内容説明
孔子は一生こつこつと地上を歩きながら、天の言葉を語るようになった人である。天の言葉は語ったが、彼には神秘もなければ、奇跡もなかった。いわば、地の声を以って天の言葉を語った人なのである。彼の門人たちも、彼にならって天の言葉を語ろうとした。しかし彼らの多くは結局、地の言葉しか語ることができなかった。そこに彼らの弱さがある。そしてこの弱さは、人間が共通にもつ弱さである。こうした『論語』のなかの言葉を、読過の際の感激にまかせて、それぞれに小さな物語に仕立ててみたいというのが本書の意図である。衝撃的な名作『次郎物語』の著者が贈る、永遠に読み継がれる1冊。
目次
富める子貢
伯牛疾あり
志をいう
子路の舌
自らを限る者
宰予の昼寝
觚觚ならず
大廟に入りて
豚を贈られた孔子
考を問う〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
みちみち
5
とある本でおすすめされてて。ちょっと難しかったけど、分かりやすくて面白いと思えた。孔子について読んだのは初めてで、なんて立派な人なんだろうって感動した。読んで良かった。読んでる間は気持ちが落ち着いた。2015/03/25
chikapie
2
物語なので、論語をそのまま読むよりも言葉の意味やイメージを感じやすい。そりゃそうだよねってことを言ってるんだけど、修練を積まないとたどり着けない境地なんだろうなと思う。2020/09/05
ぷりそまま
1
出てくる人の名前が理解するまで、苦戦したが、理解してからは一気読みした。歳をとってから読むとおもしろい。2010/10/22
にゃも
0
論語をもとに、孔子とその弟子たちのやりとりが生き生きと描かれている。仕事のことやら人間関係のことやら、人間というものはいつの時代も変わらないものだなと思う。今年はもうちょっと論語についての本を読みたいのだが、初っぱなに一番面白いものを読んじゃったんじゃないかと少々不安だ。2016/01/02
一彩
0
「悪の根源は何といっても自分を愛しすぎること・・・」過ぎることが,なんでもいけないのかな。中庸かなあ。2019/04/29