出版社内容情報
執筆者一覧(執筆順)
高山眞策 東海大学 開発工学部
塚田元尚 長野県野菜花き試験場
原田 久 静岡大学 農学部
安藤敏夫 千葉大学 園芸学部
兎沢 邵 ダイヤトピー農芸(株) 技術部
柑本 進 住化農業開発(株)営業本部
石堂恒通 井関農機(株) プラント事業部
(現) アグリテクノコンサルタント
小保内康弘 (有)向山蘭園 培養部
大城 閑 福井県立短期大学 農学科
(現) 福井県立大学 生物資源学部
妻木直子 東海大学 開発工学部
鳥居 徹 東京大学 農学部
中園敦之 (株)ナーサリーテクノロジー 第三研究センター
林真紀夫 東海大学 開発工学部
輪竹宏昭 (株)東芝 電機・計装事業部
大政謙次 国立環境研究所 生物圏環境部
(現) 東京大学大学院 農学生命科学研究科
山下 洌 住友化学工業(株) 特許室
(執筆者の所属は,注記以外は1992年当時のものです)
構成および内容
刊行のねらい
第1章 種苗生産技術の現状と種苗工場の展望 高山眞策
1.種苗生産の工場化への潮流
2.種苗生産の工程
3.種苗工場の技術課題と将来展望
第2章 種苗工場開発の社会的・技術的背景
1.はじめに
2.社会的背景
2.1 農業生産をめぐる構造的問題
2.1.1 生産者の高齢化
2.1.2 若い専業農家への負担増
2.1.3 兼業農家の増加と効率的な生産手段の提供
2.1.4 大規模経営における労力配分
2.2 農産物の国際的な流通と技術,情報の流入
2.2.1 農産物輸入の拡大
2.2.2 先進技術,情報の導入
2.3 農産物の消費動向
2.3.1 多様性および区別性
2.3.2 均質性および供給の安定性
2.3.3 高品質および安全性
3.技術的背景
3.1 農業生産の技術革新による生産のシステム化への指向
3.2 バイオテクノロジーなど新しい技術による生産のプロセス化
3.3 高品質生産および付加価値を高める手段として
3.4 工場的種苗生産の効果
第3章 種苗生産の基礎
1.組織培養による分化発育の制御 高山眞策
1.1 はじめに
1.2 植物組織培養における分化現象とクローン植物大量増殖への利用
1.3 腋芽分化
1.4 不定芽分化
1.5 不定胚分化
1.6 植物組織培養における分化発育に影響する要因
1.7 物理的環境に対する反応
1.7.1 温度
1.7.2 光
1.7.3 pH
1.7.4 通気
1.8 化学的環境に対する反応
1.8.1 窒素源
1.8.2 リン酸
1.8.3 カルシウム
1.8.4 炭素源
1.8.5 植物成長調節物質
1.9 培養方法ならびに培養装置の差に対する反応
1.9.1 培養方法
1.9.2 培養装置
2.さし木,接ぎ木の生理 原田 久
2.1 さし木発根の形態と生理
2.1.1 発根に影響する要因
2.1.2 さし木発根とさし穂内の成分との関係
2.2 接ぎ木活着の形態と生理
2.2.1 接ぎ木の活着過程
2.2.2 接ぎ木の不親和性
第4章 種苗工場技術システム
1.プラグシステム 安藤敏夫
1.1 はじめに
1.2 用語
1.3 プラグシステムにおける環境制御の捉え方
1.4 プラグシステムにおける種子の捉え方
1.5 プラグシステムの損失
1.6 プラグシステムにおける機械化の捉え方
1.7 プラグがらみの戦略
1.8 装置等
1.9 プラグ苗の付加価値
2.サニープラグ苗 兎沢 邵
2.1 はじめに
2.2 プラグシステムとは
2.3 プラグシステム苗の特徴
2.3.1 機能的特徴
2.3.2 プラグシステム苗のメリット
2.4 サニープラグなえの生産と出荷
2.5 利用上の留意点
2.6 これからの役割と課題
3.セル成型苗生産 塚田元尚
3.1 セル成型苗生産-その意義と形態
3.2 育菌品目とセル成型育苗の成立
3.3 セル成型菌生産の組み立て
3.3.1 育苗資材
3.3.2 養水分管理
3.3.3 システム成立のためのマニュアルの作成
3.4 セル成型菌の生育特性と評価
4.コート種子生産システム 柑本 進
4.1 はじめに
4.2 コーティング対象種子
4.3 コート種子に要求される性能
4.3.1 一粒一種子のコーティング
4.3.2 コート倍率と強度
4.3.3 発芽性能
4.3.4 保存性
4.3.5 異種子混入の防止
4.4 住化式コート種子
4.4.1 種子の種類と規格
4.4.2 住化式コート種子の発芽性能
4.4.3 住化式コート種子保存性
4.5 栽培への適用とメリット
4.5.1 レタス
4.5.2 キャベツ
4.5.3 ニンジン
4.5.4 ダイコン
4.5.5 果菜類
4.6 おわりに
5.水稲育苗システム 石堂恒通
5.1 はじめに
5.2 育苗の準備
5.3 育苗
5.4 水稲育苗システム設計
6.果樹苗生産システム 原田 久
6.1 はじめに
6.2 従来の苗木システム-接ぎ木繁殖による苗木の生産
6.2.1 台木の生産
6.2.2 接ぎ木
6.2.3 中間台木を利用した苗木の生産
6.3 組織培養による苗木-ウィルス・フリー化と大量増殖
6.4 果樹の茎頂培養法
6.4.1 リンゴ
6.4.2 モモ
6.4.3 ブドウ
6.4.4 ナシ
6.4.5 カキ
6.4.6 カンキツ
6.5 おわりに
7.組織培養によるラン種苗の大量生産システム 小保内康弘
7.1 はじめに
7.2 シンビジウム
7.3 カトレア類
7.4 デンドロビウム
