出版社内容情報
☆豊富なデータに基づき原料から製品まで緻密に分析
☆業界構造の問題点を摘出,発展方向を示す
☆急成長が予測される新規モノマー.樹脂を分析
☆ポリエステルの成長を支える機能性付与を詳述
刊行のねらい
飽和ポリエステル樹脂(以下ポリエステルと略)は繊維を軸に発展し,巨大な市場を形成した。他の合成樹脂と大きく異なる点は,繊維をはじめフィルム,シート,成形材料など用途が多岐にわたり,酸とジオールの組み合わせにより多種類のポリエステルができる。さらに新しいモノマーの開発により,新規ポリエステルが出現し,ポリエステル全体の市場規模拡大に貢献している点にある。
1994年のポリエステル製品全体の国内市場規模は127万トン(弊社調べ,以下同)で,そのうち,繊維が73万トン,58%を占めていた。繊維の国際的な生産拠点は中国などに移行し,1999年は67万トン,ポリエステル全体に占める比率は44%に後退した。繊維に代わって,ボトル,シートなどの包装用を中心する非繊維分野が大きく市場を拡大した結果,99年におけるポリエステル製品全体の市場規模は152万トン,94年比20%増と発展,今後もこのトレンドが続くと予測される。
ポリエステルが発展している理由は,巨大な繊維市場を背景としているので,基礎原料の価格が低廉でコスト競争力があること,環境適性が優れていることが大きな理由である。今後,さらに発展することが予測される要因は,1,3-プロパンジオール(PDO),CHDMなど大型のジオールが企業化され,新規のポリエステルや共重合ポリエステルがが開発の途上にあり,ポリエステルの市場規模の底上げが予想される点にある。
本書では非繊維を中心に需要と供給の構造を詳細に分析,問題点を摘出して発展の方向を示した。また,ポリエステル発展の鍵をにぎる,PDO,CHDM,NDCなど新規モノマーの開発動向をまとめた。
構成および内容
第1章 ポリエステル樹脂の業界構造と展望
1 飽和ポリエステル樹脂の種類
2 飽和ポリエステル樹脂業界の構造
2.1 飽和ポリエステル樹脂の事業展開
2.2 品目別メーカー別生産能力
3 需要構造と課題,今後の展望
4 PETボトルのリサイクル
4.1 PETボトルのリサイクルシステムと動向
4.2 再生PET樹脂の再商品化と今後の展望
第2章 新しい飽和ポリエステル樹脂原料の開発動向
1 1.3-プロパンジオール
1.1 概 要
1.2 1.3-プロパンジオールの製法とコスト
1.3 1.3-プロパンジオールの企業化動向
1.4 1.3-プロパンジオールの用途
2 NDC
2.1 NDC開発の歴史
2.2 NDCメーカー別生産能力と供給推移
(1)BPアモコ
(2)三菱ガス化学
(3)神戸製鋼所
2.3 NDCの価格動向
2.4 NDCのコスト試算
(1)o-キシレン/ブタジエン法
(2)2,6-DIPN法
(3)2,6-MIBN法
3 CHDM
3.1 CHDM系ポリエステル樹脂の概要
3.2 CHDMの製造プロセス
3.3 コストと価格
(1)価 格
(2)コスト推定
3.4 CHDMメーカーの動向
(1)イーストマンケミカル
(2)SKーNJC
(3)三菱化学
第3章 アジアのポリエステル原料と製品の需給バランス
1 ポリエステル原料
1.1 PTA/DMT
1.2 エチンレングリコール
(1)需給動向
(2)価格動向
2 ボトル用PET樹脂
2.1 アジアの需要と供給の現状と予測
2.2 アジアの需給バランス
第4章 ポリエステル樹脂系ボトルの現状と展望.
