出版社内容情報
執筆者一覧(執筆順)
(所属・肩書は1989年当時のものです。)
黒川滋樹 (株)野村総合研究所 経営コンサルティング部
村田佳生 (株)野村総合研究所 技術産業研究部(現・事業戦略コンサルティング部)
大庭敏之 日産自動車(株) 材料実験部
西野建一 武田薬品工業(株) 化成品研究所
今井嘉夫 (株)イノアック技術研究所(現・(株)イノアックコーポレーション技術顧問)
中村 胖 ダウ・ケミカル日本(株) エポキシ事業本部(現・エセックス日本アジア事業部)
後藤秀夫 三菱化成(株) 機能樹脂事業部
市川幸彦 三菱油化(株) 四日市総合研究所(現・㈱ロンビック加工品事業部)
傍島好洋 三菱油化(株) 四日市総合研究所
木下 暁 三菱油化(株) 四日市総合研究所
越本 勝 出光NSG(株) テクニカルセンター
保坂範夫 帝人化成(株) 営業本部
伊澤道明 三ツ星ベルト(株) 化成品事業部(現・化成品事業本部技術部長)
坂根勝史 東レ(株) 繊維加工技術部
綱代利夫 三井東圧化学(株) 機能製品開発推進部
筑波 隆 テクニカルライター
村木俊夫 東レ(株) 高分子研究所
松島哲也 デュポン ジャパン リミテッド
弘元修司 日本発条(株) 開発本部(現・研究開発本部 第一開発室)
神崎 福 日清紡(株) ブレーキ事業本部
浜中 剛 (株)ブリヂストン 工業用品技術本部
目加田融 日本特殊塗料(株) 自動車製品事業本部(現・取締役社長)
松田惇也 NOK(株) 技術本部(現・樹脂・パッキン事業部)
古川泰義 ダイキン工業(株) 化学事業部(現・樹脂営業部 副参事)
増渕洋一 関西ペイント(株) 自動車塗料本部
中道敏彦 日本油脂(株) 戸塚工場 技術部
柳沢誠一 横浜ゴム(株) ハマタイト技術部(現・東京都・神奈川県技術アドバイザー)
構成および内容
第1章 総論
1 自動車材料開発戦略 黒川滋樹
1.1 はじめに
1.2 材料開発の戦略的重要性
1.3 よりシステム的にとらえる材料ニーズの先取り
1.4 自動車ニーズの多様化と材料対応
1.5 国際化への対応
1.6 自動車メーカーと材料メーカーの関係と望まれる開発姿勢
2 自動車用材料代替 村田佳生
2.1 材料代替のメカニズム
2.2 材料の特性と価格の展望
2.3 自動車における材料代替の展望
2.4 おわりに
3 自動車用高分子 大庭敏之
3.1 自動車を取り巻く環境
3.2 自動車に使用される樹脂
3.3 最近の樹脂化の話題
3.3.1 車体外板材料
3.3.2 外装材料
3.3.3 内装材料
3.3.4 エンジン部品への適用
3.3.5 ガソリンタンク
3.3.6 車体構造材料および革新的工法
3.4 おわりに
第2章 外板、外装材料
1 自動車用SMCの技術動向と課題 西野建一
1.1 はじめに
1.2 市場
1.3 最近の応用例
1.4 技術動向と課題
1.4.1 外板用SMC
1.4.2 構造用SMC
1.5 おわりに
2 RIM材料 今井嘉夫
2.1 RIMとは
2.2 RIMの市場
2.3 PURIMの製造
2.3.1 PURIMの化学
2.3.2 PURIMの原料
2.3.3 PURIMの生産様式
2.4 PURIMの物性
2.5 RIMの技術開発
2.5.1 強化RIM(Reinforced RIM, PRIM)
2.5.2 構造RIM(Structural RIM, SRIM)
2.5.3 内部離型(Intermal Mold Release,IMR)
2.5.4 アミン架橋
2.5.5 ポリ尿素RIM
2.5.6 その他
3 RTN材料 中村胖
3.1 はじめに
3.2 RTM法
3.3 マトリクス樹脂としてのエポキシ樹脂
3.4 RTM法の経済性と将来
3.5 おわりに
4 エンプラ系アロイの動向 後藤秀夫
4.1 はじめに
4.2 ポリマーアロイの定義と目的
4.2.1 定義
4.2.2 背景
4.2.3 目的
4.3 アロイ化の現状と用途開発
4.3.1 ポリマーアロイの種類と特徴
4.3.2 ポリマーアロイの用途
5 PP系複合材料 市川幸彦、傍島好洋、木下暁
5.1 ポリプロピレンのおいたち
5.2 PPの需要状況
5.3 自動車部品材料としてのPP系材料
5.4 PP複合材料の外装への応用例
5.4.1 バンパー
5.4.2 PP系TPEバンパー
5.4.3 ブロー成形バンパー
5.4.4 カウル・ルーバー
5.4.5 ドアプロテクター
5.4.6 オンライン塗装リアランプフィニッシャー
5.5 おわりに
6 スタンパブルシート 越本勝
6.1 スタンパブルシートの概要
6.2 スタンパブルシートの特徴
6.2.1 金属と比較して
