内容説明
17世紀フランスの偉大な巨匠プッサンの絵画は、硬直したアカデミズムの権化か?否。厳格な画面構成には造形的レトリックが駆使され、知性ある眼には豊かな語りと込められた寓意が立ち上がる。
目次
序論 研究動向と本研究の位置づけ
第1部 寓意を呼び込む修辞的な技巧(『幼いピュロス王の救出』―詩学と倫理学の交錯をめぐって;『エルサレム落城』―政治的理念の表象)
第2部 新ストア主義とプッサン―(『マナの収集』―織り込まれた新ストア的範例;『アルカディアの牧人たち』(ルーヴル美術館蔵)―「知恵」と「恒心」のテーマをめぐって)
第3部 フロンドの乱の時代における恩寵、運命、知恵(『エリエゼルとリベカ』―象徴的次元の前景化;「英雄的風景画」の成立と物語画―フロンドの乱への応答;『コリオラヌス』―戦争と平和の寓意 ほか)
結論 プッサンの物語画の意味構造
著者等紹介
栗田秀法[クリタヒデノリ]
1963年愛知県生まれ。1986年名古屋大学文学部哲学科(美学美術史専攻)卒業。1989年名古屋大学大学院文学研究科哲学専攻(美学美術史専門)博士後期課程中途退学。愛知県美術館主任学芸員、名古屋芸術大学美術学部准教授を経て、名古屋大学大学院文学研究科教授(学芸員養成課程(博物館学)担当)。専門はフランス近世・近代美術史、美術館学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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