内容説明
終戦50周年メモリアル出版。6年にわたる壮絶な民族間闘争、4600万人にのぼる死者、数億人におよんだ悲惨な災厄を、厖大な資料を基に、イギリスの著名な軍事史家が描ききる。
目次
流れは連合国へ(一九四二年冬)
勝利への青写真、カサブランカ(一九四三年一月)
ドイツ軍の危機(一九四三年二月)
“敵を海に追い落とせ”(モンゴメリー)(一九四三年春)
“枢軸に生じた最初の亀裂”(ルーズベルト)(一九四三年夏)
退却するドイツと日本(一九四三年秋)
“東部戦線での致命傷”(ゲッベルス)(一九四三年冬)
アンツィオ、カッシノ、クェゼリン(一九四四年一~二月)
爆撃、追放、大量殺人(一九四四年二~三月)
レジスタンス、妨害活動、欺瞞(一九四四春)〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
skunk_c
44
下巻は戦局が連合国有利に傾きだした1942年冬から。上巻と同様、日誌のように淡々と戦争の経過と様々な戦いや事件、そしてそれにかかわる人間の死が紹介される。本書は1988年、冷戦の終結直前に著されたものだが、様々な価値観が入り込むことを極力抑えようとしているようだ。原爆についても詳細とは言えないまでも被害の実態を含め言及されている。また戦後処理についても2章を割いているが、最後の言葉がとりわけ印象に残った。「世界大戦の未決着の問題で最大のものは人間の痛みである。」今なお読まれるべき名著、文庫化が望まれる。2020/05/22