内容説明
芸術音楽史のドキュメントとしての西洋音楽思想。20世紀の芸術音楽およびそれを準備した18・19世紀の芸術音楽の動向を、いわゆる近代の「モダニズム」の意識のもとに展開した現象と見なし、この現象を改めて「芸術音楽における近代」として音楽思想史的に問い直す。
目次
情緒‐描出から感情‐表現へ
第1部 近代芸術音楽思想の展開(音楽における自然;ドイツ観念論と音楽;シェリングの音楽哲学;ヘーゲルの音楽哲学とベートーヴェン)
第2部 近代芸術音楽展開の思想(絶対音楽の美学;ドラマ的交響曲像への転換;標題音楽について;ベートーヴェン神話の形成と支配)
第3部 近代音楽学の成立(近代音楽学の成立をめぐるドイツ音楽思想の展開;アードラーの「音楽学」の体系法について;音楽学と芸術学)
第4部 音楽における近代と現代(二十世紀モダニズムの音楽論;モダニズムの中のアンチ・モダニズム;音楽における近代と現代)
著者等紹介
三浦信一郎[ミウラシンイチロウ]
1943年、兵庫県龍野市に生まれる。1974年、京都大学大学院文学研究科美学美術史学専攻博士課程単位修得の上退学。1977年、帝塚山学院大学文学部美学美術史学科の専任講師に就任、以後、助教授を経て、1989年以来教授。1986年~1987年にかけて、西ドイツのチュービンゲン大学音楽学研究所に留学。2002年、学位:博士(文学)を大阪大学より授与される
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