出版社内容情報
☆無機成分,有機成分のナノコンポジットテクノロジー!
☆ゾル-ゲル法,インターカレーション技術,合成法など無機・有機ハイブリッド材料技術を網羅!
☆無機・有機ハイブリッド材料開発・応用開発20例を全網羅!
刊行のねらい
無機化合物と有機化合物とが分子レベルで組み合わさった無機・有機ハイブリッド材料の開発が活発に取り組まれている。無機・有機のナノスケールでの複合化は有機物,無機物の特性を生かすのみならず,それぞれの素材とは全く異なった高機能性材料を創出する新しい技術として期待されている。無機成分の硬さ,有機成分の柔軟さを生かしたコーティング材料への応用,自然界に存在する典型的なハイブッド材料である貝殻・骨・歯を目指した歯科材料・人工骨への応用,セラミックスの優れた光学特性を生かした透明で屈折率の高い光学材料への応用,光電子材料,分離材料,触媒材料,防カビ剤など,さまざまな分野で旺盛な応用開発が始まっている。
本書は,無機・有機ハイブリッド材料開発の第一線で活躍中の32名の開発技術者の分担執筆による最新の材料開発情報の成書である。新材料開発と応用に携わる方々にご購読をお勧めする。
執筆者一覧(執筆順)
梶原 鳴雪 愛知学院大学
原口 和敏 (株)川村理化学研究所 材料化学研究室
出村 智 大日本インキ化学工業(株) 高分子研究室
藤本 恭一 (株)常盤電機 新素材事業部 研究室
横地 陽子 (株)常盤電機 新素材事業部 研究室
若村 和幸 ユニチカ(株) 機能樹脂事業本部 樹脂開発技術部
藤本 康治 ユニチカ(株) 機能樹脂事業本部 樹脂開発技術部
倉地 育夫 コニカ(株) MG材料システム開発センター
本間 格 工業技術院 電子技術総合研究所 エネルギー基礎部
渡辺 博之 三菱レイヨン(株) 富山事業所 樹脂工場 生産技術3課
松山 博圭 旭化成工業(株) 研究開発本部 住環境システム技術研究所
J.Francis Young イリノイ大学 セメント複合材料研究センター
長谷川直樹 ㈱豊田中央研究所 材料2部 機能高分子合成研究室
臼杵 有光 ㈱豊田中央研究所 材料2部 機能高分子合成研究室
荒川 源臣 オリエント化学工業(株) 第1開発センター
須方 一明 オリエント化学工業(株) 第2開発部
島田 雅之 大阪市立工業研究所 プラスチック課
上利 康幸 大阪市立工業研究所 プラスチック課
古薗 勉 厚生省 国立循環器病センター研究所 生体工学部
玉田 靖 農林水産省 蚕糸・昆虫農業技術研究所 機能開発部
阪上 俊規 JSR(株) スペシャリティ事業部 事業企画部
山内 淳一 クラレ(株) メディカル事業本部
長谷川良雄 (株)化研 機能材料研究所
細川 輝夫 昭和電工建材(株)
大関 真一 住友デュレズ(株) 工業樹脂研究所
湯浅 茂樹 (株)トクヤマ 筑波研究所 研究開発センター
風間 秀樹 (株)トクヤマ 筑波研究所 研究開発センター
合田 秀樹 荒川化学工業(株) 研究所 化成品部
宇加地孝志 JSR(株) 筑波研究所
大野 康晴 東亞合成(株) 名古屋総合研究所 高機能材料研究所第5研究グループ
森本 剛 旭硝子(株) 中央研究所
米田 貴重 旭硝子(株) 中央研究所
構成および内容
序 梶原鳴雪
第Ⅰ編 材料開発編
第1章 新しい無機・有機ハイブリッド材料開発とその用途 原口和敏,出村智
1.無機・有機ハイブリッド材料
2.フェノール樹脂/シリカ系ハイブリッド開発と用途
2.1 合成
2.2 モルフォロジー
2.3 物性
3.界面重合法によるハイブリッドの合成
3.1 粘土鉱物共存下でのin-situ界面重縮合による調製
3.2 ハイブリッド化の機構
3.3 ヘクトライト/ナイロン66系ハイブリッドの特性
4.ナイロン樹脂/シリカ系ハイブリッドの開発と用途
4.1 ナイロン樹脂/シリカ系ハイブリッドの開発
4.2 モルフォロジー
4.3 基本特性
4.4 抄紙シートへの応用
第2章 コロイダルシリカとイソシアネートの反応と応用 藤本恭一,横地陽子
1.はじめに
2.コロイダルシリカについて
3.ポリイソシアネートについて
4.HDIポリイソシアネートとの直接反応
5.ブロック型での反応
6.二段反応による形成
7.皮膜の違い
8.表面特性の違い
9.皮膜の密度の向上
10. 耐熱特性
11.水系での反応
