出版社内容情報
執筆者一覧（執筆順）
櫻井 英樹 東京理科大学 理工学部 工業化学科
吉田 勝 工業技術院 物質工学工業技術研究所
（現） 産業技術総合研究所 物質プロセス研究部門
三治 敬信 東京理科大学 理工学部 工業化学科
石川 満夫 広島大学 工学部
大下 浄治 広島大学 工学部
阿部 芳首 東京理科大学 理工学部 工業化学科
郡司 天博 東京理科大学 理工学部 工業化学科
今井 淑夫 東京理科大学 工学部 有機材料工学科
（現） 同・名誉教授
島田 茂 工業技術院 物質工学工業技術研究所
（現） 産業技術総合研究所 グリーンプロセス研究ラボ
田中 正人 工業技術院 物質工学工業技術研究所
（現） 東京工業大学 資源化学研究所
渡辺 明 東北大学 反応化学研究所
（現） 同・多元物質科学研究所
長山 智男 大阪大学大学院 工学研究科 物質・生命工学専攻
横山 正明 大阪大学大学院 工学研究科 物質・生命工学専攻
沖田 晃一 （財）高分子素材センター 研究開発事業部
伊藤 正義 三井東圧化学（株） 技術研究所 融合技術研究部
（現） 国立福島工業高等専門学校 物質工学科
岩原 孝尚 鐘淵化学工業（株） 総合研究所 神戸研究所
（現） 同・高機能性樹脂事業開発部 研究室
村上 正志 ダウコーニングアジア（株） 研究センター
（現） 同・研究・情報センター
藤坂 朋弘 積水化学工業（株） ケミカル研究所 新素材技術センター
（現） 同・高機能プラスチックスカンパニー 機能材料事業部
壁田 桂次 東芝シリコーン（株） 技術本部 開発研究所
福島 基夫 信越化学工業（株） コーポレートリサーチセンター 第三部
（現） 同・シリコーン電子材料技術研究所
柿本 正也 住友電気工業（株） 大阪研究所
栗山 晃 東亞合成（株） つくば研究所
（所属は1996年1月時点。（ ）内は2001年12月現在）
構成および内容
はじめに
【基礎編】
第１章 有機ケイ素材料化学の現状と展望 櫻井英樹
１．はじめに
２．有機ケイ素材料化学の進展
３．有機ケイ素材料化学の現状
４．国内外関連学会の動き
５．有機ケイ素材料化学の展望
第２章 ポリシラン合成の最近の研究動向 吉田 勝
１．はじめに
２．合成法に関する最近の進展について
２．１ Wurtz 型縮合法（Kipping法）
２．２ 触媒的脱水素縮合法
２．３ 開環重合法
２．４ 電極還元法
２．５ マスクしたジシレンのアニオン重合法
２．６ その他の重合法
３．おわりに
第３章 ポリシラン物性の最近の研究動向 三治敬信
１．はじめに
２．ポリシラン物性の最近の研究動向
２．１ ポリシランの電子状態についての理論計算
２．２ 固体状態におけるポリシラン鎖のコンホメーション変化とサーモクロミズム
２．２．１ 固体状態におけるポリシラン鎖サーモクロミズム
２．２．２ 固体状態におけるコンホメーション変化の研究例
２．２．３ 圧力によるコンホメーション変化の誘起（ピエゾクロミズム）
２．３ 溶液中におけるポリシラン鎖のコンホメーション変化とサーモクロミズム
２．３．１ 溶液中におけるポリシラン鎖
２．３．２ 溶液中でのポリシランのサーモクロミズム
２．３．３ オリゴシランおよび低分子量ポリシラン
２．４ ポリシランのサーモクロミズムに関するモデル
２．５ ポリシラン鎖の構造制御と応用的な物性
３．おわりに
第４章 カルボシラン系分子の最近の研究動向 石川満夫・大下浄治
１．はじめに
２．主鎖に不飽和結合を含まないポリカルボシラン
２．１ ポリ（シルアルキレン）および関連ポリマー
２．２ 官能基を含むポリマー
