CMCテクニカルライブラリー<br> 電波吸収体の技術と応用

個数:

CMCテクニカルライブラリー
電波吸収体の技術と応用

  • 出版社からのお取り寄せとなります。
    入荷までにおよそ1~3週間程度かかります。
    ※商品によっては、品切れ等で入手できない場合がございます。
  • 出荷予定日とご注意事項
    ※上記を必ずご確認ください

    【出荷までの期間】
    ■通常、およそ1~3週間程度

    【ご注意事項】 ※必ずお読みください
    ◆上記期間よりも日数がかかる場合がございます。
    ◆お届け日のご指定は承っておりません。
    ◆品切れ・絶版等により入手できない場合がございます。
    ◆品切れ・絶版等の確認に2週間以上かかる場合がございます。
    ◆「帯」はお付けできない場合がございます。
    ◆画像の表紙や帯等は実物とは異なる場合があります。
    ◆特に表記のない限り特典はありません。
    ◆別冊解答などの付属品はお付けできない場合がございます。
  • 店舗受取サービスはご利用いただけません。

  • サイズ A5判/ページ数 215p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784882318422
  • NDC分類 547.5
  • Cコード C3054

出版社内容情報

 【刊行にあたって】

 本書は,電波吸収体技術について,その基礎理論から各種設計法・測定法および先端の電波吸収体に関する開発事例等を数多く紹介してまとめたものである。
 近年,「電波洪水」とも呼ばれるように電波環境は悪化の一途をたどり,この悪化する電波環境を改善するための各種電波吸収体の必要性はますます高まってきている。このような背景において,さまざまな特徴を有する電波吸収体の研究開発も活発に行われ,各種の電波暗室の製作や野外・室内における電波環境の改善のために利用されている。しかし電波吸収体の開発においては,使用目的に応じてその要求性能に,電波特性として,周波数帯域,入射角度,偏波,ミリ波対応等の電波特性のみならず,付加的特性として,薄型,軽量,強度,耐環境性,耐熱性等とさまざまな特性が求められているのが現状である。
 そこで本書はこのような観点から,現在の電波吸収体技術を幅広く紹介することを主な目的として,まずその基礎となる設計法・測定法に関して,狭帯域電波吸収体と広帯域電波吸収体の設計法や,材料探索の上で欠かすことのできない誘電率や透磁率など材料定数の測定法,さらに製作された電波吸収体の吸収量の評価法について説明する。そして次に,各種の先端の電波吸収体に対する開発事例について,開発経緯,電波的特徴,付加的特徴,技術的課題等を紹介する。またさらに使用目的の中でも,最近のオフィスLAN等でその需要がますます高まりつつある建材としての電波吸収体に着目しその評価を説明する。
 以上,本書の内容について説明したが,ここで説明する基礎理論や測定法,さらに種々の開発事例等が,今後,電波吸収体技術の研究・開発に携わっている方々に,少しでもお役に立てば幸いである。
 2004年10月        青山学院大学 橋本 修

 本書は,1999年に『新電波吸収体の最新技術と応用』として刊行されました。なお,普及版の刊行にあたり,加筆・訂正などの手は加えておりません。内容は当時のままであること,ご了承願います。

