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老人性痴呆症と治療薬

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  • サイズ A5判/ページ数 233p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784882317203
  • NDC分類 493.75
  • Cコード C3047

出版社内容情報

 執筆者一覧(執筆順)

朝長 正徳   東京大学 医学部 脳研究施設
佐藤 昭夫   東京都老人総合研究所
       (現)人間総合科学研究所
黒澤美枝子   東京都老人総合研究所
       (現)国際医療福祉大学 基礎医学研究センター
浅香 昭雄   東京大学 医学部 保健学科
松尾 光芳    東京都老人総合研究所
小阪 憲司   東京都精神医学総合研究所
新井 平伊   東京都精神医学総合研究所
西村 健     大阪大学 医学部 精神医学教室
       (現) 甲子園大学 人間文化学部
武田 雅俊   大阪大学 医学部 精神医学教室
田平 武     国立精神・神経センター 神経研究所
内田 洋子   東京都老人総合研究所
谷内 一彦   東北大学 サイクロトロンRIセンター
       (現) 東北大学大学院 医学系研究科
松澤 大樹    東北大学 サイクロトロンRIセンター
       (現) 東北大学 抗酸菌病研究所
伊藤 正敏   東北大学 サイクロトロンRIセンター
畑澤 順     東北大学 サイクロトロンRIセンター
       (現) 秋田県立脳血管研究センター 放射線科
中村 重信   京都大学 医学部 神経内科学講座
       (現) 広島大学 医学部 第3内科
森  徹      京都大学 医学部 第2内科および分子病診療学
井村 裕夫   京都大学 医学部 第2内科
安藤 進     東京都老人総合研究所
古川 美子   (株)ニチレイ研究所
           国立精神・神経センター 神経研究所
古川 昭栄   国立精神・神経センター 神経研究所
永津 俊治   名古屋大学 医学部 生化学第一講座
一瀬 宏     名古屋大学 医学部 生化学第一講座
       (現) 藤田保健衛生大学 総合医科学研究所
永岡 明伸    武田薬品工業(株) 中央研究所
秋口 一郎   京都大学 医学部 神経内科学講座
竹田 俊男   京都大学 胸部疾患研究所
新井 康允   順天堂大学 医学部 第2解剖学教室
       (現) 人間総合科学大学
西山 信好   東京大学 薬学部 薬品作用学教室
永井 康雄    武田薬品工業(株) 中央研究所
小暮 久也   東北大学 医学部 付属脳疾患研究施設
       (現) (医社)小暮医院 脳機能検診センター
泉山 公明   東北大学 医学部 付属脳疾患研究施設
       (現) (医)泉仁会 中江病院
高野 充     東北大学 医学部 付属脳疾患研究施設
荒木 勉     東北大学 医学部 付属脳疾患研究施設
       (現) 東北大学大学院 薬学研究科
西岡浩一郎   東北大学 医学部 付属脳疾患研究施設
       (現) 日本ケミファ(株) 研究所 薬理研究室
小笠原國郎   東北大学 薬学部 製薬化学科
齋藤 洋     東京大学 薬学部 薬品作用学教室
        (執筆者の所属は、注記以外は1988年当時のものです。)


  構成および内容

第1編 老人性痴呆症の臨床と発症機構

第1章 総論-今、なぜ老人性痴呆か-        朝長正徳
1.長寿社会の到来
2.痴呆老人の増加
3.老人性痴呆とは
4.脳血管性痴呆
5.アルツハイマー病
 5.1 アルツハイマー病が増える
 5.2 アルツハイマー病の研究と対策

第2章 記憶のメカニズム              佐藤昭夫,黒澤美枝子 
1.記憶の構造
2.記憶に関与する脳内部位
3.記憶の神経的機構
 3.1 反響回路
 3.2 長期増強
 3.3 スパインの形態変化
 3.4 シナプス形成
 3.5 単純な神経回路を用いた記憶の研究
4.記憶の生化学的機構
 4.1 RNA,タンパク質合成
 4.2 タンパク質合成阻害と長期記憶の障害
 4.3 タンパク質と軸策輸送
5.記憶に影響を与える因子
 5.1 神経伝達物質の変化
 5.2 グリア細胞,脳血流の変化

