内容説明
帝国史における宗教と近代。天皇制国家のもと、植民地と宗主国を往還する宗教諸政策。西洋的な宗教概念が日本経由で移入され、人々の日常生活が分節化されていく。キリスト教と仏教、国家神道とシャーマニズム。ポストコロニアル研究を東アジアの近代経験から捉え直した、日韓の研究者による共同研究の成果。
目次
「帝国史」として「宗教」を論ずる
第1部 宗教概念と帝国史(一九一〇年前後における「宗教」概念の行方―帝国史の観点から;日本帝国時代における宗教概念の編成―宗教概念の制度化と内面化)
第2部 日常生活における宗教布教(一九一〇年代、崔重珍の自由教会とその周辺―「蓄妾」と「祭祀」問題をめぐって;植民地朝鮮における日本仏教の社会事業―「植民地公共性」を手がかりとして)
第3部 国家神道と類似宗教論(宗教概念と国家神道論―“帝国=植民地”を射程に入れて;朝鮮総督府の神社政策と「類似宗教」―国家神道の論理を中心に)
第4部 国家神道と固有宗教論(植民地朝鮮における宗教概念をめぐる言説編成―国家神道と固有信仰のあいだ;「方法」としての崔南善―普遍性を定礎する植民地)
第5部 朝鮮民俗学と固有信仰(日本人の「朝鮮民俗学」と植民主義―民間信仰論を中心として;日本帝国時代における巫俗言説の形成と近代的再現)
「植民地近代」と宗教―宗教概念と公共性
著者等紹介
磯前順一[イソマエジュンイチ]
1961年茨城県生まれ。東京大学人文科学研究科中退。文学博士(東京大学)。現、国際日本文化研究センター准教授(京都)。宗教・歴史研究
尹海東[ユンヘドン]
1959年韓国生まれ。韓国ソウル大学校国史学科文学博士。現、韓国漢陽大学校比較歴史文化研究所教授(ソウル)。東アジア史・韓国近代史研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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