6.2.2 SMCと比較して
6.2.3 射出成形と比較して
6.3 製造法
6.4 材料特性
6.4.1 汎用グレード
6.4.2 一方向強化グレード
6.4.3 耐熱グレード
6.5 成形加工
6.5.1 成形工程
6.5.2 生産性
6.6 製品設計
6.6.1 形状設計
6.6.2 構造解析
6.6.3 流動解析
6.7 実用化状況
7 透明材料 ポリカーボネート 保坂範夫
7.1 はじめに
7.2 一般特性
7.2.1 機械的特性
7.2.2 熱、物理、科学的特性
7.2.3 光学、耐候特性
7.3 用途開発と技術対応
7.3.1 ランプレンズ類
7.3.2 グレージング関係
7.3.3 技術対応
7.4 今後の課題
第3章 内装材料
1 内装材料 伊澤道明
1.1 はじめに
1.2 自動車内装材料の動向
1.2.1 内装部品に使用される高分子材料
1.2.2 内装部品のニーズ
1.3 内装部品別の材料動向
1.3.1 インストルメントパネル
1.3.2 コンソールボックス
1.3.3 ピラーガーニッシュ
1.3.4 ドアートリム
1.3.5 ステアリングホィール
1.3.6 シート、ヘッドレスト
1.3.7 ルーフライニング
1.3.8 フロアー材
1.4 おわりに
2 シート表皮材料(皮と布地) 坂根勝史
2.1 はじめに
2.2 シート表皮材料の布地普及率、布地タイプ別需要、使用繊維別需要と動向
2.3 シート表皮材の種類と使用状況
2.4 主なシート表皮材の製造法と特徴
2.4.1 織物
2.4.2 編物(ニット)
2.4.3 天然皮革と人工皮革
2.5 シート表皮材の価格ゾーンと使用車の現状
2.6 シート表皮材用繊維の特性
2.6.1 ポリエステル
2.6.2 ナイロン
2.6.3 ウール
2.7 最近のシート表皮材に対する要求特性について
2.7.1 耐光性
2.7.2 制電性
2.7.3 難燃性
2.7.4 防汚性、撥水性
2.7.5 耐久性
2.7.6 快適性
2.8 おわりに
3 シートパッド 綱代利夫
3.1 はじめに
3.2 シートパッドの設計
3.2.1 フロントおよびリヤクッション
3.2.2 フロントおよびリヤバック
3.3 フォームパッドの分類
3.3.1 スラブフォーム
3.3.2 モールドフォーム
3.4 ウレタンシートクッションの特徴
3.5 ウレタンシートクッションの快適性
3.5.1 静的特性
3.5.2 動的特性
3.6 ウレタンシートパッドの技術開発課題
3.6.1 高性能化
3.6.2 フォームパッドの生産性向上/コストダウン
3.6.3 フロン規制対応技術の開発
3.6.4 シートアッセンブリー工程の短縮/効率化
4 自動車内装部品材料 汎用合成樹脂発泡材料を中心に 筑波隆
4.1 はじめに
4.2 内装部品に求めれれる機能
4.3 各種内装部品の構成
4.4 成形方法
4.5 成形工程の検討
4.5.1 基材の成形条件の検討
4.5.2 接着剤の使用条件の検討
4.5.3 材料の通気性の付与
第4章 構造用樹脂
1 繊維強化先進複合材料 村木俊夫
1.1 はじめに
1.2 繊維強化複合材料の種類と成形法
1.2.1 熱硬化性樹脂マトリックス複合材
1.2.2 熱可塑性樹脂マトリックス複合材
1.3 自動車構造部材への応用例
1.3.1 コンセプトカー
1.3.2 ドライブシャフト
1.3.3 レーシングカー
2 エンジン部品用樹脂 松島哲也
2.1 はじめに
2.2 樹脂化の経緯
2.3 エンジン部品に必要な性能
2.3.1 エンジン部品の最高作動温度
2.4 エンジン部品に使用されているエンジニアリング・プラスチックの性能
2.5 エンジンルーム内のエンプラの応用
2.6 将来の見通し
3 GFRP板ばね 弘元修司
3.1 はじめに
3.2 材料
3.2.1 強化繊維
3.2.2 樹脂
3.3 製造方法
3.4 GFRPの基本特性
3.5 GFRP板ばねの今後の展開
3.5.1 テーパーリーフスプリング
3.5.2 強度メンバーも兼ねたGFRP板ばね
4 ブレーキ材料 神崎福
4.1 はじめに
4.2 有機系ブレーキ材料
4.2.1 組成
4.2.2 製法
4.3 自動車用ブレーキ材料の要求性能
4.4 高分子材料(ポリマー)
4.4.1 結合材料ポリマーの変遷
4.4.2 現用のポリマー
4.4.3 高分子材料のトライボロジー
4.5 耐熱性ポリマーとそのトライボロジー
4.5.1 ポリイミド
4.5.2 ポリアミドイミド
4.5.3 シリコン樹脂およびポリフェニレンオキサイド
4.5.4 ジアリルフタレート樹脂
4.5.5 その他の耐熱性ポリマー