11.1 コロイダルシリカについて
11.2 水溶性ポリイソシアネート
12.反応
13.塗料としての応用
第3章 ナノコポジットナイロンの生成と材料物性,その用途 若村和幸,藤本康治
1.はじめに
2.「ナノコンポジットナイロン」とは
3.「ナノコンポジットナイロン」の開発
3.1 重合法
3.2 コンパウンド法
4.「ナノコンポジットナイロン」の生成過程
5.「ナノコンポジットナイロン6」の特徴
5.1 基本物性
5.2 結晶化特性
5.3 溶融粘度特性
5.4 バリア性
5.5 リサイクル性
5.6 耐クリープ性
6.「ナノコンポジットナイロン6」の用途
7.今後の展開
第4章 無機・有機複合ラテックス薄膜の物性とその用途 倉地育夫
1.はじめに
2.無機・有機複合ラテックス
3.電気物性と応用例
3.1 薄膜材料の電気特性
3.2 帯電防止薄膜の例
4.力学物性と応用例
4.1 無機・有機複合薄膜の力学物性
4.2 無機・有機複合ラテックスを用いたゼラチン膜の物性
第5章 無機・有機ハイブリッド化とメソポーラス材料合成 本間 格
1.はじめに
2.機能分子ドープメソポーラス物質の合成
3.メソ構造薄膜の合成
4.ブロックポリマーテンプレートによるメソ構造物質合成
5.まとめ
第6章 ポリメタクリレートとテトラアルコキシシラン縮合物との複合体の合成とその性質 渡辺博之
1.はじめに
2.ポリメタクリレート/テトラアルコキシシラン縮合物系複合体の合成および性質
2.1 テトラアルコキシシランのゾルゲル反応挙動とメタクリレートモノマーへの相溶性
2.2 PMMA/TEOS縮合物系複合体
2.3 PHEMA/TEOS縮合物系複合体
3.ポリメタクリレート/テトラアルコキシシラン縮合物系複合体の応用
3.1 構造材
3.2 被覆材料
3.3 光学材料
3.4 接着剤
3.5 多孔質ガラス前駆体
4.おわりに
第7章 珪酸カルシウム水和物/ポリマー複合体の合成と評価 松山博圭,J.Francis Young
1.はじめに
2.セメント系材料と珪酸カルシウム水和物(C-S-H:Calcium Silicate Hydrate)
2.1 セメント系材料
2.2 珪酸カルシウム水和物(C-S-H:Calcium Silicate Hydrate)
3.C-S-H/ポリマー複合体の合成
3.1 実験方法
3.2 C-S-H/陰イオン性ポリマー複合体
3.3 C-S-H/陽イオン性ポリマー複合体
3.4 C-S-H/非イオン性ポリマー複合体
4.まとめと今後の展望
第8章 機能性クレイナノコンポジット材料-液晶クレイナノコンポジットの開発- 長谷川直樹,臼杵有光
1.はじめに
2.機能性クレイナノコンポジット
3.液晶クレイナノコンポジット
3.1 合成
3.2 クレイの分散性
3.3 光散乱効果
3.4 メモリ効果
3.5 電場でのメモリ性光スイッチング
3.6 液晶とクレイのぬれ性と電気光学特性の関係
第9章 ポリカーボネート/シリカハイブリッド材料の作製とその機能発現 荒川源臣,須方一明,島田雅之,上利泰幸
1.はじめに
2.PC/シリカハイブリッド材料の作製
2.1 両末端にシリル基を有するPCの合成
2.2 シリカ架橋PCおよびPC/シリカハイブリッド材料の作製
3.PC/シリカハイブリッド材料の特性
3.1 モルフォロジー
3.2 耐熱特性
3.3 表面硬度
3.4 機械的特性
3.5 酸素バリアー性
4.PC/シリカ成分傾斜ハイブリッド材料
5.おわりに
第10章 MPCおよびアパタイトとのシルクハイブリッド材料の開発 古薗 勉,玉田 靖
1.はじめに
2.MPCシルクハイブリッド材料
2.1 MPCハイブリッドシルク
2.2 MOIによる化学修飾
2.3 MPCによるグラフト重合
2.4 血小板粘着試験
3.アパタイトシルクハイブリッド材料
3.1 アパタイトハイブリッドシルク
3.2 アパタイト複合体の調製
3.3 X線回折(XRD)分析
3.4 フーリエ変換赤外(FT-IR)分光法
3.5 X線光電子分光法(XPS)
第Ⅱ編 応用編
第1章 無機・有機ハイブリッドコート材の開発と応用 阪上俊規
1.はじめに
2.有機・無機ハイブリッド体の合成
2.1 側鎖修飾型
2.2 ハイブリッド型
3.有機・無機ハイブリッド体の特性
