内容説明
天才作家・風太郎が若き日に書いた、短篇7作を新発見!プロになる以前に書かれたノート一冊分の習作と、未発表の原稿を収録する貴重な作品集!
著者等紹介
山田風太郎[ヤマダフウタロウ]
1922年、兵庫県生まれ。東京医科大卒。47年、「宝石」の第1回懸賞小説に「達磨峠の事件」が入選。以後、卓抜な発想の作品を次々と発表し、49年、「眼中の悪魔」「虚像淫楽」の2作で探偵作家クラブ賞を受賞。97年に菊池寛賞、00年、第4回日本ミステリー文学大賞を受賞。01年7月28日逝去
有本倶子[アリモトトモコ]
1944年、兵庫県養父郡関宮町(現養父市関宮)生まれ。同志社大学文学部卒。歌人・作家。ケースワーカー、教師として勤めたのち、著作活動に入る。歌集、評伝、エッセイなど、著書多数。00年、地元有志と、「山田風太郎の会」を結成し、「山田風太郎記念館」建設運動に奔走する。03年「山田風太郎記念館」建設となる。現在、但馬各地の八つの短歌教室の講師を務めながら、「山田風太郎記念館」の運営、風太郎顕彰活動に携わっている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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くみこ
8
文字通り山田風太郎未発表の短編集です。さすがに時代がかってはいるのですが、研ぎ澄まされた表現力と、会話の美しさには思わず姿勢を正してしまいます。山田風太郎記念館を建設した有本倶子による丁寧な解説と、当時の写真や山田風太郎の手によるイラストなどもあって、興味深い一冊でした。2016/06/22
私的読書メモ3328
3
懸賞に応募した23歳頃に書かれた作品や、中学三年生時に書かれたおそらく最初の作品など、山田風太郎の初期作品を集めたもの。この若さでこんな作品を書かれちゃあ堪らないな、という粒揃いで圧倒されました。2022/05/27
東隆斎洒落
3
13.12.22 昭和20年のノートに記された、未発表のエッセイ4作品。 初期の作品だけあって粗い感じがするが、表現の上手さにやはり惹かれる。 著者の描く、女性観には独特のものを感じるが、個人的には「日本合衆国」が印象的。戦中の当時、所謂道州制に着目する先見性は秀逸であるが、そのリーダーとして国を引っ張ろうとする候補者たちの演説内容が、何ともバカバカしくて楽しめる。 風太郎の写真やスケッチも参考になり人間味を感じる。 兵庫県養父市の山田風太郎記念館を訪れてみたいと思わせる一冊。2013/12/22
てまり
2
物語の構造もしっかりしてるけど、やはり後年の作と比較するとシンプル。そのぶん文章のうまさに驚いた。2013/12/15
Aiko
2
「紫陽花の君」「雪女」共に、女性の描かれ方が絶妙かつ印象的。私は彼の描く女性が好きだなあと再確認した。江戸川乱歩が「雪女」を高く評価していたというのは何か分かる気がする。2013/10/01
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