２．３ カルボシランデンドリマー
３．主鎖に不飽和結合を含むポリカルボシラン
３．１ エチニレンおよびジエチニレンを含むポリマー
３．２ エンインを含むポリマー
３．３ 二重結合を含むポリマー
３．４ フェニレン，オリゴフェニレンを含むポリマー
３．５ エチニレンフェニレンユニットを含むポリマー
４．環状ポリマー
第５章 ポリシロキサンの合成とその応用に関する最新の研究動向 阿部芳首・郡司天博
１．はじめに
２．原料化合物
２．１ 多官能性有機ケイ素モノマーおよびオリゴマー
２．２ カゴ型シロキサンオリゴマー
２．３ Ｒ8Ｔ8の性質と応用
３．官能性および機能性側鎖基を有するポリシロキサン
３．１ 液晶としてのポリシロキサン
３．２ グラフト型ポリシロキサンとその利用
４．ポリシロキサンとゾル・ゲルプロセス
４．１ ポリシロキサンゾルの単離・確認とその意義
４．２ ポリシロキサンゲルからハイブリッドへ
４．３ ハイブリッドポリシロキサン（有機／無機ハイブリッド）
４．３．１ 分散型
４．３．２ 相互貫入型（IPN:Interpenetrating net-work）
４．３．３ 混成型（IOPH:Inorganic-organic Polymer Hybrid ）
５．ポリシルセスキオキサン
５．１ ラダーポリシロキサン
５．２ ポリシルセスキオキサンの高分子材料としての利用
５．３ セラミックス前駆体としてのポリシロキサン
第６章 ゾルーゲル法とケイ素系高分子の研究 今井淑夫
１．はじめに
２．ゾルーゲル法とは
３．シリカー高分子複合体
３．１ シリカ－極性高分子複合体
３．１．１ 直接法による複合体
３．１．２ 前駆体高分子法による複合体
３．２ シリカ連結高分子複合体
３．２．１ ヒドロキシル基やシラノール基からの連結法
３．２．２ 両末端のアルコキシシリルからの連結法
３．２．３ 側鎖のアルコキシシリル基からの連結法
３．３ シリカ－架橋高分子複合体
３．４ 直接生成シリカ－高分子複合体
４．ゾルーゲル法によるその他の複合体
４．１ シリコーン－高分子複合体
４．２ その他の無機酸化物－高分子複合体
５．シリカ－高分子複合体の応用展開
第７章 ケイ素系高耐熱性高分子材料の研究動向 島田茂・田中正人
１．はじめに
２．ポリ（シリレン）（アルキレン）型ポリマー
３．ポリ（シリレン）（ビニレン）型ポリマー
４．ポリ（シリレン）（アセチレン）型ポリマー
５．ポリ（シリレン）（フェニレン）型ポリマー
５．１ リチウム試剤またはグリニャール試剤を用いる合成法
５．２ 脱シラン縮合
５．３ ポリ（シリレン）（フェニレン）の熱安定性
６．ポリ（シリレン）（P-アリ－レンジオキシ）型ポリマー
７．ポリ（フェニレン）（1,4－ジシラシクロヘキサジエン）型ポリマー
８．ラダーポリマー
８．１ はじめに
８．２ ステップラダーポリカルボシラン
８．３ ラダーポリカルボシラン
８．４ 架橋反応への応用
９．ケイ素置換ポリエステル
10．ケイ素ポリマーの主鎖変換
10．１ はじめに
10．２ Si－Si結合へのアセチレンの挿入
10．３ Si－Si結合へのキノンの挿入
第８章 ケイ素系材料を用いるマイクロパターニング 渡辺明
１．はじめに
２．化学的手法によるポリシランのケイ素骨格制御と光・電気物性
３．ポリシランの光化学反応
４．ポリシランの熱処理によるケイ素骨格制御と幹薄膜前駆体としての特性
５．ポリシランを前駆体とした無機薄膜のマイクロパターニング
６．さらなる機能付与をめざして
７．おわりに
第９章 ケイ素系感光材料の最新の研究動向 長山智男・横山正明