 2004年10月       (株)シーエムシー出版 編集部


 【執筆者一覧(執筆順)】

橋本   修    青山学院大学 理工学部 電気電子工学科 教授
石野   健    電波保障エンジニアリング(株) 代表取締役社長
千野   勝    防衛大学校 電気工学教室 助手
山本   孝    防衛大学校 電気工学教室 教授
        (現)防衛大学校 通信工学科 教授
西方 敦博    東京工業大学 教育工学開発センター 助教授
田中   隆    TDK(株) 磁性材料事業本部 電波事業部 応用製品課
        (現)TDK(株) 電波エンジニアリング事業部 技術課 係長
守田 幸信    王子トービ(株) 取締役部長
稲葉 昭夫    大塚サイエンス(株) EMC統轄部長
太田 博康    (株)環境電磁技術研究所 設置環境技術研究部 主任研究員
元島 栖二    岐阜大学 工学部 教授
岩永   浩    長崎大学 工学部 教授
V.D.Varadan ペンシルバニア州立大学 電子・音響工学研究所
岩岡   徹    サンテクノス(株) 営業部長
        (現)(有)TSS・ジャパン 代表取締役社長
齋藤 章彦 (現)大同特殊鋼(株) 技術開発研究所 通信環境製品研究チーム チーム長
吉田 栄吉    (株)トーキン 技術開発本部 第1技術開発部 部長
        (現)NECトーキン(株) 磁性デバイス事業部 事業部長
佐野 秀文    日清紡テンペスト(株) システムデザイン課 チーフ
        (現)ニッシンボウ・エンジニアリング(株) テンペスト事業部 部長代理
藤崎 保範    日本カル(株) 営業課 課長
北畑 慎一    日立マクセル(株) 筑波研究所 主任研究員
林   利勝    (株)リケン 研究開発部
        (現)(株)リケン 技術管理部
島田 一夫    (株)リケンエレテック エンジニアリング部 開発課
神田 和典    日本ペイント(株) 事業開発部 EMグループ マネージャー
        (現)日本ペイント(株) 技術企画部 課長
山田 哲夫    大成建設(株) 建築本部 建築技術部 内外装技術計画室 次長
        (現)(株)アドミックス 営業部 部長
 (執筆者の所属は,注記以外は1999年当時のものです。)


 【構成および内容】

序章 電波障害の種類と電波吸収体の役割               橋本 修
 1.電波吸収体とは
 2.各種電波吸収体の概要
  2.1 無線障害防止対策用電波吸収体
  2.2 レーダー偽像防止対策用電波吸収体
  2.3 電波暗室用電波吸収体
  2.4 ミリ波帯用電波吸収体
 3.電波吸収体の実現のために

<材料・設計編>
第1章 広帯域電波吸収体                          石野 健
 1.はじめに
 2.VHF・UHF電波吸収体―メガHz
  2.1 広帯域電波吸収体
  2.2 超広帯域電波吸収体
 3.マイクロ波帯電波吸収体―ギガHz
  3.1 広帯域電波吸収体
  3.2 超広帯域電波吸収体

第2章 狭帯域電波吸収体
 1.磁性材料                                   千野 勝,山本 孝
  1.1 はじめに
  1.2 多層構造(マクロなコンポジット)電波吸収体の構成と原理
  1.3 整合条件と中継インピーダンス
  1.4 磁性材料を用いた単層構造(n=1)の薄層電波吸収体
  1.5 完全整合条件を満たすn=1のコンポジット電波吸収材料
  1.6 斜入射特性の優れた薄膜多重構造(n=15)の電波吸収体
  1.7 おわりに
 2.誘電性材料・抵抗布                            西方敦博
  2.1 はじめに
  2.2 電波吸収材料としての誘電性材料
  2.3 単層電波吸収体の設計
  2.4 X帯用ゴムカーボン電波吸収体
  2.5 VHF帯用コンクリート電波吸収体
  2.6 X帯用λ/4型抵抗布電波吸収体

第3章 ミリ波電波吸収体                           橋本 修
 1.はじめに
 2.実現上の問題点
 3.抵抗皮膜電波吸収体
  3.1 製造法
  3.2 設計法
  3.3 実現性
 4.FRP電波吸収体
  4.1 製造法
  4.2 設計法
  4.3 実現性
 5.ゴムシート電波吸収体
  5.1 製作試料
  5.2 吸収量
  5.3 複素比誘電率の実験式
 
