マグネシウム合金の応用と成形加工技術

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マグネシウム合金の応用と成形加工技術

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  • サイズ B5判/ページ数 271p/高さ 27cm
  • 商品コード 9784882313021
  • Cコード C3057

出版社内容情報

★"超軽量材料" マグネシウム合金(Mg)の応用と成形技術を集大成した初の成書!
★目を見張るプラスチック射出成形の応用-チクソモールディングの発展!
★自動車部品と電子機器の筐体へ急速に拡大する応用展開!
★材料, 成形加工技術, 安全対策, リサイクル, 応用, 市場 (日本, 欧米,中国, 台湾), 特許を詳述!



      刊行のねらい
 近年、 限られたエネルギーの有効利用、 地球環境問題などから、 輸送機器の燃費改善のための軽量化および各種機器のリサイクル可能率の向上が余儀なくされつつあり、 国外では自動車部品、 国内では携帯用電子機器を始めとした家電製品の筐体へのマグネシウム合金の応用が急速に伸び、 今後さらに拡大すると予測されている。 それに呼応するように、 技術開発研究も活発になり、 ヨーロッパでは1986年の英国における国際会議をはじめとして、マグネシウム合金およびその応用に関する国際会議が毎年開催されるようになった。 このことはマグネシウム合金に対する期待の大きさを物語っている。

国内の産業界でも1996年の携帯用電子機器へのマグネシウム合金の応用を起点として、 開発研究が活発に進められている。 特に、 ダイカストあるいはプラスチックの射出成形機を応用した新しいプロセスによる厚さ1㎜以下の薄肉製品の製造技術の進展には世界的にみても目を見張るものがある。 しかし、 マグネシウムに寄せる熱い期待と同時に、 製造上における問題点の多さも指摘されている。 一方では、 生産性の向上を目的として鍛造あるいはプレス成形による薄肉製品の製造プロセスの確立を目指した開発研究も進められるようになってきた。
以上のように、 マグネシウム合金の持つ高いポテンシャルを大きく膨らませようとする基礎的研究が急速に増えつつあり、 かつ21世紀へ向けた超軽量材料としてのマグネシウムへの大きな期待が交錯するという状況から、 「マグネシウム合金の応用と成形加工技術」の発刊が企画され、 執筆諸氏の尽力により発刊できる運びとなった。 我が国の第一線の技術者がそれぞれの専門分野を担当し、 材料、 成形プロセス、 設計という基礎から応用まで多面的な角度から執筆していただいた。 これを機にマグネシウム合金に関する研究、 開発が活性化することを期待する。

                    長岡技術科学大学 教授 小島 陽


     執筆者一覧 (執筆順)

小島  陽    長岡技術科学大学 工学部機械系
白井 正勝   (株)TOSEI 代表取締役
斉藤  研    (株)日本製鋼所 MG事業部 技術部
金子 純一   日本大学 生産工学部
時末  光    日本大学 生産工学部 
中津川 勲   (株)日本製鋼所 マグネシウム事業部
壺田 貴弘   アネスト岩田(株) 塗装システム部
河本 文夫   元 宇部興産(株) 軽金属販売部
伊藤  ㈱    森村商事(株) 金属部
近田 敏弘   豊田自動車(株) 第一材料技術部
吉田 達雄   ソニー(株) PNC・ITC・ Mobile Products Div.
塩田 智基   (株)ニコン 映像カンパニー
柿崎 昌彦   ソニー(株) ホームネットワークカンパニー・オーディオエンタテインメント事業本部
山下 紘治   埼玉日本電気(株) 要素技術専任部・兼技術部専任部・兼生産技術部専任部長
瀬野 義隆   愛知県工業技術センター 研究監
若山 嘉延   愛知県プラスチック成形工業組合 Mgプロジェクトチーム
小原  久    日本マグネシウム協会 業務部
上島 孝一   (株)軽金属通信ある社 代表取締役
吾孫子輝一郎 (株)JET総合研究所 代表取締役
井藤 忠男   Sheng Yu Technology co.,ltd. President


      構成および内容

Ⅰ編 総 論
1章 マグネシウム合金産業の動向
 1 はじめに
 2 マグネシウムの需要と供給
 3 日本におけるマグネシウム製錬
 4 マグネシウムの製品開発
 5 おわりに