１．はじめに
２．感光体材料としての有機ポリシラン
３．有機ポリシランの紫外（ＵＶ）光分解特性
４．多数枚複写プロセスへの展開
５．無現像オフセット印刷製版材料としての応用
６．有機ポリシランのパターン着色とカラーフィルターへの展開
６．１ 多色パターン染色法
６．２ ミセル電着法
６．３ sol－gel法
７．おわりに
第１０章 Chemikal Abstract に表れたこの３年間の研究動向 沖田晃一
１．はじめに
２．文献発行数と日本人研究者の寄与
３．ケイ素系高分子合成法
３．１ ウルツ重合法
３．２ 開環重合法
３．３ 電界重合法
３．４ アニオン重合法
３．５ 脱水素重合法
３．６ ヒドロシリル化重合法
３．７ 計算機化学と結晶構造
４．発光機能
４．１ ケイ素化合物の発光
４．２ 蛍光消光とエネルギー移動
４．３ 電子構造と励起状態の光物理
５．光電変換機能
５．１ 光キャリヤーの発生
５．２ 光キャリヤーの移動
５．３ 電子状態の理論計算
６．電気伝導機能
７．光反応機能
８．おわりに
【応用編】
第１章 ケイ素系高耐熱性材料へのアプローチ 伊藤正義
１．ケイ素系高耐熱性材料の設計概念
２．技術背景
３．ポリ（フェニルシリレンエチニレン－1,3－フェニレンエチニレン）［MSP-1］
３．１ 合成
３．２ 物性
３．３ 耐熱性発現機構
３．４ 材料化法の検討
３．４．１ 含ケイ素炭素材料
３．４．２ 複合材料
３．５ 類似構造ポリマーの合成と物性
４．結論
第２章 耐熱性ケイ素系高分子の合成とそのＩＰＮ形成技術の検討 岩原孝尚
１．はじめに
２．耐熱性ケイ素系高分子の合成と物性
２．１ ラダー型ポリシロキサンの合成と物性
２．１．１ 背景と概要
２．１．２ 試験片作製方法
２．１．３ 物性測定方法
２．１．４ ラダー型ポリシロキサン(LDS)の硬化物の物性に影響を及ぼす因子
２．１．５ Ph/Me置換基含有シラノール末端のLDSの合成
２．２ ヒドロシリル化重合によるポリカルボシランの合成と物性
２．２．１ 背景
２．２．２ 合成
２．２．３ 硬化物の作製と物性測定
２．２．４ 物性の測定結果および考察
３．耐熱性ケイ素系高分子の複合化
３．１ ラダー型ポリシロキサン（LSD）とポリカルボシラン(PCS)の相溶性
３．１．１ LDSオリゴマー／PCSオリゴマーの相溶性
３．１．２ LDSオリゴマー／PCSモノマーの相溶性
３．２ LDS／PCS複合硬化系の検討
３．２．１ 硬化過程での相溶性制御
３．２．２ 複合硬化物の物性
４．おわりに
第３章 海島構造を持つケイ素系高分子材料 村上正志
１．はじめに
２．海島構造を持つ樹脂（ポリマーアロイ）の開発動向
３．海島構造用ケイ素系高分子
３．１ ケイ素系エストラマーの開発
３．１．１ ポリシルメチレンの合成と物性
３．２ ケイ素系熱可塑樹脂の開発
３．２．１ ポリジアリールシルメチレン｛PDAｒSM：（－Ar2SiCH2－）n｝の合成と物性
３．３ ケイ素系ポリマーアロイの検討
４．おわりに
第４章 有機金属－ケイ素系ハイブリッドマテリアル 藤坂朋弘
１．はじめに
２．ケイ素系高分子と有機金属との複合化
２．１ 縮合法
２．１．１ シリルクロライドとアセチレン金属化合物との反応
２．１．２ シラノールとアミノ化合物との反応
２．２ 開環法
２．２．１ 熱開環重合法
２．２．２ アニオン重合法
２．３ カップリング法
２．４ ヒドロシリル化法
２．５ 配位重合法
３．筆者らの研究例
３．１ 実験
３．１．１ フェロセン含有ケイ素系高分子の合成
３．２ フェロセンとケイ素系高分子とのブレンド体
