出版社内容情報
(1999年『高周波用高分子材料』普及版)
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1世紀に入り,携帯電話の第3世代移行,デジタルTV放送,家庭内LANの普及,自動車のITS(Intelligent Transportation System)化など,IT(Information Technology)化が急速に拡大し,ユビキタスネットワーク(Ubiquitous Network)時代が実現されつつある。ユビキタスの実現には,情報の大容量化,高速度処理,高速大容量伝達・通信をあらゆる場所で可能とする必要があり,高周波化時代が到来している。
現在,第3世代携帯電話や無線LANで使用されている通信周波数はマイクロ波が中心であるが,衛星通信ではさらに波長の短いミリ波が使用されている。これらはいずれもG(109)Hz帯であるが,事務所内や家庭内における近距離通信では,赤外線などのT(1012)Hzが使用されている。コンピュータにおいてもCPUの動作周波数は,この10年間でMHzからGHzに高周波数化している。
本格的なIT時代では,小型軽量で高密度実装した高周波化対応機器が,短期間に低コストで供給される必要がある。高周波用材料といえば,従来は金属,セラミックス,フッ素樹脂が主に使われていたが,最近では材料特性と生産性のバランスに優れた高分子系材料が多用途に使用されつつある。高分子系材料を使用して製品の付加価値を向上させるためには,高分子の高周波誘電特性,高周波における特性評価技術を十分に理解して,デバイス設計や実装設計を行う必要がある。
1999年1月に発行された『高周波用高分子材料』は,高周波における高分子の材料特性,誘電特性測定法,材料の開発動向,応用製品・機器について各分野の専門技術者にまとめていただいている。本普及版は,その内容が改訂されているわけではないが,機器設計者,材料技術者,実装技術者にとって将来的にも非常に有用な内容がまとめられている。普及版として,関係者が手元に置かれ,日々活用いただければ幸いである。
2005年7月 三菱電機(株) 住環境研究開発センター 馬場文明
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馬場文明 三菱電機(株) 先端技術総合研究所 環境・分析評価技術部長;(現)三菱電機(株) 住環境研究開発センター センター長 学術博士
柴田長吉郎 日本電熱協会 副会長,日本電磁波応用研究会 会長;(現)日本電磁波応用研究会 会長
相馬勲 京都工芸繊維大学(非常勤),(元)大阪工業技術研究所
木村康之 旭シュエーベル(株) 守山工場 研究室 室長;(現)旭シュエーベル(株) 守山工場 取締役 工場長
田中宏之 住友ベークライト(株) 生産技術研究所 部長研究員;(現)住友ベークライト(株) 情報・通信材料総合研究センター 副技師長 工学博士
片寄照雄 旭化成工業(株) 基板材料技術開発グループ グループ長
茂木雅一 三菱ガス化学(株) 電子材料研究技術部 主査
溝口隆 (株)コスモ総合研究所 第3研究室 ケミカルグループ;(現)コスモ石油(株) 研究開発部 技術開発2グループ 担当グループ長
竹中稔 大塚化学(株) 化学品部 部長補佐;(現)(株)KT材料研究所 取締役 会長
門出宏之 大塚化学(株) 徳島研究所;(現)大塚化学(株) 機能材料事業部 複合材料ビジネスユニット 主任研究員
遠藤勉 三菱電機(株) 情報技術総合研究所 アンテナ部;(現)三菱電機(株) 鎌倉製作所 技術部 電子技術第四課
山崎英男 住友スリーエム(株) マイクロフレックス製品部 技術部主任;(現)住友スリーエム(株) マイクロエレクトロニクス製品部 技術部 部長
佐瀬茂雄 日立化成工業(株) 下館研究所 主管研究員;(現)日立化成工業(株) 化成品事業部 化成品開発部長
栗川康宏 利昌工業(株) 化学技術研究所 化研二部 主査
(執筆者の所属は,注記以外は1999年当時のものです。)
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第1章 総論:情報処理・通信分野における高周波化の動向と高分子材料へのニーズ(馬場文明)
1. はじめに
2. 高周波化の動向と課題
2.1 通信機器
2.2 移動体通信の現状と動向
2.2.1 国内の動向
2.2.2 海外の動向
2.3 衛星による移動通信
2.4 通信機器の技術動向
2.4.1 携帯電話の小型軽量化
2.4.2 モーバイルマルチメディア化対応
2.5 高周波回路の特徴
2.6 高分子材料へのニーズ
2.7 情報処理機器
2.8 情報処理分野における高分子材料のニーズ
3. 高分子材料を高周波機器に適用するための課題
3.1 高周波誘電特性の評価技術
3.2 高周波用高分子材料開発における課題
3.3 プラスチック成形加工技術における課題
4. おわりに
第2章 高分子材料と高周波特性(柴田長吉郎)
1. 高周波・マイクロ波の特長と高分子特性
1.1 高周波・マイクロ波の特色
1.2 誘電体への高周波電磁波の作用
1.3 高分子材料の高周波特性
第3章 フィラーと高周波特性(相馬勳)
1. はじめに
2. 高分子の誘電特性の特徴
3. 無機物(フィラー)の誘電特性の特徴
4. 複合系における誘電特性の特徴
4.1 フィラーの形状の影響
4.2 フィラー粒子の大きさの影響
4.3 フィラーの充填量の影響
