内容説明
ヨーロッパ大陸系の流れを汲む倫理学の立場から、倫理学的な判断形成へのさまざまなアプローチを検証しつつ、新しい価値評価を導く医療行為の指針を探る。人間であることと人格であることを切り離す英米の功利主義への批判の論点を明確にし、現代の医療倫理の基本テーマを緻密に解明していく。
目次
医療倫理学の概念と課題
倫理学的な判断形成の方法
医療倫理学の規範的な基礎づけ
身体的‐人格的存在者としての健康な人間と病気の人間
医師‐患者関係
治療的実験‐人体実験‐倫理委員会
予測医学
遺伝子治療
胚研究
生命の保護をめぐる論争
臓器移植
死にゆくことと死
医療制度における資源の配分