<測定法編>
第1章 材料定数の測定法
 1.同軸,導波管法                               西方敦博
  1.1 はじめに
  1.2 試料を充填した伝送線路区間
  1.3 Sパラメーター法
  1.4 短絡法
  1.5 開放・短絡法
  1.6 測定における注意点
 2.空洞共振器法                                西方敦博
  2.1 はじめに
  2.2 共振特性の測定およびQ
  2.3 各種共振器および共振モード
  2.4 摂動法
 3.自由空間法                                 田中 隆
  3.1 自由空間法の特長
  3.2 材料定数の測定法
   3.2.1 測定原理
   3.2.2 測定方法
   3.2.3 自由空間での注意事項

第2章 吸収量の測定法
 1.メガHz-VHF・UHF帯における測定                   石野 健
  1.1 はじめに
  1.2 導波管法
  1.3 自由空間定在波法
 2.ギガHz                                    橋本 修
  2.1 はじめに
  2.2 測定概要
  2.3 吸収量とは
  2.4 反射電力法
  2.5 電界ベクトル回転法
  2.6 ショートパルス法
  2.7 タイムドメイン法
  2.8 レンジドップラーイメージング法

<新技術・新製品の開発編>
第1章 ITO透明電波吸収体                        守田幸信
 1.はじめに
 2.電波吸収体の種類
 3.電波吸収体の透明化
 4.λ/4型透明電波吸収体とその特性
  4.1 V帯用1層吸収タイプ
  4.2 1.5GHz帯用1層吸収タイプ
  4.3 X帯用の広帯域2層吸収タイプ
  4.4 1.5GHz帯用広帯域2層吸収タイプ
 5.まとめと今後の取り組み

第2章 新電波吸収体とその性能                     稲葉昭夫
 1.はじめに
 2.電波吸収体に要求される条件
 3.新型電波吸収体(DB-1500)の性能
  3.1 電波吸収性能が優れている
  3.2 不燃性である
  3.3 軽量で取り扱いが容易である
  3.4 施工性に優れている
 4.おわりに

第3章 強磁性共鳴系電波吸収体                     太田博康
 1.フェライト電波吸収体
 2.強磁性共鳴現象
 3.インピーダンス整合型吸収体の原理
 4.M型六方晶フェライトの複素透磁率と吸収特性
 5.複合体の吸収特性
 6.今後の展開

第4章 新しい電磁波吸収体・カーボンマイクロコイル
 -コスモ・ミメティックなカーボンマイクロコイルの気相合成とその電磁波吸収特性-
                                    元島栖二,岩永 浩,V.K.Varadan
 1.はじめに
 2.実験方法
 3.実験結果と考察
  3.1 カーボンコイルの合成条件
  3.2 モルフォロジー
  3.3 成長機構
  3.4 微細構造および組成
  3.5 コイル状の金属炭化物および窒化物ファイバーの合成
  3.6 カーボンコイルの機械的・電気的・熱的特性
  3.7 カーボンコイルの電磁波吸収特性
 4.おわりに

第5章 NAMAS(ナーマス)電波吸収体                岩岡 徹
 1.はじめに
 2.グリッド(NAMAS-1)
 3.フェライトタイルとゴムフェライトとの複合型吸収体(NAMAS-2)
 4.フェライトグリッドとゴムフェライトとの複合型吸収体(NAMAS-2)
 5.桟型電波吸収体

第6章 4GHz帯電波吸収柔軟シートDPR                齋藤章彦
 1.技術的特徴
  1.1 開発の背景
  1.2 開発の概要
  1.3 材料の構造・製造方法
  1.4 電磁気特性
 2.応用展開
  2.1 ノートパソコンへの適用時の放射ノイズ減衰特性
  2.2 携帯周波数帯での放射ノイズ減衰特性
 3.製品紹介