第3章 老人性痴呆の発症機構
1.遺伝子・染色体の異常                    浅香昭雄
 1.1 はじめに
 1.2 加齢と染色体異常
 1.3 Alzheimer病と遺伝子
2.アルツハイマー病患者から分離された細胞の異常    松尾光芳
 2.1 はじめに
 2.2 線維芽細胞
  2.2.1 細胞増殖
  2.2.2 DNA修復
  2.2.3 カルシウム濃度
  2.2.4 グルコース代謝
  2.2.5 コリン作働分化因子
  2.2.6 インターフェロン感受性
  2.2.7 その他
 2.3 血液細胞
  2.3.1 赤血球
  2.3.2 リンパ球
3.アルツハイマー型痴呆における神経伝達機構の異常    小阪憲司・新井平伊
 3.1 はじめに
 3.2 神経伝達物質の異常
 3.3 レセプターの異常
 3.4 老人班の変性神経突起への神経伝達物質の影響
 3.5 アルツハイマー神経原線維変化と神経伝達物質の関係
 3.6 おわりに
4.細胞骨格タンパク質の異常                    西村健・武田雅俊
 4.1 はじめに
 4.2 マイクロチュブル系
 4.3 ニューロフィラメント系
 4.4 グリア線維
5.老人班アミロイド                          田平 武
 5.1 老人班について
 5.2 老人班アミロイドの構造
 5.3 アミロイドタンパクの遺伝子構造解析の現状
 5.4 おわりに
6.可塑性と再生の異常                        内田洋子
 6.1 はじめに
 6.2 アルツハイマー病ではニューロンの可塑性がなくなっている?
 6.3 アルツハイマー病では異常なsproutingがおきていて、これが原線維や老人班の形成に
     関与している?
 6.4 おわりに
7.PETと脳のレセプター-老人性痴呆への応用をめざして-
                           谷内一彦・松澤大樹・伊藤正敏・畑澤順
 7.1 はじめに
 7.2 PETによる神経受容体測定とは?
 7.3 定量的評価のための問題点
 7.4 PETによる神経受容体測定法の正常老化への応用
 7.5 In vitro による測定データとの比較とこれからの展望


第2編 脳機能改善薬の開発

第4章 脳機構に影響を与える生体内物質

1.神経伝達物質                          中村重信
 1.1 脳機能改善薬の開発における神経伝達物質の意義
 1.2 アセチルコリン
  1.2.1 前駆物質投与
  1.2.2 アセチルコリン・エステレース阻害薬
  1.2.3 アセチルコリン受容体刺激薬による治療
  1.2.4 併用療法
  1.2.5 それ以外のアセチルコリン賦活療法
 1.3 アセチルコリン以外の神経伝達物質を介する治療
  1.3.1 活性アミンを介する治療
  1.3.2 神経ペプチド
 1.4 おわりに
2.甲状腺ホルモン                         森 徹・井村裕夫
 2.1 はじめに
 2.2 加齢および老人性痴呆と甲状腺ホルモンの関連
 2.3 甲状腺ホルモンの脳内代謝および作用
 2.4 T3低下の要因、および高齢者における栄養改善の効果
 2.5 高齢者における微量T3の投与の影響
 2.6 高齢者の視床下部・下垂体・甲状腺系の調節機構
 2.7 老人性痴呆と甲状腺機能に関する今後の展望
3.脳機能モジュレータとしての活性脂質            安藤 進
 3.1 はじめに
 3.2 加齢および痴呆症における脳脂質の変化
 3.3 ホスファチジルコリンとその前駆体
 3.4 ホスファチジルセリン
 3.5 ガングリオシド
 3.6 おわりに

第5章 NGFおよび神経栄養因子          古川美子・古川昭栄
1.はじめに
2.NGFとは
 2.1 マウスNGFの性質
 2.2 ヒトNGF
3.中枢神経系におけるNGF
 3.1 ラット脳におけるNGF
  3.1.1 前脳のコリン作動性神経細胞に対するNGFの作用
  3.1.2 前脳以外におけるNGFの分布、作用
 3.2 ヒト脳におけるNGF
4.NGF以外の神経栄養因子
 4.1 脳由来神経栄養因子
 4.2 新たにNTF作用の見いだされた既知物質
5.脳機能改善薬としてのNGF
 5.1 損傷脳において
  5.1.1 中隔-海馬系に損傷を受けた場合
  5.1.2 マイネルト基底核-皮質系に損傷を受けた場合
  5.1.3 その他の部位に損傷を受けた場合
  5.1.4 脳移植の場合
  5.1.5 治療薬としての可能性
 5.2 老化脳において
 5.3 神経変性疾患脳において
 5.4 その他のNTFの治療薬としての可能性
 5.5 その他の可能性
6.おわりに

第6章 脳機能損傷物質              永津俊治・一瀬 宏
1.はじめに
2.カテコールアミン神経損傷物質
 2.1 MPTP
 2.2 6-ヒドロキシド-パミン
 2.3 DSP-4
3.セロトニン神経損傷物質
 3.1 5,7-ジヒドロキシトリプタミン
 3.2 アンフェタミン誘導体
4.アセチルコリン神経損傷物質
 4.1 AF64A
5.興奮性アミノ酸による神経損傷
6.おわりに

