内容説明
突如、現れた地獄の“鬼”により、地上は瞬く間に阿鼻叫喚の地獄と化した。なすすべのない恐怖から、快楽を貪るだけの人間をたんたんと嬲り殺す鬼達。憎悪の文学を確立した傑作「狂鬼降臨」。誰一人死ぬことが不可能となった世界を描き、著者自ら「狂鬼降臨」の一環と語る「地獄の釜開き」。全身が腐る病、退廃病。男にのみ感染するこの病の感染源は女だった…「呪縛女」。飛び散る脳漿、溢れる体液、あなたは友成純一の世界を黙視できるか。
著者等紹介
友成純一[トモナリジュンイチ]
1954年福岡生まれ。1976年、早稲田大学在学中に「透明人間の定理リラダンについて」が幻影城新人評論部門に入選。映画評などでも活躍したのち、1985年「肉の儀式」で小説家デビュー。官能的でバイオレントな作風が注目を浴びる。以後、スプラッター小説のパイオニアとしてだけでなく、SF、ホラー、怪獣小説などでも、鬼才ぶりを発揮し、多くの著作を発表。またロンドン関連の著書も多い。現在はバリ島在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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yomineko@ヴィタリにゃん
65
ぐちゃぐちゃ!ねとねとベタベタ!酷い描写の連続に吐き気も忘れる(笑)が、著者の後書きに救われた。江戸川乱歩の「地獄風景」にインスパイアされた「地獄の遊園地」らしいが鬼の悪虐の限りを読んだ後ではこの遊園地が楽園に思えて来る(笑)読んではいけないと思いつつ最後まで読み切った私は良い子(笑)先生、早稲田の政経ご出身と知り、更なる衝撃が走る😨😨😨先生、地元福岡県への愛を感じますが、どげんしたらこげな話を思いつかれると???うう、うう、、、読み友様の中に何度も読まれている方がおられますが私再読は出来ないです!2024/05/22
carl
15
再読したら面白さが解ってきたかも。 2017/11/14
臓物ちゃん
11
臓物カラメ糞尿マシマシ!グロ100%山盛りドン!てな感じの短編集、噂に聞いてたのが何故か図書館にあったので読んでみたんだけど、う〜ん……思ったよりグロ描写がくどくなくてあっさりテイストだな〜と感じちゃったのは、俺が平山夢明やら草野原々やらで免疫が出来ちまったからかな〜。しかし話のヒドさは日ノ本一なので『ファイナル・デスティネーション』シリーズの冒頭が好きな人にはオススメ……いややっぱり誰にもオススメしねぇ!読むんじゃねぇぞオイ!2019/09/23
三柴ゆよし
10
地獄から溢れ出した鬼たちによって理不尽な殺戮が繰り返される「狂鬼降臨」、暴走したアトラクションによって理不尽な殺戮が繰り返される「地獄の遊園地」、「死」が失われた世界において理不尽な殺戮が繰り返される「地獄の釜開き」……。「狂鬼降臨」はある意味人間存在の究極的な相対化を描いたともいえる。オススメはしない(出来るか!)が、こういう世界もあるんだなということを知っておいて損はないだろう。別に得もしないが。2010/06/14
すけきよ
10
本の半分以上が「狂鬼降臨」。人体も遺体もそこには人格がある。しかし、人間なんて所詮は糞袋と言い捨て、肉塊と化する描写だけを続ける本作はある意味必読。まぁ、自己責任で(笑)「地獄の釜開き」は「狂鬼降臨」の1エピソードという趣で、狂気とエログロの極致を担う作品で素晴らしい。あとの短篇は、人体破壊描写はいつもどおりの執拗さなんだけど、ストーリー自体は割と普通なんだよなぁ。もっと、似たようなテイストの作品をチョイスするか、もしくは「狂鬼降臨」と「地獄の釜開き」だけの方が統一感があってよかったような気がする。2009/07/18