第7章 軟磁性金属を使用した吸収体                   吉田栄吉
 1.はじめに
 2.軟磁性金属を用いた吸収体出現の背景
 3.軟磁性金属材料の分類
  3.1 構造による分類
  3.2 電気抵抗の大きさによる分類
  3.3 透磁率の分散特性による分類
 4.透磁率の周波数特性の制御
 5.材料選定に際しての考え方
 6.金属磁性体の製造方法の一例
  6.1 金属磁性粉末の製造方法
  6.2 マトリックス化の手段
 7.高周波ノイズ対策への適用事例
 8.おわりに

第8章 格子型フェライト電波吸収体(GFA-3000)          佐野秀文
 1.はじめに
 2.格子型フェライト吸収体の特徴
 3.GFA-3000の吸収原理
 4.電波暗室への応用
 5.GFA-3000を用いた電波暗室の特徴

第9章 誘電損失型電波吸収体(DFA/GWCシリーズ電波吸収体)  佐野秀文
 1.はじめに
 2.DFAシリーズ・ウレタン電波吸収体
 3.GWCシリーズ・グラスウール電波吸収体

第10章 膨張黒鉛の成形品による電磁波吸収体           藤崎保範
 1.はじめに
 2.製造法とその特性

第11章 折り曲げ可能なシリコーン・カーボンブラック系電波吸収体  北畑慎一
 1.はじめに
 2.電波吸収体の設計
  2.1 狭帯域タイプ電波吸収体の設計
  2.2 広帯域タイプ電波吸収体の設計
  2.3 構成材料
 3.狭帯域タイプフレキシブル電波吸収体の反射減衰特性
 4.広帯域タイプフレキシブル電波吸収体の特性
 5.フレキシブル電波吸収体の特長
 6.フレキシブル電波吸収体の用途例
  6.1 狭帯域タイプフレキシブル電波吸収体
  6.2 広帯域タイプフレキシブル電波吸収体
 7.まとめおよび今後の課題

第12章 樹脂フェライト吸収体を用いた1GHz以上のイミュニティ測定用電波暗室   林 利勝,島田一夫
 1.はじめに
 2.高周波用吸収体の特徴
 3.高周波用吸収体の製造・施工方法
 4.高周波用吸収体の電波吸収特性
  4.1 測定方法
  4.2 測定結果
 5.高周波用吸収体を電波暗室へ適用したときの電磁界放射均一性
 6.まとめ

<応用編>
第1章 無線化ビル用電波吸収建材                    神田和典
 1.背景
 2.開発コンセプト
 3.ニッペDKボードワイドの特徴
 4.ニッペDKボードワイドの性能
  4.1 遅延スプレッドでの評価
  4.2 無線LAN伝送実験
 5.ニッペDKボードマルチの特徴
 6.ニッペDKボードマルチの性能
  6.1 無線LAN伝送実験
  6.2 遮蔽衝立としての利用
 7.無線化ビル用電波吸収建材の応用

第2章 電波吸収壁                               山田哲夫
 1.電波障害と対策
  1.1 電波障害の原因と対策
  1.2 電波障害の対策
  1.3 電波吸収の仕組みと測定方法
 2.電波障害対策外壁の種類
  2.1 フェライトを使用した外壁
  2.2 フェライト以外の物
 3.まとめ
  3.1 電波吸収壁のまとめ
  3.2 その他の資料

内容説明

本書は、電波吸収体技術について、その基礎理論から各種設計法・測定法および先端の電波吸収体に関する開発事例等を数多く紹介してまとめたものである。

目次

電波障害の種類と電波吸収体の役割
材料・設計編(広帯域電波吸収体;狭帯域電波吸収体;ミリ波電波吸収体)
測定法編(材料定数の測定法;吸収量の測定法)
新技術・新製品の開発編(ITO透明電波吸収体;新電波吸収体とその性能;強磁性共鳴系電波吸収体 ほか)
応用編(無線化ビル用電波吸収建材;電波吸収壁)

著者等紹介

橋本修[ハシモトオサム]
青山学院大学理工学部電気電子工学科教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。