小型・薄型・携帯パソコンの総合技術 - ノート型・モバイル型パソコンの技術と材料開発

小型・薄型・携帯パソコンの総合技術 - ノート型・モバイル型パソコンの技術と材料開発

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  • サイズ B5判/ページ数 236p/高さ 27cm
  • 商品コード 9784882312574
  • Cコード C3054

出版社内容情報

☆小型・携帯パソコン技術をまとめた、初の成書!
☆パソコンの小型・薄型・軽量化・高性能化のための材料・開発技術を全集成!
☆筐体(ハウジング)からディスプレイ、ハードディスクドライブ、主回路基板、バッテリーまで各部品・部材の小型・薄型・軽量化技術を詳述!
☆最先端の高密度実装技術を各分野の第一線の研究者が解説!

 

  刊行のねらい

 情報化時代,マルチメディアネットワーク時代の情報機器として,パソコンの成長にはめざましいものがある。パソコンの1998年度国内出荷台数は,前年度比10%増の753万台と過去最高を更新し,もはや「家電並み」の商品に成長した。とりわけノート型パソコンは,356万台と前年比18%増もの伸びで,構成比も47%とデスクトップ型に接近し,今後も大きな成長が予測されている。
 これは,目をみはる性能向上とともに,小型・薄型・軽量化と低価格化の成果といえる。特に成長の主役となったノート型パソコン,今後の大きな伸びが期待されるモバイル型パソコンの小型・薄型・軽量化技術は,高性能化のための技術と並んで,最も重要なテクノロジーの一つと考えられる。 これらの小型・携帯パソコンは,筐体(ハウジング)の中にディスプレイ(液晶表示パネル),キーボード,ハードディスク装置などのストレージシステム、バッテリー,主回路基板などをギッシリと搭載している。従って,小型・薄型・軽量化のためには,これら部品・部材の小型・薄型・軽量化技術が不可欠となる。
 また,小型・薄型・軽量化のためのもう一つの重要な技術としては,部品実装の高密度化がある。とりわけ、パソコンの心臓部である半導体素子の実装技術は、かつての挿入実装,現在主流の表面実装からCP実装,ベアチップ実装などのチップサイズ実装へと,さらなる高密度化が進みつつある。
 本書は、ノート型・モバイル型パソコンの小型・薄型・軽量化技術と材料開発に焦点をあてて最新の技術動向を各分野の第一線で活躍中の方々の分担執筆で紹介した。


  執筆者一覧(執筆順)

大塚寛治  明星大学 情報学部
塚田 裕   日本アイ・ビー・エム(株) 野洲研究所
宍戸周夫  (株)テラメディア 代表取締役
石川智久  カシオ計算機(株) コンシューマ事業本部
井藤忠男  天馬マグテック(株) 常務取締役
杉野守彦  (株)神戸製鋼所 電子・情報事業部
塚田憲一  シプレイ・ファーイースト(株) PWB/INT事業本部
渡辺好弘  CBCイングス(株) 取締役
野村恭司  神東塗料(株) IU事業本部
森山浩明  日本電気(株) カラー液晶事業部
松下明紀  鳥取三洋電機(株) LCD事業部
城石芳博  (株)日立製作所 ストレージシステム事業部
三戸敏嗣  日本アイ・ビー・エム(株) ポータブルシステムズ
角井和久  富士通(株) テクノロジ本部
前野善信  富士通(株) テクノロジ本部
平野由和  富士通(株) テクノロジ本部
入野哲朗  日立化成工業(株) 電子基材事業部
石田芳弘  長瀬産業(株) 電子・情報材料部
萩本英二  日本電気(株) 半導体高密度実装技術本部


  構成および内容

本書「序文」より
 20年後に最も売れている携帯機器はパーソナル・ディジタル・アシスタント(PDA)である。なぜならば、老若男女を問わず全世界の人々の頭脳的アシスタントとしての能力、すなわち、自然な言語で会話ができる能力を持っているからである。当然この中には、現在より優れたパソコンの機能から、電話・メール、キャッシングシステム、TV・ゲームなどあらゆる機器の機能をも備えている。これがないと人間らしい生活ができないという極端なことになっているかもしれない。
 その核になる機器が現在の携帯パソコンである。なぜならば、自然言語理解という高度な知能を実現する可能性を最初に持っているからである。他の携帯機器設計担当者もすべて携帯パソコンの動向を知らねばならない。
 ここでは実装技術という観点から、この携帯パソコンの現状と未来像に焦点を当てて見た。軽薄短小という世界を前提として未来を切り開くためには、避けて通れないのが実装技術である。実は実装技術こそ未来を切り開く中心的存在なのである。従来の企画にはない斬新な内容が随所に盛り込まれている。じっくりと読んでいただければ幸いである。
                              1999年9月 大塚寛治、塚田 裕



