CMCテクニカルライブラリー
水溶性高分子の機能と応用

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ A5判/ページ数 342p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784882318682
  • NDC分類 578
  • Cコード C3043

出版社内容情報

(2000年『水溶性高分子の最新技術 』普及版)

--------------------------------------------------------------------------------

 水溶性高分子は界面活性剤と同様に,界面に吸着し,保護コロイド作用,増粘作用,ゲル化作用,乳化作用等の諸機能を発現させ,少量の添加で cost/performance を満足することが出来ることから,洗剤,化粧品,食品,医薬品,塗料,土木等の広範囲な産業分野の製品に応用されている。
 高度経済成長期,化学産業界は大量生産,大量消費,性能追求の旗のもとに,もっぱら「物質的豊かさ」を追求し,おおむねその成功を収めてきた。しかし,これにより新たなパンドラの箱を開け,20世紀後半,オゾンホール,酸性雨,大気汚染,海洋汚染,地球温暖化等の悪疫を地球規模でもたらす結果となった。その結果,化学産業界全域に渡り,「技術的な視点」と「環境に対する経済性の視点」から見直しが行われ,「人体に安全」で,かつ「自然の自浄作用」を損なわないことが技術開発の制約条件として広く受け入られるようになってきた。
 本書のシリーズは1980年に初版を発刊して以来,改訂・編纂を行ってきた。今回,「水溶性高分子の最新技術」を編纂するに際し,上記の背景をもとに,1)人体に安全で,環境適合性(または低負荷型)高分子開発,2)高分子の新機能創出のための分子設計,合成制御(分子量,架橋度),技術開発,3)分子次元の高分子物性評価技術開発,4)高分子界面活性剤として機能評価技術開発の視点から,各産業界に渡り,水溶性高分子利用技術をまとめることにした。各産業分野で活躍されている第一線の研究者,技術者の方々にとって,技術課題解決のための「新たな視点」探索の糸口になれば幸いである。
 2000年 5月 ライオン(株) 堀内照夫
普及版の刊行にあたって
 本書は2000年5月に『水溶性高分子の最新技術』として刊行されました。このたび普及版を刊行するにあたり,内容は当時のまま何ら手を加えておりませんが,ご了承願います。
2005年 12月 シーエムシー出版 編集部


--------------------------------------------------------------------------------

堀内照夫 ライオン(株) 研究開発本部 物質科学センター 主任研究員
(現)神奈川大学 工学部 化学教室
佐藤恵一 第一工業製薬(株) 生活資材研究部 課長
(現)第一工業製薬(株) 技術開発本部 アメニティ材料研究部 課長
秋丸三九男 日本サーファクタント工業(株) COSMOS開発本部
(現)(株)コスモステクニカルセンター 基礎製剤部
三宅深雪 ライオン(株) 研究開発本部 物質科学センター 副主任研究員
菅野智栄 カンノ食品技術研究所
林哲史 (株)クラレ ポバール・エバール研究開発部
塩澤和男 (株)中央技研 代表取締役 技術士 井上裕 関西ペイント(株) 製品開発研究所
(現)日本化工塗料(株) 常務取締役 機能製品事業部長
石野博吉 日本ポリマー工業(株) 取締役技術部長
本山卓彦 本山技術士事務所
早川和良 信越化学工業(株) 有機合成事業部 担当部長
(現)信越化学工業(株) 有機合成事業部 セルロース部 建設材料分野部長
川口忍 三洋化成工業(株) 環境薬剤研究部 ユニットマネジャー
(現)三洋化成工業(株) 名古屋工場 TQC部 品質保証課 品質保証課長
豊島利之 三菱電機(株) 先端技術総合研究所 主任研究員
(現)三菱電機(株) 先端技術総合研究所 マテリアル技術部 有機材料グループマネージャー
石橋健夫 三菱電機(株) ULSI開発センター 主事
(現)(株)ルネサステクノロジ 生産本部 技師
高柳猛 名古屋工業技術研究所 材料プロセス部 主任研究官
(現)愛知学院大学 教養部 非常勤講師
釜口良誠 森下仁丹(株) カプセル事業本部 次長
(現)森下仁丹(株) カプセル開発部 次長
高木茂道 日本合成化学工業(株) 機能材料事業部 技術担当部長
(執筆者の所属は,注記以外は2000年当時のものです。)


--------------------------------------------------------------------------------

<第1編 水溶性高分子の基礎的物性>

第1章 水溶性高分子およびその誘導体(堀内照夫)
1. はじめに
2. 水溶性高分子の機能およびその誘導体
2.1 水溶性高分子の分類
2.2 水溶性高分子の機能と応用分野
2.3 水溶性高分子を利用するさいの留意事項

第2章 水溶性高分子の物理化学的性質(堀内照夫)
1. はじめに
2. 増粘作用
2.1 増粘剤
2.2 水溶性高分子の粘度と凝集構造
2.3 水溶性高分子の粘度に対する界面活性剤の影響
2.4 水溶性高分子溶液中の水の役割
3. 金属イオン捕捉作用(高分子ビルダー)
4. 再汚染防止作用
5. 界面活性作用
5.1 界面活性高分子の化学構造と特徴
5.2 水溶性高分子溶液中の界面活性剤の溶解度
5.3 曇点上昇作用
5.4 表面張力低下作用
5.5 可溶化作用
5.6 乳化作用
5.7 増泡作用
6. 凝集作用
6.1 高分子凝集剤
6.2 凝集剤の作用機作
7. ケラチンファイバーの改質作用
7.1 ヘアコンディショニング剤
7.2 ヘアセット剤(ヘアスプレー)
7.3 損傷毛の修復
8. 保湿作用
9. カプセル機能(重合性界面活性剤)
10. 包接作用
11. 吸水作用(高吸水性ポリマー)
12. 配管抵抗減少作用
13. おわりに