1 PETボトル業界の構造とその変化
1.1 PETボトルの発展経緯
1.2 日本のボトル用PET樹脂の特徴と課題
(1)耐熱用樹脂と触媒の関係
(2)日本のボトル用PET樹脂の課題と展望
1.3 ボトル用PET樹脂の供給構造
(1)業界再編成の動向
(2)メーカー別生産能力および新増設計画
(3)輸入品の動向
(4)供給構造のまとめ
1.4 価格動向
1.5 PETボトル成形メーカーの動向
2 ボトル用PET樹脂の需要状況
2.1 日本のボトル用PET樹脂の特徴と市場規模
(1)ボトル用PET樹脂の市場規模
(2)日本のボトル用PET樹脂の特徴
2.2 PETボトルの需要推移
3 清涼飲料用PETボトルの需要分析
3.1 清涼飲料の需要推移
3.2 清涼飲料の包装形態別生産量
3.3 PETボトルの種類
3.4 PETボトルの種類別消費量推移
3.5 清涼飲料の容量別消費量推移
4 その他用途の需要分析
4.1 清涼飲料を除く食品用
(1)醤 油
(2)醤油を除く調味料
(3)酒 類
(4)食用油
4.2 非食品用
(1)シャンプー,洗剤
(2)化粧品,医薬品,その他
5 PETボトルの需要予測
5.1 飲料の包装形態別PET樹脂の潜在市場規模と予測
(1)清涼飲料
(2)その他既存用途
(3)新規用途
(4)PETボトル需要予測
6 PETボトルのバリアー性改良の動向
6.1 紫外線バリアー性の改良
(1)グリーンマスターバッチによる着色,
(2)紫外線吸収剤の添加
(3)NDC共重合,ブレンド系樹脂,
(4)共重合樹脂「Novapex U110」
(5)シュリンクラベルによる紫外線バリアー性付与
6.2 ガスバリアー性の改良
(1)ガスバリアー性付与方法
(2)ポリエステル系ガスバリアー性樹脂
(3)表面処理によるガスバリアー性付与
(4)その他の方法
6.3 ビール用ポリエステル系ボトルの開発状況
7 PEN系ボトル
7.1 PEN樹脂の特徴
(1)耐熱性
(2)ガスバリアー性
(3)紫外線バリアー
(4)耐アルカリ性フレーバー吸
7.2 ボトル用PEN樹脂の開発動向
7.3 PENボトルの成形.リサイクル問題
(1)PEN/PETブレンド樹脂の成形
(2)PEN/PETブレンド樹脂のリサイクル上の課題
7.4 PEN系ボトルの市場展望
(1)PEN系ボトルの検討事例と採用事例
(2)PEN系ボトルの需要動向と見通し
第5章 ポリエステル系フィルムの分析
1 PETフィルム
1.1 PETフィルムの供給構造と国際的な再編成の動向
(1)世界の市場動向
(2)メーカーの再編動向
(3)日本のPETフィルムメーカーの海外展開
(4)アジアの国別メーカー別生産能力および新増設計画
(5)PETフィルムの課題と展望
1.2 メーカー別生産能力と供給量
(1)東 レ
(2)帝人デュポンフィルム
(3)三菱化学ポリエステルフィルム
(4)東洋紡
(5)ユニチカ
(6)二村化学
(7)富士写真フイルム/コニカ
(8)国内PETフィルムメーカーの生産能力及び生産量
1.3 用途別需要動向とメーカーシェア
(1)用途別需要推移と予測
(2)用途別メーカーシェア
3.PENフィルム
3.1 PENフィルムの開発動向
(1)メーカー別開発グレード
(2)メーカー動向と今後の戦略
3.2 用途別需要構成と予測
(1)PENフィルムの需要動向
(2)PENフィルムの需要予測
3.3 価格動向
第6章 ポリエステル系シートの分析
1 A-PETシート
1.1 種類.特徴
(1)A-PETシートの定義
(2)A-PETシートの特徴
1.2 A-PETシートの開発動向
(1)耐熱性
(2)ガスバリアー性
(3)深絞り性
1.3 供給動向
(1)シートメーカー別生産能力と増設計画
(2)A-PETシートとレジンの供給推移
1.4 メーカー別生産量と加工系列
1.5 A-PETの用途別需要構成と需要動向及び予測
(1)A-PETの用途別需要構成と需要動向
(2)A-PETの需要予測と透明シート間競合
1.6 A-PETチップ,シートの価格
1.7 その他競合透明樹脂価格
1.8 競合透明シートの特徴
2 C-PETシート
2.1 シートメーカー別生産能力と生産量
2.2 シートメーカーと加工系列
2.3 用途別需要構成と見通し
2.4 価 格
3 PEN系シート
3.1 PEN系シートの特徴と開発メーカー
3.2 PEN系シートの用途
3.3 価 格
第7章 ポリエステル系プレートの分析
1 ポリエステル系プレートの種類
2 CHDM変性プレートメーカー
3 CHDM変性プレートの生産動向
3.1 生産推移
3.2.メーカー別生産量
4 ポリエステル系プレートの特徴と用途
4.1 ポリエステル系プレートの特徴
4.2 ポリエステル系プレートの開発アイテム
5 価 格
第8章 ポリエステル系成形材料の概要.
1 PBT樹脂
1.1 概 要
1.2 生産能力と新増設計画
1.3 PBT需給動向
1.4 価 格
2 強化PET樹脂
2.1 概 要
2.2 メーカー別生産能力および販売量
2.3 需給動向
3 液晶ポリマー
3.1 液晶ポリマーの種類と参入メーカー
3.2 メーカー別生産能力および新増設計画
3.3 液晶ポリマーメーカーの生産状況
3.4 需要動向
第9章 新規ポリエステル樹脂の開発動向
1 PTT
1.1 PTTの特徴
1.2 PTTの事業化動向
1.3 PTTの価格
1.4 PTTの市場展望
(1)繊 維
(2)成形材料
(3)フィルム,シート
(4)ボトル
2 CHDM系ポリエステル
2.1 CHDM系ポリエステルの種類と特徴
2.2 CHDM系ポリエステル樹脂のメーカー動向
2.3 CHDM系共重合ポリエステル樹脂の需要動向
(1)イーストマンケミカルの流通チャンネル
(2)CHDM系共重合樹脂の需要動向