  第I編 総論 パソコンの小型・薄型・軽量化の現状と展望

1章 小型・薄型・軽量化のためのシステム設計 (大塚寛治)
1 パソコンの小型・薄型・軽量化の現状と展望
 1.1 パソコンとシステム・オン・チップ
 1.2 戦略的実装技術の提案
2 実装技術のモデルとしての人間の神経系
3 小型・薄型・軽量化のためのシステム設計
 3.1 多ピン,高速信号伝送
 3.2 実装設計の基本とワイアボンディング
 3.3 チップの発熱と高速信号伝送
4 高速信号伝送用配線
 4.1 高速信号配線の概念
 4.2 伝送線路の損失と対策

2章 小型・薄型・軽量化のための高密度実装技術(塚田 裕)
1 はじめに
2 半導体チップの動向
3 電気特性
4 樹脂封止フリップチップ実装
5 ビルドアップ配線板
6 BGA実装
7 チップの品質
8 今後の展開

  第II編 ノート型・モバイル型パソコンの小型・薄型・軽量化技術

1章 ノート型・モバイル型パソコンの小型・薄型・軽量化の動向  (宍戸周夫)
1 はじめに
2 小型・携帯パソコンの最新動向
 2.1 多彩な小型・携帯パソコン
 2.2 激化する薄型パソコン競争
 2.3 モバイル・コンピューティングの浸透
 2.4 液晶デスクトップ・パソコン
3 小型・携帯パソコン開発の経緯と現状
 3.1 1980年代前半に出現した小型・携帯パソコン
 3.2 現実のものとなった「ダイナブック」
4 要素技術
 4.1 表示装置
 4.2 外部記憶装置
5 究極の小型・軽量化を目指して
 5.1 身につけるパソコン
 5.2 最先端技術が実現

2章 「カシオペア」の小型・薄型・軽量化技術(石川智久)
1 はじめに
2 製品仕様
3 回路構成
4 製品形状
5 実装の実際とその技術
 5.1 主な構成モジュール
 5.2 電子部品の高密度実装技術の実際
6 高密度実装技術のポイント
 7 軽量化について
 7.1 E-10の軽量化について実施した対策
 7.2 今後の軽量化
8 今後の課題と方向性
9 「カシオペア」の新製品とその小型化技術
 9.1 「E-55」
 9.2 「E-500」
10 おわりに

  第III編 構成部品・部材の小型・薄型・軽量化技術

1章 ハウジングの軽量化と材料開発・薄肉成形法
1 マグネシウム合金(井藤忠男)
 1.1 はじめに
 1.2 マグネシウム合金の特性
 1.3 マグネシウムの成形法
 1.4 ノートパソコンハウジングへの適合性
 1.5 構造体としてのマグネシウム合金と地球環境(リサイクル性)
 1.6 おわりに

2 PC/ABS樹脂(杉野守彦)
  -ノンブロム系難燃アロイ「バイブレンドK」-
 2.1 はじめに
 2.2 ノートパソコンキャビネットケース成形材料の動向
 2.3 新しく開発した薄肉成形用PC-ABSアロイ
 2.4 ノートパソコン薄肉キャビネットケース用材料に要求される性能
 2.5 成形品開発期間の最短化
 2.6 まとめ

3 PC/GF(ガラス繊維強化ポリカーボネート樹脂) (杉野守彦)
 3.1 はじめに
 3.2 薄肉ハウジング材料に求められる各種特性
 3.3 塗装レス薄肉ハウジングの成形

2章 ハウジングの電磁波シールド
1 シールドメッキ(塚田憲一)
 1.1 プラスチック難燃剤の規制の動向とハウジングのEMIシールドメッキ
 1.2 片面シールドメッキの工法種類と特徴
 1.3 銅メッキ膜厚と片面シールドメッキ
 1.4 片面シールドメッキと外装塗装
 1.5 片面シールドメッキの製造
 1.6 片面シールドメッキの今後の課題
 1.7 高剛性の薄肉メッキ
 1.8 電子部品のシールドメッキとセンシルシールドプロセス
 1.9 繊維,フィルムのシールドメッキ
 1.10 シールドメッキの種類と品質
 1.11 無電解メッキの環境への対応
 1.12 おわりに

2 高周波イオンプレーティング(渡辺好弘)
 2.1 はじめに
 2.2 パソコンのEMIシールド対策
 2.3 真空蒸着から高周波イオンプレーティングへ
 2.4 高周波イオンプレーティングのプロセスと特長
 2.5 マグネシウム/プラスチック筺体の組合せ

