ニュー・アグリビジネスと農業の企業化

ニュー・アグリビジネスと農業の企業化

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  • サイズ A4判/ページ数 250p/高さ 30cm
  • 商品コード 9784882312550
  • Cコード C3061

出版社内容情報

★地域活性化を担うニューアグリビジネス
★企業の技術力、事業化推進力によるアグリビジネスの開発を解説
★ニューアグリビジネスの成功事例を網羅


刊行のねらい

 卸売市場を介さない「市場外流通」の発達、「農政改革大綱」による農業法人の規制緩和、有機農産物の市場拡大、ハイテクを駆使した植物工場など、日本の農業のシステム、あり方が大きく変わりつつある。また、農業への企業の参入により、消費者ニーズに即した、企業主導の新しいアグリビジネスが創られ、農村地域の活性化が図られている。
 本書は、企業の技術力、事業化推進力を活用したアグリビジネスの開発戦略と有機農産物、植物工場、生産流通システムなど、ニューアグリビジネスの成功事例をまとめた。アグリビジネスに参入しようとするメーカーの方々、アグリビジネスを機に地域活性化をめざす企業や自治体の方々、農業資材、農業機械、肥料、種苗、農薬など、農業周辺関連産業の方々、食品・農産物の流通関連の方々など幅広い方々にご購読をお勧めする。


執筆者一覧(執筆順)

 大澤信一  (株)日本総合研究所 ニュービジネス創造戦略クラスター長
 成田重行  (株)エム・エー・エム・アソシエーション 代表取締役社長
 大澤真介  日本たばこ産業(株) アグリ事業部 課長
 磯村信夫  (株)大田花き 代表取締役社長
 久住高章  サントリー(株) 花事業部 部長
 奥野義博  NKK 物流・流通システム営業部 担当部長
 内方俊英  (株)オークネット 花き事業部 課長
 後藤文之  (財)電力中央研究所 生物科学部 主任研究員
 吉原利一  (財)電力中央研究所 生物科学部 主任研究員
 増田太郎  (財)電力中央研究所 生物科学部 研究員
 佐々木秀夫 キユーピー(株) 植物開発センター 所長
 山川 理   農林水産省九州農業試験場 甘しょ育種研究室長
 米川惇一  東芝プラント(株) 環境事業推進部 グリーンシステム推進担当部長
 山根精一郎 日本モンサント(株) アグロサイエンス事業部 事業部長
 角田幸雄  近畿大学 農学部 教授
 加藤容子  近畿大学 動物発生工学研究所 講師
 竹内良一  (株)荏原製作所 ゼロエミッション事業計画室 室長

構成および内容

第1部 総論編:企業の技術力、事業化推進力を活用したアグリビジネスの開発戦略 
第1章 「食料・農業・農村基本問題調査会」最終答申と今後の農政改革
  ~高付加価値アグリビジネスの事例分析~
1基本問題調査会答申の課題と展望
2施設園芸にみる日本型アグリビジネスの可能性
 ~カゴメ(株)の事例から~
3事例から再検討する最終答申の4つの課題
 食料の安定供給/自給率向上/株式会社の農地所有/中山間地への直接所得保障
4新しいアグリビジネス創造への提言
(1)農業生産と関連ビジネスの融合
(2)施設園芸の規制緩和
(3)「農」を核とした地域振興
(4)官公庁横断型タスクフォースによる食料自給率向上
(5)農業の企業化推進

第2章 新しいアグリビジネスが先導するわが国の農業改革 
1はじめに(ビジネス要素の欠けた日本農業)
2わが国の農業の現状~自律的な再生メカニズムを問われる日本農業
3新しいアグリビジネスの事例分析
 輸入野菜の急増/有機農産物宅配ビジネスの急成長/カジュアルフラワーマーケット/ 通信衛星による花バーチャル市場
4事例からの提言

第3章 地域特性を活かした日本農業の再生戦略      
1はじめに
24地域の事例分析
 2.1大規模畑作経営型北海道農業の特性と帯広南部・中札内村の事例分析
  2.1.1大規模農業経営型北海道農業の地域特性
 2.2水田集約規模拡大型東北農業の特性と宮城県北部・南方町の事例分析
 2.3首都圏食材供給型東関東農業の特性と茨城県中部・八郷町の事例分析
 2.4有機農業重視型南九州農業の特性と鹿児島県北東部・末吉町の事例分析
3日本農業のリストラクチャリングとビジネス展望
 3.1再建に向けた基本的アプローチの転換
 3.2「民」と「官」の役割分担による農業再建策

第4章 「有機農業」関連ビジネスの現状とビジネス戦略 
1「有機農業」ブームの現状
 「有機農業」関連ビジネス/ 市場規模/「有機農業」ブームの成長プロセス/「有機農 業」ニーズ
2日本農業と「有機農業」関連 ビジネス
3「食」ビジネスの経営戦略

