内容説明
国家法と慣習法は、現在どのような関係にあるのか。北スマトラ州の多民族多文化都市メダンの地方裁判所からみた国家法(フクム)と慣習法(アダット)の動態を法人類学の視点から読み解く。
目次
第1章 序論―理論的背景と問題の所在(法人類学の軌跡―習慣法研究から法多元主義へ;法多元主義の功罪;拡大する法的領域と人類学 ほか)
第2章 インドネシアにおける法(多元的法体制の要素としてのアダット;分けるアダット、まとめるアダット;フクムとインドネシア性、正当性 ほか)
第3章 メダンの発展、アダット間の関係(他民族都市、メダン;東スマトラの港市国家と後背地;タバコ・プランテーションの繁栄と衰退 ほか)
第4章 訴訟が行われる場所(司法制度と統計資料からみる地方裁判所;メダン地方裁判所の様子;地方裁判所の業務とその特徴 ほか)
第5章 ADR(裁判外紛争処理)の受容と地方裁判所での反応(フクムとアダットの風景;司法政策におけるADR―アダットという法的資源;地方裁判所におけるADR―遠ざかるアダット ほか)
第6章 スルタン租借地をめぐる訴訟群の成立―東スマトラの土地紛争にみる争点の移動(ポシト・スハルト期の土地紛争とアダット復興;東スマトラの土地紛争―「待つ民」の活動とそのロジック;スルタン租借地の争点化 ほか)
第7章 結論―不断に引きなおされる境界線(インドネシアにおける国家法と慣習法;新たなほう人類学に向けて;「法の創造」の人類学)
著者等紹介
高野さやか[タカノサヤカ]
東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。東京大学大学院総合文化研究科助教を経て、現在、日本学術振興会特別研究員(PD)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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