3 導電性塗料(野村恭司)
 3.1 はじめに
 3.2 電磁波シールド塗料の種類
 3.3 導電性塗料による電磁波シールド技法の特徴
 3.4 組成と特徴
 3.5 性能
 3.6 UL認証制度について
 3.7 導電性塗料の今後

4 導電性ハウジング(炭素繊維強化樹脂)(杉野守彦)
 4.1 はじめに
 4.2 CFRPの分類
 4.3 製造上の留意点
 4.4 CFRPの物性
 4.5 CFRPの用途
 4.6 おわりに

3章 液晶ディスプレイの高性能・薄型・軽量化と材料
1 TFT-LCD(森山浩明)
 1.1 はじめに
 1.2 全体構成
 1.3 薄型化・軽量化技術
 1.4 将来動向

2 STN-LCD(松下明紀)
 2.1 はじめに
 2.2 STNパネルとノートPC
 2.3 CFL(冷陰極管)と高輝度化
 2.4 多出力TCPドライバーとカラー化
 2.5 ノートPC対応のカラーSTN
 2.6 軽薄短小化,低消費電力化
 2.7 高解像度・大画面対応と駆動方法の見直し
 2.8 応答時間の高速化
 2.9 STN液晶モジュールの現状
 2.10 STN液晶のメリット・デメリットと課題

4章 ハードディスク装置の小型・軽量・高密度化と材料(城石芳博)
1 はじめに
2 HDDの位置付け
 2.1 構成と動作原理
 2.2 HDDの動作原理
3 高密度化技術
 3.1 磁気記録媒体技術
 3.2 磁気ヘッド技術
4 小型・軽量・高耐衝撃性・低消費電力化技術
 4.1 小型・軽量化と材料
 4.2 高耐衝撃性・低消費電力化と材料
 4.3 さらなる小型化に向けて
5 今後の磁気記録技術動向

5章 バッテリーの小型・軽量・長寿命化と材料(三戸敏嗣)

1 はじめに
2 ノートパソコンにおける2次電池
 2.1 新電池開発の要求
 2.2 ノートパソコンにおける電池の設計
3 ノートパソコン用2次電池開発の経緯
 3.1 NiMH電池からLi-Ion電池へ
 3.2 Li-Ion電池の容量アップの経緯と展望
 3.3 電極以外の部分の改良による軽量化
4 おわりに

6章 主回路基板(PCB)の小型・薄型・軽量化と材料(角井和久,前野善信,平野由和)
1 はじめに
2 ノートPCの軽量化
3 小型化への取組み
 3.1 使用部品(パッケージ)の小型化による軽量化
 3.2 プリント板への要求
4 ノートPCにおけるプリント板テクノロジー
5 プリント板ユニット搭載部品の検討
6 冷却技術による小型・軽量化
7 まとめ

  第IV編 最先端高密度実装技術と関連材料

1章 ビルドアップ配線板の開発と絶縁材料(入野哲朗)
1 はじめに
2 ビルドアップ配線板の要求背景
3 高密度配線,小径化とIVH形成法
4 ビルドアップ配線板用絶縁材料
5 材料の位置付け
6 フォトビア用絶縁材料
 6.1 感光性樹脂に要求される諸特性
 6.2 フォトビア製造プロセス(フィルムタイプ適用)
7 レーザビア用絶縁材料(銅箔付き接着フィルム)
 7.1 MCF-6000Eの開発コンセプト
 7.2 MCF-6000E使用ビルドアップ配線板の特性
8 今後の課題

2章 CSPの開発とパッケージ材料(石田芳弘)
1 CSPの構造と特徴
2 CSPの開発
 2.1 高密度配線基盤の開発
 2.2 パッケージデザイン
 2.3 パッケージ製造プロセス
 2.4 CSP用材料

3章 CSP実装の方法と実装材料(萩本英二)
1 はじめに
2 実装方法と実装条件
 2.1 温度設定
 2.2 温度プロファイル
 2.3 予備はんだ
 2.4 CSPの基板上のレイアウト
 2.5 修理
3 実装材料
 3.1 はんだ材料
 3.2 アンダーフィル材料
4 実装基板
5 まとめ

5章 マルチチップモジュール(MCM)と材料(角井和久)
1 はじめに
2 MCM技術
 2.1 ソルダーレスフリップチップ実装技術
 2.2 フリップチップ実装技術の必要性
 2.3 フリップチップ実装における課題
 2.4 フリップチップ実装
3 MCMの製品化
4 信頼性評価
 4.1 接合部における電気特性
 4.2 信頼性評価結果

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