第2部 事例編:事例から見たニューアグリビジネス 

第1章 農業の新たな価値創造に向けて
    -テクノロジーと人間の最適な融合-
1MAMAの誕生
2新しい農業の創造
 農業の企業的取り組み/農業 と先端テクノロジーの融合/
 農業分野におけるハード・ソフト
3MAMAの事業概念
4千歳プロジェクト
5都市と農村の融合
6生産中心の農業から生活充実産業へ

第2章 オリジナル野菜の流通
1野菜流通への参入の理由と背景
 高付加価値野菜へのニーズ/青果物流の現状/高付加価値野菜の開発・供給の可能性
2野菜流通のフレーム
 商品開発/生産/販売
3オリジナル野菜の流通状況
4今後の展開
 新商品の開発/安定生産/取扱量の拡大

第3章 花の生産流通   
1食品流通改善促進法がもたらしたもの
2生鮮食料品花の多チャンネル化
3産地,流通業者の革新
4市場法の改定を受けて

第4章 花卉の分子育種
1花の色の分子育種
 アントシアニンの生合成/白い花の分子育種/ペラルゴニ ジンを生産する花卉の分子育種/青い花の分子育種
2日持ちする切り花

第5章 花きの卸売市場流通システム
1卸売市場流通の現状と課題
2花き流通システムの現状
3花き卸売市場流通システム
 概要/取引システム/自動セリシステム/予約取引システム
 市場情報管理システム/物流システム/切花の物流システム/鉢物の物流システム/花 き一貫流通システム

第6章 衛星通信オークションシステム
1既存オークション流通の課題
2衛星通信オークションシステム
3花き事業参入の背景
4花きオークションシステム
5参加会員の特徴
6物流

第7章 遺伝子組換えレタスの開発
1フェリチン
2レタスの遺伝子導入法
3フェリチン遺伝子導入レタスの特徴
 鉄含有量/成長量
4今後の課題
 安全性試験/バイオレメディエーションと有機農業
4プロポーザル

第8章 無農薬水耕栽培技術
1TSファームの開発経緯
2TSファームのシステム概要および特徴
3TSファーム内の環境制御
 光/気温/CO2濃度/養液
4生産物の特徴
 農薬栽培/異物,夾雑物,土砂の混入の心配がない/品質が揃っている/低細菌野菜
5植物工場製野菜(TS野菜)の品位

第9章 サツマイモ加工利用の動向と新戦略       
1焼酎,醸造酒用の動向
 いも焼酎/醸造酒
2伝統的加工食品用の動向
 蒸切干し/焼きいも/カリントウ,チップス
3新しい加工食品の動向
 ペースト,パウダー/ジュース
4茎葉利用の動向

第10章 施設園芸におけるコージェネレーションシステム
1コージェネの観点から見た日本農業の背景
2コージェネレーションシステムシステムとは?
3日本でのコージェネシステム導入の現状
4CGS導入で先行する欧米と日本との比較
5日本におけるCGS普及の課題と方向づけ
6生研機構委託のコージェネシステム研究開発

第11章 遺伝子組換え技術の農業への意味       
1遺伝子組換え技術とは
2除草剤ラウンドアップの影響を受けない作物
3害虫抵抗性作物
4成分を改変した作物
5遺伝子組換え作物の食品としての安全性
6消費者の受け入れ
7遺伝子組換え作物の今後

第12章 クローン牛
1初期胚割球を用いたクローン家畜の作出
2培養細胞を用いる方法
 初期胚由来の培養細胞/体細胞由来の培養細胞
3家畜の育種・改良
4有用生理活性物質を生産する
 トランスジェニック家畜の作出

第13章 堆肥センター  
1堆肥とは
2堆肥の生産方法
 好気性発酵の方法/嫌気性発酵の方法
3有機性廃棄物のコンポスト化事例
 生ごみからの堆肥化例/馬糞からの堆肥化例/食品加工汚泥からの堆肥化例/
 下水汚泥からの堆肥化例/貝からの堆肥化

内容説明

本書は、第1部の総論編では、企業が農業の中でどのような役割を果たし得るのか、また企業と農業が連携しながら新しいアグリビジネスの創造や日本農業再生をどのようなプロセスで行い得るのか、試論を纏めてあります。また、第2部事例編では、現在、企業と農業、あるいは技術の接点にあって、それぞれの視点、立場から新しい農業やアグリビジネスの創造を実践している経営者、実務家、研究者による事例報告を掲載しました。

目次

総論編(「食料・農業・農村基本問題調査会」最終答申と今後の農政改革―高付加価値アグリビジネスの事例分析;新しいアグリビジネスが先導するわが国の農業改革;地域特性を活かした日本農業の再生戦略;「有機農業」関連ビジネスの現状とビジネス戦略)
事例編(農業の新たな価値創造に向けて―テクノロジーと人間視点の融合;オリジナル野菜の流通;花の生産流通;花卉の分子育種 ほか)

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