内容説明
アメリカの建国以来つづくフランスとの“危険な関係”。本書は、「ラ・ファイエット神話」、自由の女神、「アングロ・アメリカン」コンプレックス、マーシャルプラン、文化のマジノ線などをキーワードとして、歴史や社会、文学や映画の多様な方面からフランス・アメリカの関係史を描いている。ユニークで意欲的な仏米比較論の試み。
目次
1章 フランス‐アメリカ―この“危険な関係”前史
2章 「新世界論争」
3章 文学共和国のアメリカ像
4章 自由の女神
5章 ヤンキーとアングロ・サクソン神話
6章 文化のマジノ線
7章 文化のマジノ線・補遺
著者等紹介
宇京頼三[ウキョウライゾウ]
1945年生まれ。三重大学人文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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うえ
4
フランスの反米感情、その伝統。「仏米の危険な関係の遠因ともなった…新世界論争は1750年頃に始まり…驚くべきことだが、この論争のもととなる反米感情、新大陸への否定的感情を表す言説が啓蒙哲学の陣営から生まれ、隆盛したことである。しかもその言説…ビュフォンやヴォルテール、レナール神父が主役だったのだ…それがパリを中心として、やがてヨーロッパ中に広がり、十八世紀末には若いアメリカ共和国にはねかえって、仏米間の論争に発展することになる」この論争は当初は博物学的なものだったがそれは米への不確かな知識に基づいていた。2016/07/09