内容説明
坂東独立国家を目指した平将門。東国武士の開祖藤原秀郷。鎌倉幕府を支えた下野武士。江戸に幕府を開いた徳川家康は“坂東太郎”利根川を東遷させ、いまの関東の基礎を築く。明治期に産銅量が急増した足尾銅山は鉱毒被害を引き起こし田中正造の天皇直訴に至る。渡良瀬遊水地は、国際的に重要な湿地としてラムサール条約に登録される。渡良瀬遊水地の地元・栃木市の郷土史家で、利根川流域史を知悉する著者が、広大な大地が広がる関東平野の歴史を思いのままつづる。
目次
日本の原風景と関東平野
江戸時代の利根川改修事業―徳川幕府の経済基盤を確立させた「東遷事業」・「新田開発」
下総国 飯沼新田開発三千町歩
つわもの 平将門の乱(怨乱‐反乱‐内乱)―中世武士の萌芽 坂東独立国家構想の夢→鎌倉幕府頼朝へ
古代の「防人」と中世の東国
秀郷流小山一族の活躍
近世栃木町の誕生と巴波川の舟運
部屋河岸・新波河岸
思川(黒川)水系の河岸
地域と共に―渡良瀬遊水地の生い立ち
田中正造翁「予は下野の百姓なり」
渡良瀬遊水地に古里あり
著者等紹介
荒井邦[アライクニ]
昭和12年栃木県栃木市藤岡町部屋生まれ。部屋小、部屋中、栃木高校、日本大学短期大学部商経科卒。東邦特殊パルプ(株)入社。現在:渡良瀬遊水地葦之和紙つくり研究所主宰。藤岡町巴波川周辺地区治水事業促進連絡協議会顧問(前会長)。元:部屋区長、藤岡町文化財保護審議会委員、部屋南部ふるさとつくり推進協議会会長、とちの環県民会議企画委員、栃木市文化のまちづくり協議会副会長、など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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