4.4 フィラーの結合水の影響
5. 複合界面と誘電特性
6. 今後の課題
第4章 ガラスクロスと高周波特性(木村康之)
1. はじめに
2. 高周波回路用プリント配線基板に要求される特性
3. ガラスクロス
3.1 定義
3.2 種類と規格
4. 高周波回路基板用ガラスクロス
4.1 ガラスクロスの材質
4.1.1 ガラスの誘電特性
4.1.2 代表的なプリント配線基板用ガラス
4.2 基板の吸湿特性
4.2.1 ガラスクロスの表面
4.2.2 ガラスクロスの織物構造
4.3 樹脂の特性を引き出すガラスクロス
4.3.1 高樹脂含量基板のための織物構造
4.3.2 界面の接着性と誘電正接
4.4 ガラスクロスの均一性
5. 今後のガラスクロスに対するニーズ
第5章 高周波特性の評価法と装置(田中宏之)
1. はじめに
2. 高周波材料定数測定の基礎事項
3. 線路法
3.1 反射波法
3.2 Sパラメータ法
3.3 プローブ
4. 共振器法
4.1 空胴共振器法
4.1.1 TE01P円筒空胴共振器法
4.1.2 TM010円筒空胴共振器法
4.2 空胴共振器摂動法
4.3 誘電体共振器法
4.4 トリプレート線路共振器法
5. おわりに
第6章 熱硬化型PPE樹脂(片寄照雄)
1. はじめに
2. 銅張積層板とその誘電率
2.1 銅張積層板の誘電率
2.2 高周波領域の誘電特性の評価方法
3. 開発の背景
3.1 市場動向
3.2 開発の狙い
4. 熱硬化型PPE樹脂銅張積層板
4.1 基本特性
4.2 誘電特性
4.3 耐熱性
4.4 耐湿性
5. 今後の展望
第7章 BTレジン銅積層板(茂木雅一)
1. はじめに
2. BTレジンとは
2.1 未硬化のBTレジンの主な特長
2.2 硬化したBTレジンの主な特長
2.3 BTレジンの用途
3. BTレジン銅張積層板
4. 高周波用BTレジン銅張積層板
5. おわりに
第8章 低誘電性ポリマーコンパウンド「メビウスTM」(溝口隆)
1. はじめに
2. メビウスの開発
2.1 開発の背景
2.2 メビウスの特徴と特性
2.3 誘電特性
2.3.1 誘電特性の温度依存性
2.3.2 誘電特性の吸水率、温度依存性
2.3.3 高周波特性
2.4 メッキ性
2.4.1 アンカー効果による密着性向上
2.4.2 メビウスの無電解メッキ
2.5 耐熱性
3. メスの用途
4. おわりに
第9章 「テラウェイブ」(竹中稔、門出宏之)
1. はじめに
2. 誘電性繊維について
2.1 低誘電性繊維
2.2 高誘電性繊維
3. 「テラウェイブ」について
3.1 「テラウェイブ」の開発コンセプト
3.2 「テラウェイブ」の特徴
3.3 「テラウェイブ」の基本物性
3.4 「テラウェイブ」の加工法について
3.5 「テラウェイブ」の信頼性について
4. 「テラウェイブ」の主な用途
5. おわりに
第10章 アンテナ(平面アンテナ)(遠藤勉)
1. はじめに
2. 構造と動作
2.1 構造
2.2 給電方法
3. 基本特性
3.1 入力インピーダンス特性、帯域
3.2 放射効率
3.3 放射パターン
第11章 半導体パッケージ材料(TBGA)(山崎英男)
1. はじめに
2. 2層フレックステープの特徴
3. 2層フレックステープを用いた半導体パッケージの電気特性
3.1 3M CD(Cavity Down)TBGAの特徴
3.2 GS(Grounded Stiffener)TBGAの構造と電気特性
4. 2層フレックステープのGHz帯用の高周波基板としての特性
第12章 配線基板(佐瀬茂雄)
1. 配線基板の概要と高周波対応
2. プリント配線板の製造方法
2.1 銅張積層板
2.2 ビルドアップ基板
3. 高周波用配線基板の特徴
3.1 高周波回路の特質
3.1.1 高周波信号と伝送線路
3.1.2 特性インピーダンスZoの整合
3.1.3 配線の設計と加工
3.1.4 ノイズ
3.2 高周波電流の特徴
3.2.1 スキンデプスと表皮抵抗
3.2.2 減衰定数と導体の表面粗さ
4. 高周波用基材と応用デバイス
4.1 低誘電率・低tanδ配線基板
4.1.1 伝播遅延時間と低誘電率化
4.1.2 伝送損失と低tanδ化
4.2 平面アンテナ用基板の開発例
4.3 高誘電率基板(セラミック代替材)
第13章 高周波用積層板(栗川康宏)
1. はじめに
2. 高周波回路用積層板材料
3. 当社高周波回路用積層板
4. 高周波用積層板の使用例
5. 今後の展望
6. おわりに
内容説明
本書は、高周波における高分子の材料特性、誘電特性測定法、材料の開発動向、応用製品・機器について各分野の専門技術者がまとめている。
目次
基礎編(総論:情報処理・通信分野における高周波化の動向と高分子材料へのニーズ;高分子材料と高周波特性;フィラーと高周波特性 ほか)
材料開発編(熱硬化型PPE樹脂;BTレジン銅張積層板;低誘電性ポリマーコンパウンド「メビウス」 ほか)
応用編(アンテナ(平面アンテナ)
半導体パッケージ材料(TBGA)
配線基板 ほか)
著者等紹介
馬場文明[ババフミアキ]
三菱電機(株)先端技術総合研究所環境・分析評価技術部長、(現)三菱電機(株)住環境研究開発センターセンター長。学術博士
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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