第7章 スクリーニング法
1.脳循環・脳代謝試験                       永岡明伸
 1.1 はじめに
 1.2 脳循環測定法
  1.2.1 椎骨動脈および内頸動脈の血流測定法
  1.2.2 局所脳血流量の測定法
 1.3 脳代謝測定法
  1.3.1 脳組織エネルギー代謝産物の測定法
  1.3.2 脳内グルコース利用率の測定法
2.病態モデル動物(SAM)の学習・記憶障害          秋口一郎・竹田俊男
 2.1 はじめに
 2.2 行動心理学的検討
  2.2.1 conventional condition の学習障害
  2.2.2 学習・記憶障害の状態
 2.3 生化学的検討
 2.4 神経病理学的検討
  2.4.1 海綿状変性
  2.4.2 グリオーシス
  2.4.3 海馬錐体細胞におけるspine 密度の減少
  2.4.4 PAS陽性顆粒状構造(PAS-positive granular structure:PGS)
  2.4.5 その他の変化
3.脳移植・脳破壊                           新井康允
 3.1 はじめに
 3.2 ラットのマイネルト核の破壊とラット胎児の前脳基底部組織の脳内移植
 3.3 脳定位手術のためのアトラス
  3.3.1 De Groot のアトラス
  3.3.2 Pellegrino らのアトラス
  3.3.3 K?ning と Klippel のアトラス
  3.3.4 Paxions と Watson らのアトラス
  3.3.5 Albe-Fessard らのアトラス
 3.4 脳手術の麻酔
 3.5 脳の電気的破壊
 3.6 化学物質による脳の破壊
  3.6.1 モノアミンニューロンに対する神経毒による破壊
  3.6.2 コリン作動性ニューロンに対する神経毒
  3.6.3 カイニン酸
  3.6.4 イボテン酸
  3.6.5 キスカル酸とNMDA
  3.6.6 カイニン酸,イボテン酸,キスカル酸,NMDAのマイネルト核破壊効果の比較
 3.7 脳移植の方法と問題点
   3.7.1 脳室系に移植する方法
   3.7.2 脳実質内への移植
   3.7.3 cavity の中へ移植する方法
   3.7.4 細胞浮遊液を脳実質内へ移植する方法
   3.7.5 マイネルト核のコリン作動性ニューロンの移植
4.神経培養を用いた脳機能改善薬のスクリーニング法の開発     西山信好
 4.1 はじめに
 4.2 アメフラシの神経細胞の培養
 4.3 脳機能改善薬のスクリーニング法の開発
5.生化学的試験-脳内アミンおよびアセチルコリン測定法-      永井康雄・永岡明伸
 5.1 はじめに
 5.2 脳内モノアミンおよびその代謝物の測定
   5.2.1 HPLC/ECD法による脳内含量の測定法
   5.2.2 In vivo voltammetry 法
 5.3 脳内アセチルコリンの測定
  5.3.1 HPLC/ECDによる脳内ACh含量の測定法
  5.3.2 In vivo dialysis 法 

第8章 老人性痴呆の予防・治療開発へのアプローチ
    -薬物の分類および作用機序-
       小暮久也・泉山公明・高野充・荒木勉・西岡浩一郎・小笠原國郎
1.はじめに
2.老年痴呆の解剖学的分類と選択的脆弱性
3.遅発性神経細胞壊死とその予防・治療法
4.遅発性神経細胞の予防・治療薬
 4.1 グルタミン酸拮抗薬
 4.2 カルシウム拮抗薬       
4.3 アルカロイド類
 4.4 麻酔・鎮静剤
 4.5 GABA系賦活剤
 4.6 アデノシン賦活剤
 4.7 その他の薬剤
5.構造からみた薬物の分類
6.おわりに

第9章 脳機能改善剤                 齋藤 洋
1.はじめに
2.分類
3.脳機能低下の回復に影響を与える薬物
4.脳血管拡張薬
5.おわりに

索引

内容説明

本書は今後の新しい脳機能改善薬の開発のために必要な今までの研究および期待される研究を集積したもので二編から成り立っており、第一編では老人性痴呆の病因解明のために、臨床と発症機構に関する最先端の研究を網羅しており、第二編では脳機能改善薬の開発のために、脳機能に影響を与える生体内物質、現在市販または治験中の薬物およびそのスクリーニング法について述べられている。

目次

第1編 老人性痴呆症の臨床と発症機構(総論―今、なぜ老人性痴呆か;記憶のメカニズム;老人性痴呆の発症機構)
第2編 脳機能改善薬の開発(脳機構に影響を与える生体内物質;NGFおよび神経栄養因子;脳機能損傷物質;スクリーニング法 ほか)

著者等紹介

朝長正徳[トモナガマサノリ]
東京大学医学部脳研究施設

斎藤洋[サイトウヒロシ]
東京大学薬学部薬品作用学教室
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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