7.5 オドンドグロッサム類,ミルトニヤ,オンシジウム
7.6 ファレノプシス
8.組織培養による野菜種苗の大量生産 大城 閑
8.1 はじめに
8.2 メロン
8.2.1 組織培養による増殖
8.2.2 発根と順化
8.2.3 培養苗の栽培
8.3 トマト
8.3.1 組織培養による増殖を前提とした品種育成
8.3.2 祖しく場卯用による増殖
8.3.3 発根と順化
8.3.4 培養苗の栽培
9.組織培養による花き・観葉植物の大量生産システムの現状 妻木直子・高山眞策
9.1 はじめに
9.2 植物における大量生産システム
9.3 組織培養による花き・観葉植物の大量生産システムの現状
9.3.1 花き
9.3.2 観葉植物
9.4 おわりに
10.種苗工場のための自動化・ロボット化 鳥居 徹
10.1 はじめに
10.2 培地が土やピートモスの場合
10.2.1 播種
10.2.2 発芽制御
10.2.3 成長計測
10.2.4 環境制御
10.2.5 接ぎ木ロボット
10.2.6 移植
10.2.7 全自動化システム
10.3 培地が水耕の場合
10.4 組織培養による無菌培地の場合
10.4.1 バイオテクノロジーにおける菌移植ロボット
10.4.2 ファジィによる評価法
第5章 バイオテクノロジーによる種苗工場のプロセス化
1.イネバイオ苗大量生産システムの開発 中園敦之
1.1 はじめに
1.1.1 研究開発目的
1.1.2 出資法人,組織機構
1.1.3 研究の内容
1.1.4 研究機関
1.2 生産基礎技術
1.2.1 カルス増殖
1.2.2 液体再分化
1.2.3 置床・育苗
1.3 システム化要素技術
1.3.1 技術開発の状況
1.3.2 カルス増殖技術
1.3.3 液体再分化技術
1.3.4 置床育苗技術
1.4 システム化技術開発
1.4.1 バイオ苗生産システムの開発
1.5 開発工程
1.6 今後の課題
2.光独立栄養培養,順化,栽培システム 林 真紀夫
2.1 はじめに
2.2 光独立栄養培養
2.2.1 一般の栽培法における苗生産過程
2.2.2 光独立栄養,混合栄養,従属栄養
2.2.3 CO2濃度,光強度および培地ショ糖濃度と小植物体の生長
2.2.4 培養器の大型化
2.2.5 光独立栄養成長の促進
2.3 順化と環境調節
2.3.1 順化とは
2.3.2 なぜ順化が必要か
2.3.3 従来の順化方法
2.3.4 順化の方向性
2.3.5 順化のための環境制御装置(順化装置)
2.3.6 順化環境と小植物体の生長
2.3.7 CO2施用効果
2.4 環境制御装置を利用した挿芽による苗生産法
2.5 おわりに
3.ジャーファーメンターによる種苗大量生産システム 高山眞策
3.1 はじめに
3.2 ジャーファーメンターによる大量培養は省力化のキーテクノロジー
3.3 ジャーファーメンターとは
3.4 ジャーファーメンターによる種苗大量増殖の実例
3.4.1 イチゴ
3.4.2 ユリ
3.4.3 ヒヤシンス
3.4.4 アマリリス
3.4.5 グラジオラス
3.4.6 ベゴニア,セントポーリア,グロキシニア
3.4.7 カーネーション,キク
3.4.8 サトイモ,カラスビシャクなど
3.4.9 ジャガイモ
3.5 今後の課題
4.組織培養苗生産のプロセスのロボット化
4.1 はじめに
4.2 海外における自動生産システム
4.3 押し芽増殖ロボット
4.3.1 苗の認識
4.3.2 ソフトグリッパ
4.4 ミニバラ押し芽ロボット
4.5 カルス移植ロボット
4.6 ロボット化のシステム開発
第6章 種苗工場と対象植物 高山眞策
1.はじめに
2.種子からの育苗
3.接木苗の生産
4.挿木,取木,株分け
5.球根増殖
6.組織培養による大量増殖
第7章 地球環境問題と種苗工場 大政謙次
1.はじめに
2.地球環境問題とは
2.1 温暖化
2.2 砂漠化
2.3 熱帯林の現象
2.4 オゾン層の破壊
2.5 酸性雨
3.種苗工場との関連
第8章 種苗工場の法的保護の現状 山下 洌
1.はじめに
2.種苗法と特許法の保護対象について
2.1 種苗法と保護対象
2.2 特許法の保護対象
3.特許法による保護について
3.1 特許要件
4.植物特許の効力に関する問題点
5.改正UPOV条約の概要
5.1 保護対象
5.2 保護要件
5.3 優先権
5.4 育種権の範囲
5.5 仮保護の導入
5.6 育成者権の権利期間の延長
5.7 内国民待遇
6.種苗法の改正試案について
7.おわりに
内容説明
本書の前半では種苗工場の求められる所以を解説し、後半ではでは種苗工場に求められる技術―すなわち細胞培養技術、プラグシステム、ロボティクス―、および地球環境との関わり、種苗に関する法的保護についてまとめている。
目次
第1章 種苗生産技術の現状と種苗工場の展望
第2章 種苗工場開発の社会的・技術的背景
第3章 種苗生産の基礎
第4章 種苗工場技術システム
第5章 バイオテクノロジーによる種苗工場のプロセス化
第6章 種苗工場と対象植物
第7章 地球環境問題と種苗工場
第8章 種苗の法的保護の現状
著者等紹介
高山真策[タカヤマシンサク]
東海大学開発工学部
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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