３．３ チタノセン化合物とケイ素系高分子とのブレンド体
４．おわりに
第５章 ポリシラン薄膜の機能パターニング 壁田桂次
１．はじめに
２．ポリシランを用いた回路描画可能な材料の開発
３．不均化反応によるポリシランの合成
３．１ 不均化反応によるポリシランの合成
３．２ アルコキシシラン共存下でのジシランの不均化反応
３．３ 有機リチウム試薬を用いたジシランの不均化反応
４．ポリシランの光酸化反応
４．１ ポリシランのパターニング例
４．２ 溶液状態での骨格構造および置換基と光酸化性の相関検討
４．３ 固体状態での骨格構造－光酸化性相関の検討
５．回路描画実験
５．１ 有機材料による導電機能のパターニング例
５．２ 描画抵抗率比の測定
６．おわりに
第６章 ケイ素系導電材料へのアプローチ 福島基夫
１．はじめに
２．σ共役系ポリマーのおよびσ－π共役系ポリマーの導電化
２．１ ドーパント種効果
２．２ ポリマー構造の選定
２．２．１ イオン化ポテンシャルと導電率
２．２．２ ヘテロ原子含有側鎖基ポリシランとアミン添加系ポリシラン
２．２．３ 導電機構と関節ドーピング
２．３ 高次構造制御
２．３．１ エステル添加系ポリシラン
２．３．２ ジヘキシルポリシランの立体構造解析
２．４ ピロリル基ペンダントポリシラン
３．シロール系ポリマーの導電化
４．おわりに
第７章 光電変換機能を有するケイ素系材料 柿本正也
１．はじめに
２．吸収波長の制御
２．１ ポリシロールとその類縁化合物の分子設計
２．２ 骨格の高次元化検討（新規ネットワークポリシランの合成）
２．３ ジアルキルアミノフェニルポリシランの検討（ドーピングによる可視吸収発生）
３．キャリア発生効率向上
３．１ ポリシランへのフラーレンドーピング
３．１．１ π電子系側鎖ポリシランとの光誘起電荷移動と光キャリア発生効率向上
３．１．２ ジアルキルアミノフェニルポリシランとの電荷移動
３．２ ジシラニレンチエニレンポリマーへのフラーレンドーピング
３．２．１ シラニレンチエニレンポリマーの可視応答
３．２．２ チオフェン環数の効果
３．２．３ フラーレンドーピングによる光キャリア発生効率の向上
４．おわりに
第８章 発光機能を有するケイ素系材料 栗山 晃
１．はじめに
２．ネットワークポリシラン
２．１ ネットワークポリシランの発光特性
２．２ ネットワークポリシランの電気的特性
３．デンドリマー型およびラダー型ポリシラン
３．１ デンドリティックオリゴシラン
３．２ ラダー型オリゴシラン
４．π共役化合物を含んだケイ素系高分子の開発
４．１ アントラセン含有ポリシラン
４．２ アントラセン含有ポリ（メチルフェニルシラン）の光学的特性
４．３ PMPS－ANの有機ELへの応用検討
５．おわりに
内容説明
本書は有機ケイ素ポリマーに関する最新の研究成果と、内外の研究動向を産・官・学の研究者２２名によって記述されたものである。
目次
基礎編（有機ケイ素材料化学の現状と展望；ポリシラン合成の最近の研究動向；ポリシラン物性の最近の研究動向；カルボシラン系分子の最近の研究動向 ほか）
応用編（ケイ素系高耐熱性材料へのアプローチ；耐熱性ケイ素系高分子の合成とそのＩＰＮ形成技術の検討；海島構造を持つケイ素系高分子材料；有機金属‐ケイ素系ハイブリッドマテリアル ほか）
著者等紹介
桜井英樹［サクライヒデキ］
東京理科大学理工学部工業化学科
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
-
- 和書
- 地球の教科書