2章 マグネシウム合金の材料特性
 1 はじめに
 2 マグネシウムの特徴
  2.1 物理的性質
  2.2 化学的, 電気的性質
  2.3 その他の特性

3章 マグネシウム合金の種類と用途
 1 はじめに
 2 構造用マグネシウム合金の特性と用途
  2.1 展伸用マグネシウム合金
  2.2 鋳造用マグネシウム合金
   2.2.1 砂型および金型鋳造用マグネシウム合金
   2.2.2 ダイカスト, チクソモールディング用マグネシウム合金
 3 その他の用途例
  3.1 添加剤
  3.2 金属還元剤
  3.3 防食用アノード
  3.4 水素吸蔵合金
  3.5 その他

4章 マグネシウム合金の応用
 1 携帯用電子機器への応用
 2 自動車部品への応用

Ⅱ編 マグネシウム材料の安全対策とリサイクル
1章 マグネダイカスト成形技術    白井 正勝
 1 はじめに
 2 材料および溶解
  2.1 材料 (地金)
  2.2 溶解作業
   2.2.1 防燃ガス
   2.2.2 溶解
  2.3 新合金について
 3 金型および金型設計
  3.1 製品設計
  3.2 金型設計
  3.3 金型製作
 4 鋳造機および鋳造技術
  4.1 鋳造機
  4.2 鋳造技術
  4.3 鋳造条件
   4.3.1 充填時間
   4.3.2 ゲート速度
   4.3.3 ゲート断面積
   4.3.4 鋳造圧力
  4.4 鋳造欠陥の原因と対策
   4.4.1 内部欠陥
   4.4.2 外部欠陥
   4.4.3 寸法上の欠陥
 5 マグネシウムダイカストの安全対策
 6 おわりに

2章 射出成形技術              斉藤 研
 1 はじめに
 2 射出成形機と付帯設備
 3 射出成形作業
 4 金型
 5 成形品の特徴
 6 欠陥とその対策
 7 ホットランナーの適用
 8 今後の展望

3章 塑性加工技術              金子 純一
 1 はじめに
 2 マグネシウムの塑性変形
 3 マグネシウムの圧延加工
 4 マグネシウムの押出加工
 5 マグネシウムの鍛造加工
 6 マグネシウムの成形加工
  6.1 曲げ加工
  6.2 深絞り加工
  6.3 張出加工
  6.4 成形限界図
 7 おわりに

4章 機械加工技術                  時末 光
 1 はじめに
 2 切削加工とは
 3 マグネシウム合金の切削加工における特徴
 4 マグネシウム合金切削用工具材質と工具設計
  4.1 工具材質
  4.2 工具設計
  4.3 工具研削
 5 切削油剤
 6 マグネシウム合金の切削条件
 7 マグネシウム合金切削の実例
  7.1 施削
  7.2 穴加工
  7.3 仕上げ面粗さ
  7.4 切削温度
 8 切削作業の安全対策

5章 表面処理技術                  中津川 勲
 1 はじめに
 2 機械加工・前処理
  2.1 バレル研磨
  2.2 ブラスト研磨
  2.3 機械的前処理において注意すべき事項
 3 化学的前処理
  3.1 脱脂
  3.2 酸洗い
  3.3 表面調製
  3.4 化学的前処理において注意すべき事項
 4 化成処理
  4.1 原理
  4.2 クロム系処理とノンクロム系処理
  4.3 化成処理皮膜の特性
   4.3.1 耐食性
   4.3.2 表面抵抗
   4.3.3 塗装密着性
  4.4 化成処理において注意すべき事項
 5 陽極酸化
  5.1 原理
  5.2 陽極酸化皮膜の特徴
   5.2.1 耐食性
   5.2.2 耐摩耗性・潤滑性
   5.2.3 着色・塗装性
  5.3 陽極酸化処理において注意すべき事項
 6 めっき
  6.1 原理
  6.2 めっきの特徴
   6.2.1 装飾性・耐摩耗性
   6.2.2 耐食性
  6.3 めっき処理において注意すべき事項
 7 新しい表面改質法
 8 おわりに