4.6 おわりに
第5章 エラストマー材料
1 防振ゴム 浜中剛
1.1 はじめに
1.2 自動車用防振ゴムの種類
1.3 防振ゴムの役割と要求特性
1.4 エンジンマウント
1.4.1 円筒型エンジンマウント
1.4.2 ばね特性
1.4.3 流体封入マウント
1.4.4 アクティブ制御マウント
1.4.5 耐熱性
1.5 トーショナルダンパーの種類
1.5.1 トーショナルダンパーの種類
1.5.2 要求特性と動向
1.6 サスペンションブッシュ
1.6.1 サスペンション技術の進歩
1.6.2 ゴムの動特性
1.6.3 新しいタイプのブッシュ
1.7 ストラットマウント
1.7.1 要求性能
1.7.2 接着タイプと非接着タイプ
1.8 空気ばね
1.9 おわりに(展望)
2 制振材 目加田融
2.1 はじめに
2.2 防音
2.3 制振
2.4 制振材
2.5 制振材と高分子
2.6 おわりに
3 耐熱ゴム 松田惇也
3.1 はじめに
3.2 耐熱ゴム
3.3 自動車の技術動向とゴム材料
3.4 耐熱ゴムの特徴と問題点
3.4.1 ニトリルゴム(NBR)
3.4.2 塩素系ゴム
3.4.3 オレフィン系ゴム
3.4.4 アクリル系ゴム
3.4.5 シリコーン系ゴム
3.4.6 フッ素ゴム
3.5 おわりに
4 自動車用ホース 古川泰義
4.1 はじめに
4.2 自動車用ホースへのニーズ
4.2.1 法規制
4.2.2 イージードライビング
4.3 自動車用ホースの用途別動向
4.3.1 燃料ホース
4.3.2 ブレーキホース
4.3.3 真空ブレーキホース
4.3.4 パワーステアリングホース
4.3.5 冷却ホース
4.3.6 ターボホース
4.3.7 トランスミッションオイルクーラーホース
4.3.8 エアーコンディション用ホース
4.4 おわりに
第6章 塗装・接着材料
1 鋼板用塗料 増渕洋一
1.1 はじめに
1.2 カチオン電着塗料
1.2.1 一般状況
1.2.2 低温硬化型カチオン電着塗料
1.2.3 端面防錆型カチオン電着塗料
1.3 中塗
1.3.1 一般状況
1.3.2 高度下地粗度隠ペイ中塗(高仕上り中塗)
1.3.3 不凍型耐チッピングプライマー
1.4 上塗
1.4.1 一般的状況
1.4.2 仕上り外観品質
1.4.3 耐久性
1.4.4 新規樹脂、新硬化方式の開発
1.5 プラスチック用塗料
1.5.1 一般状況:プラスチック化の流れ
1.5.2 プラスチック用塗料の機能
1.5.3 今後の動向
1.6 水性塗料
1.6.1 一般状況
1.6.2 水性ベースコートシステムの特徴
1.6.3 塗料技術の開発状況
1.6.4 大気汚染規制への適合性
1.6.5 塗装工程
1.6.6 今後の展望
2 樹脂用塗料 中道敏彦
2.1 はじめに
2.2 樹脂用塗料に必要な要件
2.2.1 樹脂表面特性と付着性
2.2.2 クレイズと溶剤選択
2.2.3 ノッチ効果
2.2.4 硬化温度
2.3 樹脂用塗料の開発動向
2.3.1 インモールド・コート
2.3.2 プライマー
2.3.3 白色導電プライマー
2.3.4 上塗塗料とユニベース
2.3.5 新しい硬化方法
2.4 おわりに
3 構造用接着剤 柳沢誠一
3.1 はじめに
3.2 接着剤の需要動向
3.3 構造用接着剤の特徴
3.4 接着剤に関する試験規格
3.5 構造用接着剤の特徴と接着特性
3.5.1 ニトリル-フェノリック
3.5.2 エポキシ
3.5.3 ニトリル-エポキシ
3.5.4 耐熱性接着剤
3.6 油面用エポキシ
3.7 構造用接着剤の応用
3.7.1 ハニカムサンドイッチ構造体
3.7.2 自動車用構造接着
3.7.3 車両用構造接着
3.7.4 室温硬化―液形変性エポキシ
内容説明
ゴム材料はクルマの高性能化、静粛化、長寿命化などの時代の要求にあわせて材料の使い方が変化してきた。歴史の新しい樹脂材料は当初、内外装等の意匠性が要求される部品を中心に採用が拡大してきたが、最近ではエンジン部品など構造部品まで広がり、さらに自動車を合理的な組立てを目指した切り札としても期待され、温暖化、リサイクルなど環境問題の影響を受けながらも採用は拡大している。本書は多くの機能を持っている高分子材料の自動車への使用状況などを解説した入門書である。
目次
第1章 総論
第2章 外板、外装材料
第3章 内装材料
第4章 構造用樹脂
第5章 エラストマー材料
第6章 塗装・接着材料
著者等紹介
大庭敏之[オオバトシユキ]
日産自動車材料実験部
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。