感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Midori Nozawa
8
灰谷健次郎『太陽の子』を読み終えて、ふと『時に生き時を超えて』で触れてあったような気がしました。やっぱりありました。『太陽の子』の中の二人の母について書かれています。一人は主人公ふうちゃんの母(てだのふぁ沖縄亭を切り盛りしている)もう一人はキヨシの母。著者松平信久氏が立教中高の校長先生として、生徒に講話として話されたものをまとめた本です。著者にお聞きしましたら、灰谷健次郎の著書をたくさん読まれたとのことでした。本は時を超えて、何度も味わうことができます。2019/01/30
Midori Nozawa
6
たくさんの読み物が短く紹介されていて読みやすかったです。来年中学生になる孫にこの本を紹介したいです。日本を始め世界の名作を取り上げてあります。タイムマシーンでいろいろな時代を行き来する作品からは「時」とは何かを考えさせられました。不老長寿の薬を使って長生きすることが決して幸せではなく、「死」が神様から与えられた最高のご褒美という記述が一番印象に残りました。私は今60代の最後。老醜と言える?ものが目につきます。いやいやこれは「死」が自然に迎えられるためのサイン(自他ともに納得できる)のひとつかもしれません。2016/11/30
Midori Nozawa
5
読書会を開くので、再読しました。(全部読み終えたわけではありません)太平洋戦争前後の作品も多く取り上げられています。母のない子と子のない母となど。戦争のどさくさの中で、よい作品も生まれ、人間の逞しさみたいなものを感じます。キリスト教の国では神への懺悔がありますが、日本では母親への懺悔という一面があるのでは?と投げかけています。父親はぐーたらで、しっかり者の母親が粉骨砕身、子どもを育て上げたという家庭もありそうです。読書会ではこの本の感想などを発表しあい、また各参加者の愛読書を紹介しあえることを望みます。2017/07/08