感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きゃんたか
10
無宗教とは地縁や血縁に制約せられた文化的帰属に過ぎない。宗教的帰属は文化、家族、必要、無所属、非対称の五分類が可能。多元主義とは葛藤経験の産物。拡散化、多重化、脱中心化、脱構築を旨とするポストモダンの契機とは、一言で言えば普遍的理念に対する不信感。現代宗教の役割とは、ポスト世俗主義としてのテクストの解放。平等に見える多文化主義は文化の固定化と自文化のナルシズムを隠蔽している。宗教の領域とは、意味、神秘、経験、不可知。仏教もキリスト教も、その本質は自己否定を契機とする自己疎外から人間本来への回帰。2015/12/30