6章 塗装技術                     壺田貴弘
 1 はじめに
 2 マグネシウム合金塗装処理の現状
 3 マグネシウム合金の特徴
  3.1 リサイクルが可能
  3.2 軽量・高強度・高延性
  3.3 ノイズシールドが不要
  3.4 高放熱性
 4 マグネシウム合金塗装が採用されている製品例
 5 マグネシウム合金の塗装処理
  5.1 成形加工
  5.2 機械的前処理
  5.3 化成処理
  5.4 プライマー(下塗り)・素地調整 (拾いパテ)・研磨(サンディング)
  5.5 塗装工程(下塗り, 中塗り, トップコート)
  5.6 マグネシウム合金用塗料
  5.7 塗料機器・塗装設備
  5.8 マグネシウム合金塗装に関する注意事項
 6 おわりに

Ⅲ編 マグネシウム合金の加工技術
1章 安全対策                      河本文夫
 1 はじめに
 2 安全面からの物性
 3 化学薬品に対する反応性
 4 マグネシウムにおける可燃性
 5 溶融したマグネシウム
 6 溶解についての注意
  6.1 溶解工場設備
  6.2 溶解作業
  6.3 ダイカスト作業における注意点
  6.4 溶解における火災, 消火方法
 7 切削, 穴あけなど加工作業
  7.1 作業環境の整備
  7.2 一般的な機械加工時に配慮すべき事項
  7.3 微粉に対する配慮事項
  7.4 微粉の保管
  7.5 切粉の保管
  7.6 消却処理について
  7.7 化学処理について
 8 消火方法
 9 マグネシウム安全データシート

2章 リサイクル                         伊藤
 1 はじめに
 2 ダイガスト工程とスクラップ
 3 リサイクル材の分類
 4 再生法
  4.1 ルツボ炉法
  4.2 隔壁フラックス漕法 (Norsk Hydro法)
 5 フラックスレス法
  5.1 2ポット法(Norsk Hydro法)
  5.2 隔壁ガスバブリング法(Rauch法)
  5.3 ガス吹き込みフィルター法 (Dow法)
  5.4 減圧ろ過法 (日本軽金属法)
 6 再生メタルの品質

Ⅳ編 応 用
1章 自動車部品への応用                 近田敏弘
 1 はじめに
 2 自動車の燃費と軽量化
 3 マグネシウムの軽量化ポテンシャル
 4 自動車用マグネシウム部品の実用化例
 5 マグネシウム合金の技術的課題
 6 マグネシウムのリサイクル
 7 軽量材料とLCA
 8 自動車におけるマグネシウムの将来

