そうえんしゃ・世界のえほん バラ咲くじゅうたんのあるところ

カーン，ルクサナ【作】〈Ｋｈａｎ，Ｒｕｋｈｓａｎａ〉/ハイムラー，ロナルド【絵】〈Ｈｉｍｌｅｒ，Ｒｏｎａｌｄ〉/若林 千鶴【訳】

そうえん社（2006/03発売）

• サイズ A4判／ページ数 27p／高さ 28cm
• 商品コード 9784882642824
• NDC分類 K726
• Cコード C8797

内容説明

一番楽しみな時間は、じゅうたん織りの職人になる訓練を受けている時。じゅうたん織りにむちゅうになっているときだけ、あの爆撃機のこわい夢をわすれられる。おなかがへっていることも、なにもかも。じゅうたんを織るこの指が、戦争なんてない平和な世界をつくりだしている気がする。お父さんがいる天国のような世界を。アフガニスタンの難民キャンプにすむ少年の夢―平和への願いをこめた、赤いバラ咲くじゅうたんを織ること。

著者等紹介

カーン，ルクサナ［カーン，ルクサナ］［Ｋｈａｎ，Ｒｕｋｈｓａｎａ］
パキスタンで生まれ、３歳のとき家族とともにカナダに移住。コミュニティ誌に寄稿することからはじめ、こどもむけのビデオや物語を作る仕事に従事。本作品は、パキスタンの難民キャンプを訪れたときの取材をもとにかかれた。ポーランドの、「コルチャック賞」を受賞。現在、夫と４人のこどもたちとともに、カナダのトロントに住む

ハイムラー，ロナルド［ハイムラー，ロナルド］［Ｈｉｍｌｅｒ，Ｒｏｎａｌｄ］
アメリカ・オハイオ州の生まれ。イラストレーター養成学校で学ぶ。ミシガン州にある芸術学院で数年はたらいたあと、プロの画家として活動するようになる。広くヨーロッパを旅行し、多くの美術館を見てまわった。１９７２年に、はじめてのこどもの本を発表。いままでに１５０冊以上の仕事をしている

若林千鶴［ワカバヤシチズル］
１９５４年大阪市に生まれる。大阪教育大学大学院修了。現在大阪市の公立中学校で国語と図書館を担当。楽しみながら、考える読書指導を心がけている（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[ヒラ[e-mail]]

とても現実感のある作品で、その迫力に呑まれてしまいました。 戦火を逃れてきた少年は、爆撃機が襲ってくる夢に苦しむのです。父親の死を思い出すのです。 難民キャンプでの暮らしは、決して楽では有りません。 おまけに、妹は交通事故に遭ってしまいました。 少年の平話と安心への渇望が、痛いほど伝わってきました。

2023/12/21

[gtn]

苦しみや悲しみが深い人ほど、バラが咲き香る場所があることを知っている。

2021/08/23

[絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく]

アフガニスタンの難民キャンプに住む少年の夢は、じゅうたん織りになること。訓練は辛い生活だけれど、バラの花でいっぱいのじゅうたんを織りながら平和を願います。＜運命とは何か＞

2023/03/31

[ヒラ[e-mail]]

【再読】大人のための絵本

2023/12/28

[れい]

【図書館】戦争から逃れてきた難民の人たちはみんな日常的にトラウマティックな夢をみたりしているのかもしれないな。遠く離れた国の出来事で関係ないと言い切れない。世界の均衡はかろうじて保たれているようにみえるけど、だれも明日も何年も先も同じように平和が続いているのか分からない。だから、他人事ではないと思う。

2025/02/16