内容説明
ドイツ表現主義を代表する画家キルヒナーがあえて右手を切断した姿で描いた自画像。「切られた手」というこのショッキングなモティーフの背後には、芸術家の創造力の象徴として「右手」を強調する連綿とした伝統がある。
目次
自分自身を見つめること
『兵士としての自画像』―ディスクリプションと歴史
これまでの批評と解釈
歴史的伝記的背景―キルヒナーの兵役時代
キルヒナーのほかの作品―一九一五年から一九一七年
戦争参加の願望と拒絶
規範的受難者としての芸術家
切り落とされた手のモティーフ―手術を超えて
戦争プロパガンダ図像としての切断された手
画家の失われた手〔ほか〕
著者等紹介
シュプリンガー,ペーター[シュプリンガー,ペーター][Springer,Peter]
美術史家。1944年ウッチ(ポーランド)生まれ。ハイデルベルク、ケルン、ミュンスター、ベルリンの大学で学ぶ。1973年、ベルリン自由大学で博士号修得。ベルリンの複数の博物館に学芸員として勤務した後、ローマ、ビブリオテカ・ヘルツィアーナ(マックス・プランク研究所)で研究員を務める。1979~2009年、オルデンブルク大学に勤務。この間の1991年、ベルリン自由大学から大学教員資格を修得。1994~1995年、プリンストン(アメリカ合衆国)のインスティテュート・フォー・アドヴァンスト・スタディ(高等研究所)研究員
前川久美子[マエカワクミコ]
美術史家。東京大学教養学部卒業、同大学院人文科学研究科博士課程(美術史学専攻)中退。1985年、フランス一四世紀の詩人、作曲家ギヨーム・ド・マショーの作品集の装飾写本に関する論文(“Recherches iconographiques sur les manuscrits des po´esies de Guillaume de Machaut”)によってパリ第四大学で第三課程博士号を修得。1985~2010年、複数の大学に勤務(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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メルセ・ひすい