2章 電子・電気部品への応用
 1 ノートブック型パソコンへの応用                吉田達雄
  1.1 はじめに
  1.2 ノートブック型PC筐体の材料動向
  1.3 ノートブック型PC筐体へのマグネシウム合金採用
   1.3.1 ノートブック型PC筐体への要求特性
   1.3.2 マグネシウム合金材の利点・特徴
   1.3.3 マグネシウム合金の材料特性
   1.3.4 製法
  1.4 マグネシウム合金筐体の製造工程
   1.4.1 鋳造工程
   1.4.2 トリミング
   1.4.3 バリ取り・仕上げ
   1.4.4 機械加工
   1.4.5 化成処理
   1.4.6 塗装工程
  1.5 金型設計者から製品設計者への要望
  1.6 製品 (素材) 品質の改善方法
   1.6.1 金型設計方針の確立
   1.6.2 鋳造条件の見極め
  1.7 まとめ
  1.8 マグネシウム合金採用ノートブック型PCの実用例
  1.9 ダイカスト用語の解説
 2 デジタルカメラへの応用                     塩田智基
  2.1 概略
   2.1.1 はじめに
   2.1.2 マグネシウム合金の長所と短所
  2.2 マグネシウム合金の使用
   2.2.1 Mgの使用方法
   2.2.2 なぜMgを採用したか
  2.3 問題点とその対応
   2.3.1 部品設計上の問題
   2.3.2 製造上の問題
  2.4 おわりに
 3 ポータブルMDへの応用                     柿崎昌彦
  3.1 はじめに
  3.2 MD (ミニディスク) の概要
   3.2.1 ミニディスクとは?
   3.2.2 2種類のディスク
   3.2.3 ATRACで小型化を実現
   3.2.4 瞬時に選曲
   3.2.5 音飛びガードメモリー
  3.3 ポータブルMDの現状 (日本)
  3.4 MZ-E50設計の主なポイント
  3.5 導入したマグネシウム各部品
   3.5.1 超小型軽量光ピックアップ
   3.5.2 超小型軽量ドライブ
   3.5.3 外筐
  3.6 表面処理 (防錆)
   3.6.1 無色透明な化成皮膜処理 (電化皮膜工業と共同開発, 共同パテント)
   3.6.2 耐摩耗性にすぐれた陽極酸化皮膜処理 (電化皮膜工業と共同開発, 共同パテント:マグダイズ GE)
  3.7 製造工程
  3.8 今後の課題
   3.8.1 価格
   3.8.2 部品供給
   3.8.3 質感 (新規表面処理技術)
  3.9 おわりに
 4 携帯電話への応用                    山下紘治
  4.1 はじめに
  4.2 携帯電話になぜマグネシウム合金を使ったか
   4.2.1 マグネシウム合金を使った初期の携帯電話
   4.2.2 最近のマグネシウム合金を使った携帯電話
   4.2.3 筺体材料としてのマグネシウム合金の特徴
   4.2.4 マグネシウム合金筐体製造における技術課題
  4.3 物づくりへの提言
   4.3.1 低コスト化
   4.3.2 生産数量増大への対応
  4.4 おわりに

3章 義足への応用                    瀬野義隆, 若山嘉延
 1 はじめに
 2 金型の試作
 3 射出成形条件
 4 射出成形条件と特性
 5 成形品の後加工
 6 成形品の実装試験
 7 まとめ

Ⅴ編 市場
1章 日本市場の動向                   小原 久
 1 はじめに
 2 日本国内のマグネシウムの需要動向
 3 マグネシウム合金の自動車・携帯機器への応用
  3.1 自動車部品
  3.2 ノート型パソコン
  3.3 携帯電話
  3.4 その他の携帯用機器
 4 マグネシウム合金の今後の課題

2章 台湾・中国市場の動向                上島孝一
 1 はじめに
 2 台湾のノートパソコン業界
 3 台湾のマグネ製ノートパソコン筐体業界
 4 台湾のマグネダイカストとチクソ成形業界
 5 中国のマグネ材料業界
 6 中国のマグネダイカスト業界
 7 おわりに

3章 欧米の自動車部品その他へのマグネシウム合金利用の動向        伊藤
 1 はじめに
 2 ダイカスト部品の需要拡大
 3 自動車部品例
  3.1 大型部品とダイカストメーカーの対応
 4 欧米の国家プロジェクト
 5 国内での構造材としての利用例
 6 おわりに

4章 マグネシウム合金の特許動向            吾孫子輝一郎
 1 概要
 2 抽出案件リスト (番号順)

内容説明

マグネシウム合金の持つ高いポテンシャルを大きく膨らませようとする基礎的研究が急速に増えつつあり、かつ21世紀へ向けた超軽量材料としてのマグネシウムへの大きな期待が交錯するという状況から、本書「マグネシウム合金の応用と成形加工技術」の発刊は企画されたものである。我が国の第一線の技術者がそれぞれの専門分野を担当し、材料、成形プロセス、設計という基礎から応用まで多面的な角度から執筆している。

目次

1 総論(マグネシウム合金産業の動向;マグネシウム合金の材料特性 ほか)
2 マグネシウム合金の加工技術(マグネダイカスト成形技術;射出成形技術 ほか)
3 マグネシウム材料の安全対策とリサイクル(マグネシウムと安全;リサイクル)
4 応用(自動車部品への応用;電子・電気部品への応用 ほか)
5 市場(日本市場の動向;台湾・中国市場の動向 ほか)

著者等紹介

井藤忠男[イトウタダオ]
Sheng Yu Technology Co.,Ltd.President(盛余科技股〓有限公司総経理)

小島陽[コジマヨウ]
長岡技術科学大学工学部機械系教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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