3.1 ブレンド体とハイブリッド体の比較
3.2 側鎖修飾型とハイブリッド型の特性
4.水系有機・無機ハイブリッド体の開発
5.応用
6.おわりに
第2章 歯科材料の無機・有機ハイブリッドの応用 山内淳一
1.はじめに
2.歯科用コンポジットレジンとは
3.歯科用コンポジットレジンのフィラー配合による分類
3.1 従来型
3.2 有機複合フィラー配合MFR型
3.3 ハイブリッド型
4.ハイブリッドセラミックスへの発展
4.1 ハイブリッド型コンポジットレジンの限界
4.2 ハイブリッドセラミックスの基本技術と組成
4.3 ハイブリッドセラミックスの特性
第3章 無機・有機ハイブリッド前駆体のセラミックス化とその応用 長谷川良雄
1.はじめに
2.有機-無機ハイブリッド熱分解法
2.1 有機物基材の効果
2.2 セラミックス前駆体
2.3 含浸,焼結方法
3.有機-無機ハイブリッド熱分解法の特徴
3.1 プロセス
3.2 比表面積と細孔径の制御
4.応用例
第4章 ポリマー-粘土鉱物のナノコンポジット 細川輝夫
1.はじめに
2.ポリマーナノコンポジットの分類
3.ブレンドによる方法
3.1 層間化合物のキャラクタリゼーション
3.2 有機カチオンから見た分散性
3.3 ポリマー結晶性が耐熱性能に及ぼす影響
3.4 ポリマーの種類による分散性への影響
3.5 ブレンドによる分散のメカニズム
第5章 シリコーンゲル変性フェノール樹脂の性能とその用途開発 大関真一
1.はじめに
2.摩擦材の概要
3.摩擦材の要求特性とフェノール樹脂への品質展開
4.シリコーンゲル変性樹脂の特長
4.1 樹脂特性,および硬化特性
4.2 柔軟性,および振動吸収性
4.3 撥水性
4.4 機械的特性
5.今後の課題
第6章 歯科用コンポジット材料 湯浅茂樹,風間秀樹
1.はじめに
2.歯科用コンポジットレジン
2.1 コンポジットレジンと構成成分
2.2 市販のコンポジット材料
3.歯科用セメント
3.1 歯科用レジンセメント
3.2 市販のレジンセメント
3.3 レジン強化型アイオノマーセメント
第7章 セグメントポリウレタン-シリカハイブリッド材料 合田秀樹
1.セグメントポリウレタン
2.ゾル-ゲルハイブリッド
3.位置選択的ゾル-ゲルハイブリッド
4.位置選択的ゾル-ゲルハイブリッドの形成
5.ハイブリッドドメイン
5.1 ハイブリッドフィルムの作成
5.2 ドメインの観察
5.3 ドメインの変形
6.ハイブリッドドメインを持つポリウレタンの特性
6.1 柔軟性保持・高弾性率
6.2 耐寒性保持・超耐熱性
6.3 耐光性
6.4 親水性,耐水性
6.5 密着性
第8章 UV硬化型無機・有機ハイブリッドハードコート材 宇加地孝志
1.はじめに
2.ハイブリッド化の試み
3.ハイブリッド体への光硬化性付与
4.デソライトUV硬化型無機・有機ハイブリッドハードコート材の特性
4.1 鉛筆硬度
4.2 耐摩耗性
4.3 密着性
4.4 耐候性
4.5 硬化収縮率
4.6 塗膜の靭性
4.7 不燃性
5.応用と今後の展開
第9章 無機・有機ハイブリッド防カビ剤 大野康晴
1.はじめに
2.カビノンとは
3.カビノンのグレードと各種性能
3.1 物性
3.2 防カビ・抗菌性能
3.3 安全性
4.カビノンの特長
4.1 耐熱性
4.2 耐候性
4.3 持続性
5.カビノンの応用例
5.1 不織布
5.2 粉体塗料
5.3 ABS樹脂成形品
5.4 接着性
5.5 シーリング剤
6.今後の展開
第10章 ゾル-ゲル法によるガラスへの撥水コーティング 森本 剛,米田貴重
1.はじめに
2.撥水性の発現
3.転落性の発現
4.実用化技術
5.撥水ガラスの特性
目次
1 材料開発編(新しい無機・有機ハイブリッド材料開発とその用途;コロイダルシリカとイソシアネートの反応と応用;ナノコンポジットナイロンの生成と材料物性、その用途;無機・有機複合ラテックス薄膜の物性とその用途;無機・有機ハイブリッド化とメソポーラス材料合成 ほか)
2 応用編(無機・有機ハイブリッドコート材の開発と応用;歯科材料の無機・有機ハイブリッドの応用;無機・有機ハイブリッド前駆体のセラミックス化とその応用;ポリマー―粘土鉱物のナノコンポジット;シリコーンゲル変性フェノール樹脂の性能とその用途開発 ほか)