<第2編 分野別応用展開>

第1章 医薬品(佐藤恵一)
1. はじめに
2. 医薬品用水溶性高分子の種類
3. 医薬品用水溶性高分子の応用
3.1 主薬
3.2 固形製剤
3.3 半固形製剤
3.4 液状製剤
3.5 トローチ剤
3.6 コーティング剤
3.7 DDS
3.8 マイクロカプセル
4. おわりに

第2章 化粧品(秋丸三九男)
1. はじめに
2. 化粧品に用いられる水溶性高分子
3. 水溶性高分子の化粧品における役割
4. 水溶性高分子の使用上の留意点
5. おわりに

第3章 トイレタリー用品(三宅深雪)
1. はじめに
2. シャンプー
3. ヘアリンス
4. 歯磨剤
5. おわりに

第4章 食品(菅野智栄)
1. はじめに
2. 食品産業
3. 食品と水溶性高分子
4. 糖質(炭水化物)
5. たんぱく質
6. 食品添加物
7. おわりに

第5章 繊維(林哲史)
1. はじめに
2. 繊維産業の現状
3. 織機・糊付機における進歩
4. 繊維工業と水溶性高分子
5. 基本的な糊付け処方の考え方
6. 環境低負荷型糊剤
7. 21世紀の経糸糊剤

第6章 染色加工(塩澤和男)
1. はじめに
2. 21世紀の繊維工業
3. 染色工業の展望
4. 染色工業で利用される水溶性高分子材料
5. おわりに

第7章 塗料(井上裕)
1. はじめに
2. 水溶性ポリマーの基礎
3. 水溶性ポリマーと環境問題
4. 水溶性ポリマーの塗料への展開
5. 水性塗料の将来

第8章 印刷インキ用水性樹脂(石野博吉)
1. はじめに
2. 業界変動の4因子について
3. 情報伝達方式の変化について
4. 省資源,省力化,環境対応における水性インキについて
5. 各種水性インキの現状
6. 印刷インキ用水性樹脂に求められる性能
7. 環境対応
8. 各種の水性樹脂について
9. 水系の架橋エマルション
10. おわりに

第9章 接着剤(本山卓彦)
1. はじめに
2. ポリビニルアルコール
3. 水性ビニルウレタン系接着剤
4. アクリル系水溶性接着剤
5. アルファオレイン・マレイン酸系接着剤
6. ポリビニルピロリドン
7. 光硬化接着剤
8. 水溶性繊維素誘導体
9. 水溶性多糖類
10. 水溶性たんぱく質
11. 水溶性無機接着剤

第10章 土木・建築資材(早川和良)
1. はじめに
2. 応用例
2.1 建築材料
2.2 押出成形セメント板
2.3 吹付けコンクリート用粉じん低減剤
2.4 水中不分離性コンクリート
2.5 高流動コンクリート
2.6 プレストレスコンクリート
2.7 推進工法
3. おわりに

第11章 飼料(佐藤恵一)
1. はじめに
2. 飼料工業における水溶性高分子の機能
3. 水棲動物飼料
4. 陸上動物用飼料
5. ペットフード
6. おわりに

第12章 用廃水処理(川口忍)
1. 用廃水処理用水溶性高分子の種類
2. 高分子凝集剤
2.1 種類と特性
2.2 最近の動向
3. その他の用廃水処理用水溶性高分子

第13章 エレクトロニクス(豊島利之,石橋健夫)
1. はじめに
2. 半導体開発の背景
3. 回路パターンの微細化とリソグラフィ技術
4. 水溶性高分子材料を用いたレジストプロセス技術
5. パターンサイズ縮小技術
6. おわりに

第14章 鋳造・溶接(高柳猛)
1. はじめに
2. 粘土および水ガラスの構造と性質
3. 鋳造工業における利用
4. 溶接工業における利用
5. おわりに

<第3編 用途別応用展開>

第1章 シームレスカプセル(釜口良誠)
1. はじめに
2. シームレスカプセルの製造方法と特徴
3. シームレスカプセルの機能性とその応用
4. 今後の展望
5. おわりに

第2章 水溶性フィルム(髙木茂道)
1. はじめに
2. 水溶性フィルムの種類と特性
3. PVOH系フィルム
4. 溶融成形用素材について
5. おわりに


目次

第1編 水溶性高分子の基礎的物性(水溶性高分子およびその誘導体;水溶性高分子の物理化学的性質)
第2編 分野別応用展開(医薬品;化粧品;トイレタリー用品 ほか)
第3編 用途別応用展開(シームレスカプセル;水溶性フィルム)

著者等紹介

堀内照夫[ホリウチテルオ]
ライオン(株)研究開発本部物質科学センター主任研究員。(現)神奈川大学工学部化学教室(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

最近チェックした商品