内容説明
蠱惑的な視線を投げかけるティツィアーノ作『ウルビーノのヴィーナス』。彼女は神か、女か?―見る者を挑発する謎めいた姿は、横たわる裸婦像の古典となった。燦然と輝くこの美女を結節点に、古代・ルネサンス・近代美術とイタリア文学の論者4人がヴィーナスの変容を多彩に語る。
目次
ギリシア・ローマ美術の横たわる裸婦―娼婦と淑女と女神と母
ルネサンス美術に表されたヴィーナス―『ウルビーノのヴィーナス』を中心として
イタリア文学におけるヴィーナスとその周辺人物
マネ『オランピア』―横たわる裸婦像の集約と解体
著者等紹介
浦一章[ウラカズアキ]
1959年富山県生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科教授。専門は中世イタリア文学、中世南仏文学
芳賀京子[ハガキョウコ]
1968年大阪府生まれ。東北大学大学院文学研究科准教授。専門は古代ギリシア・ローマ美術史
三浦篤[ミウラアツシ]
1957年島根県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科教授。専門は十九世紀フランス美術史。日仏美術交流史
渡辺晋輔[ワタナベシンスケ]
1972年神奈川県生まれ。国立西洋美術館主任研究員。専門はイタリア美術史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ラウリスタ~
9
第1章芳賀京子、第二章渡辺晋助が必読(第4章三浦篤はほぼマネ論)。芳賀は、古代ギリシャでは性欲の対象でしかなかった「横たわる裸婦」が、徐々に美と豊穣性、そしてローマでは母性までをも獲得していく過程を鮮やかに描き出す。女性の裸体はほとんど描かれてこなかったが、意外にも日本の春画的な娼婦の姿も古ギにあるのが面白い。渡辺はウルヴィーノのヴィーナスをめぐる、イコノロジー的解釈と、反イコノ的解釈の対立に注目。前者はネオプラトニズムの観点から図像解釈、後者は単なるポルノだと。その間をとり、祝婚画の社会的役割に注目する2024/02/09
dama
0
神話画さん、美人画さん、イヤサ、肖像画…かどうかは扨おき、ティツィアーノはじめヴェネツィア派を見てると一寸だけ、フィレンツェをぶっ飛ばせ。という気分になるのだけど…彼女、現住所はウフィツィでしたね。嘘です。ぶっ飛ばさないで。2017/12/16
ヒイラギ
0
表紙になっているところも素敵ですがナマで見てほしい。あの肌の質感の麗しさとかは印刷物とかだと難しいですよ。しかし「裸描く言い訳=古代」はどうなんだろう・・・あと沐浴中スザンヌ。2012/08/04
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