内容説明
西ドイツ外交の歴史でもっとも興味深いのは「東方外交」であろう。建国以来西側ばかりに目を向けていたものを、ソビエト初め東欧諸国との関係改善に力を入れて懸案を解決しようと大きくカジを切った。これが、西ドイツ外交のもっとも躍動した時代を築き、世界の注目を集め、悲願のドイツ統一への道を切り拓いていったのである。その主役にはヴィリー・ブラントの名が挙げられるが、構想上・実践上影の主役を務めたのはエーゴン・バールであった。西ドイツ外交に果たしたバールの考えを中心にすえ、ドイツ統一前後までの外交の舞台裏を詳述する。
目次
矛盾にみちた青少年時代―一九四五年までの人生歴スケッチ
エーゴン・バール―冷戦の戦士?戦争の終結から壁の建設まで
ベルリンの壁構築がバールの東方政策・ドイツ政策構想にもった意義
「接近による変化」
未公刊書の草稿 一九六五/六六年
大連立
東方諸条約の政策
東方政策の危機?
付論 緊張緩和政策を通じての発展途上国政策
付論 連邦事務局長バール―知的な人選ミス?
分断のなかにチャンスを求めて
二つの平和条約―諦念それとも希望?
統一―夢が現実となる?
バールのドイツ構想の中心的観念の総括
エーゴン・バールの「内なるハシゴ」
結びの考察
著者等紹介
フォークトマイヤー,アンドレアス[フォークトマイヤー,アンドレアス] [Vogtmeier,Andreas]
1965年生まれ。ベルリン自由大学で政治学、歴史、ジャーナリズムの分野を専攻した。その後さまざまな新聞、ラジオ・テレビでジャーナリスティックな活動をする
岡田浩平[オカダコウヘイ]
1937年生まれ。1967年早稲田大学大学院文学研究科博士課程修了。1969年早稲田大学専任講師、1972年助教授、1978年教授。2008年停年退職。現在早稲田大学名誉教授。専攻は1933~1945年の間のドイツ亡命文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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