内容説明
本書の特長は、文章が単なる写真の説明ではなく、写真と文章が互いに対等で、相補的な関係にある点にあります。そして、文章の中では、まずいくつかの重要な発見を含む観察記録が語られています。ウスイロオナガシジミやミズイロオナガシジミが、夜明けの薄明の頃活動する等、未だ誰も知らなかった事実ですし、シジミチョウの尾状突起が蟻の攻撃に対して役立つとか、羽を倒して蟻を追い払うとか、新発見の観察記録が、写真を伴った強い説得力で語られています。
目次
浅春の渓流・蝶のいる風景
草原の蝶が消えてゆく
ベニシジミの求愛行動
山里のゼフィルス
ユリの花とアゲハチョウの尾状突起
蝶のテリトリー
蝶のオスは何故メスよりも早く羽化するのか
蝶の吸水行動と水浴
太陽の光で青くなる蝶
岩場に棲む蝶〔ほか〕
著者等紹介
大屋厚夫[オオヤアツオ]
1942年島根県三隅町岡見に生まれる。県立浜田高校を経て、東京医科大学卒業。同大学卒業後、岡山大学付属病院第2外科教室に研究生として入局。医学博士。専門は循環器外科学。3郡11ヶ町村立雲南総合病院(島根)の外科医長を務め、1983年に医院開業。蝶に関する著書は次のようなものがある。『野外ハンドブック・2「蝶」』(1975年山と渓谷社 共著)。『図説・世界の重要昆虫「Parnassius属の地理的変異と個体変異」No.1~10』(1987年月刊むし社 編・共著.未完継続中)。その他、パルナシュウス属に関する多数の新亜種の記載がある。また、日本蝶類学会の発足と同時に機関誌「Butterflies」に蝶の小観察に生態写真をつけて興味深く解説し、「蝶珍記」と題して、1992年の創刊号より4年間連載。新しい視点の発想として好評を博した
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