギーとしての民族主義
 「怪物としての民族主義」を越えて
  原注
訳者注
第六章 韓国民族主義の近代性批判
 問題提起
 韓国の近代民族主義の特性
  (1) 共和主義の成立と民族主義の伝播
(a)韓末の忠君愛国
(b)共和主義の台頭と民族主義の伝播
  (2) 種族主義と文化的民族主義の形成
(a)血統と種族主義
(b)言語民族主義
(c)歴史と文化的伝統の強調
(3) 有機体的民族主義と民衆の性格
(a)有機体的民族主義
(b)民衆と個人主義
(c) 民族主義を超えて――申采浩の場合
  (4) 植民地支配下における社会主義的民族主義の性格
 解放以降の民族主義の体制性と運動性
 韓国民族主義の展望
原注
訳者注
第七章 申采浩の民族主義
――民衆的民族主義、あるいは民族主義を越えて
 はじめに――申采浩を再読する義務
 一、大韓帝国期における申采浩民族主義の性格
(1)進化論の受容と発展論
(2)民族主義の公共性とアジア連帯論批判
 二、一九二〇年代における申采浩の民衆的民族主義、あるいは民族主義の克服
(1)発展論の再編と時空間認識の構造
(2)民衆の「発見」と民衆の「連帯」
 結論にかえて
原注
訳者注
第八章 トランスナショナル・ヒストリーの可能性
――朝鮮近代史を中心に
 はじめに――トランスナショナル・ヒストリー、どうみるべきか
 一、国民国家(nation-state)時代の近代理解
(1)国民国家時代における近代把握の特徴
(2)一国史的近代性(national modernity)
(3)国際関係史と比較史研究
 二、トランスナショナル・ヒストリーの可能性――グローバル時代の近代理解
(1)グローバル時代における近代把握の特徴
(2)グローバルな近代性、あるいは植民地近代(colonial modern)
(3)帝国史(Imperial History)、あるいは地域史(Regional History)の台頭
 おわりに――「トランスナショナル・ヒストリー」のために
原注
訳者注
第九章 ジャラパゴス、あるいは孤立した楽園?
――私のみた日文研と日本
訳者解題
日本語著作目録


尹海東[ユンヘドン]
一九五九年韓国出身。ソウル大学大学院国史学科で博士号を取得。現在漢陽大学比較歴史文化研究所教授。韓国近代史、東アジア史研究。著書に『脱植民主義想像の歴史学へ(????? ??? ?????)』(プルン歴史(????)、二〇一四年)、『近代歴史学の黄昏(?????? ??)』(チェクグァハムケ(????)、二〇一〇年)、『植民地近代のパラドックス(?????? ????)』(ヒューマニスト(?????)、二〇〇七年)、『支配と自治(??? ??)』(歴史批評社(?????)、二〇〇六年)、『植民地のグレーゾーン』(歴史批評社(?????)、二〇〇三年)など。共著に『植民地朝鮮と宗教』(三元社、二〇一三年)、『植民地公共性(??????)』(チェクグァハムケ(????)、二〇一〇年)、『歴史学の世紀(???? ??)』(ヒューマニスト(?????)、二〇〇九年)、『植民地近代の視座』(岩波書店、二〇〇四年)などがある。

沈煕燦[シムヒチャン]
一九八〇年韓国出身。立命館大学大学院文学研究科で博士号を取得。共著に『戦後史再考』(西川長夫ほか編、平凡社、二〇一四年)など。おもな論文に「回帰する〈新世界〉――植民地朝鮮の三・一運動と公共性の脈動」(『アリーナ』第一九号、二〇一六年)、『屠所の糞と「ポピュリズム」の行方――韓国小説『糞礼記』を読む』(『日本研究』第五三集、二〇一六年)、「明治期における近代歴史学の成立と「日鮮同祖論」――歴史家の左手を問う」(『立命館史学』第三五号、二〇一四年)などがある。

原佑介[ハラユウスケ]
一九八〇年日本出身。立命館大学大学院先端総合学術研究科で博士号を取得。共著に『戦後史再考』(西川長夫ほか編、平凡社、二〇一四年)。おもな論文に「「引揚者」文学から世界植民者文学へ――小林勝、アルベール・カミュ、植民地喪失」(『立命館言語文化研究』第一一二号、二〇一三年)、「害虫たちのジェノサイド、益虫たちのユートピア」(『生存学』第九号、二〇一六年)などがある。

内容説明

あらゆる近代は、すべからく植民地近代である。韓国歴史学における、親日か反日かの閉鎖回路からの脱出をはかり、植民地収奪論/近代化論の対立をのりこえ、東アジアにおけるトランスナショナル・ヒストリーの可能性をさぐる。―韓国の民族主義に批判の一石を投じ、「韓国歴史学界の異端児」と恐れられる尹海東の本邦初の単著。

目次

第1章 私の近代―絡みあうアイロニーの世界
第2章 植民地認識の「グレーゾーン」―帝国日本支配下の「公共性」と規律権力
第3章 親日と反日の閉鎖回路からの脱出
第4章 植民地官僚からみた帝国と植民地
第5章 民族主義は怪物だ
第6章 韓国民族主義の近代性批判
第7章 申采浩の民族主義―民衆的民族主義、あるいは民族主義を越えて
第8章 トランスナショナル・ヒストリーの可能性―朝鮮近代史を中心に
第9章 ジャラパゴス、あるいは孤立した楽園?―私のみた日文研と日本

著者等紹介

尹海東[ユンヘドン]
1959年韓国出身。ソウル大学大学院国史学科で博士号を取得。現在漢陽大学比較歴史文化研究所教授。韓国近代史、東アジア史研究

沈煕燦[シムヒチャン]
1980年韓国出身。立命館大学大学院文学研究科で博士号を取得

原佑介[ハラユウスケ]
1980年日本出身。立命館大学大学院先端総合学術研究科で博士号を取得(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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BLACK無糖好き

15
著者は「韓国歴史学界の異端児」と呼ばれているそうで、植民地という暴力がみなぎる場所で、既存の親日/反日、支配/抵抗といった二項対立の枠を超え、植民地を通じて近代をとらえなおし、近代市民社会と民主主義の基幹となる公共性を論ずる大胆な試みを提示している。更に民族主義に備わった否定性を制御し、肯定性を普遍主義的な思考へと導き新しい可能性の領域へと飛躍させるためにはトランスナショナルな思考の必要性も説いている。韓国の学界では、近代歴史学を脱構築するような著者の試みは受け入れ難いのだろう。2017/07/13

ポルターガイスト

5
韓国の立場から収奪論と近代化論の乗り越えをはかる。最近日本でも話題になった,韓国の民族主義を見直そうとする試みの源流と言える論者の本らしい。韓国の民族主義の相対化を呼びかけつつも,だからと言って別に日本の植民地政策を甘く描いたりはしていない。実証的というより観念的で人文学らしい論考が多かった。2024/09/28

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