出版社内容情報
刊行のねらい
プリンターに対する要求は、高速化、カラー化、高画質化、低コスト化、高機能化及び単機能化、ユーザー満足度など使用目的
によって求められ、機能が多様化・複雑化している。このため、材料の比重がますます重くなっている。
本書は、プリンターの技術開発と材料技術に重点を絞って、各分野の第一線でご活躍中の方々にご執筆いただいた。多様化する
ニーズに対応するプリンター技術の開発とこれに係わるあらゆる材料、ケミカルスを分類・整理し、技術動向や要求物性との関連な
どをまとめた。
執筆者一覧（執筆順）
（所属・肩書は1995年当時のものです。）
高橋恭介 東海大学 工学部 光学工学科 教授
入江正浩 九州大学 機能物質科学研究所 教授
坂本康治 （株）リコー 画像技術開発センター 第一開発室 室長
大西勝 三菱電機（株）福山製作所 プリンタ製造部 主管技師長
橋本憲一郎 キヤノン（株）Ｂ商品企画センター Ｂ商品企画部 Ｂ商品企画課 専任主任
碓井稔 セイコーエプソン（株）ＴＰ要素開発設計グループ 課長
福田隆 ソニー・テクトロニクス（株）プリンタ事業部 マーケティング課
プロダクト・マーケティング担当課長
清水晃 オリンパス光学工業（株）技術開発本部 応用研究部 画像研究室 課長
小鍛冶徳雄 岩崎通信機（株）技術本部 主幹技師
中沢享 三田工業（株）感光体研究所 所長
杉崎裕 富士ゼロックス（株）材料研究所 副主任研究員
鴨崎徹 富士写真フイルム（株）足柄研究所
横川拓哉 富士写真フイルム（株）足柄研究所
五十嵐明 富士写真フイルム（株）富士宮研究所 主任研究員
滝口良平 大日本印刷（株）情報記録材研究所 グループリーダー
田林勲 大日本インキ化学工業（株）画像形成材料開発プロジェクト 主任研究員
加藤勝 新王子製紙（株）研究開発本部 東京商品研究所 主任研究員
鈴木明 （株）リコー 化成品事業本部 ＴＣ事業推進室 副室長
津布子一男 （株）リコー 化成品事業本部 ＲＳ事業部 ＲＳ開発センター 次長研究員
望月学 （株）リコー 画像システム事業本部 ＰＰＣ事業部 第一設計室 次長研究員
黒鳥恒夫 （株）リコー 画像システム事業本部 画像技術センター 第二開発室 課長研究員
構成および内容
〈 総 論 編 〉
第１章 プリンター最先端技術と問題点 高橋恭介
1 技術と市場動向の背景
1.1 技術的チャレンジ
1.2 ハードコピー分野の融合化の動き
1.3 情報通信技術革命のインパクト
2 プリンター技術とその問題点
2.1 電子写真技術
2.2 .1 OPC感光体の課題
2.2.2 トナー・現像剤
2.2 インクジェット技術
2.3 感熱記録技術
3 色再現システムにおける標準化
3.1 色の標準‐Japan Color
3.2 入出力カラーターゲット
第２章 プリンター材料への期待 入江正浩
〈 プリンター編 〉
第３章 電子写真プリンター 坂本康治
1 電子写真プリンターの原理
1.1 電子写真プリンターとは
1.2 電子写真プロセス
1.3 ユニット構成
2 電子写真プリンターの歩み
2.1 小型化、低コスト化
2.2 高速化
2.3 高画質化
2.4 環境問題
3 カラー化技術
3.1 カラー化の原理
3.2 カラー用トナー
4 材料面から見た課題と今後の方向
4.1 小型化、低コスト化
4.2 高画質化
4.3 環境問題
4.4 カラー化
第４章 感熱転写プリンター 大西 勝
1 サーマルプリンティング技術の特徴
2 昇華型フルカラープリンタの問題点
2.1 昇華型フルカラーの画質阻害要因
2.2 高細密化技術と課題
2.3 その他の昇華型転写記録の課題と技術動向
3 溶融カラープリンタのフルカラープリンタ技術
3.1 中間調記録
3.2 普通紙記録
3.3 低ランニングコスト化
4 直接感熱記録の最近の開発動向
4.1 普通紙ライク感熱記録紙
4.2 保存安定性の向上
4.3 フルカラー感熱記録
第５章 バブルジェットプリンター 橋本憲一郎
1 はじめに
2 バブルジェットの原理
3 カラー化と高速化
3.1 熱制御
3.2 流体振動抑制
4 カラー化と高画質化
4.1 マルチパス印字
4.2 ノズルレイアウト
4.3 Bk/カラー境界探知
5 パーソナル化のためのダウンサイジング
5.1 土手シートによるマルチシートフィーダー
5.2 紙送りローラーの小径化
6 ダウンサイジングと材料
7 おわりに
第６章 ピエゾインクジェットプリンター‐高画質化と高速化への応用‐ 碓井 稔
1 はじめに
2 インクジェット記録の特徴
3 信頼性、耐久性の確保
4 高画質化、高速化への展開
4.1 インクの吐出特性
4.2 インク滴の直進吐出
4.3 インクスピードとインク滴着弾位置
4.4 小インク滴化
4.5 応答周波数、ノズル数のアップ
4.6 インクの開発
4.7 速乾性
4.8 記録紙の開発
4.9 画像処理手法
5 インクジェット記録の今後の展開
6 おわりに
第７章 ソリッドインクジェット・カラープリンター 福田 隆
1 はじめに
2 ソリッドインクジェット・カラープリンターとは
2.1 歴史
2.2 基本動作概要
3 各エンジン方式の比較
4 ソリッドインクジェット・カラープリンター
4.1 Phaser 300JS
4.2 Phaser 340JS
4.3 オフセット・ドラム機構
4.4 Ａ4ページ幅ヘッド
4.5 オンデマンド・インク加熱
4.6 インク転写とフュージング
5 ソリッドインクジェットの将来性
6 おわりに
第８章 静電プリンター・プロッター 清水 晃
1 はじめに
2 静電プロッター
2.1静電記録の原理
2.2静電プロッターの事例
2.3 静電記録方式の課題
3 イオンフロープリンター
3.1 イオンフロー技術の分類
3.2 イオンフロー記録の主な特徴
3.3 アパーチャ制御型コロナ放電方式
3.4 パルス放電方式
3.5 今後の課題
4 まとめ
第９章 マグネットグラフィ／磁気プリンター 小鍛冶徳雄
1 はじめに
2 原理と特徴
2.1 原理
2.2 特徴
3 磁性トナーに働く磁気力
4 潜像記録方式
5 記録ヘッド
5.1 磁気ヘッドの材料
5.2 マルチチャネルヘッド
6 記録媒体
7 現像方式
8 磁性トナー
8.1 磁気トナーの構成
8.2 カラートナー
9 今後の課題と展望
〈 記録材料・ケミカルス編 〉
第10章 電子写真用感光体 中沢 享
1 はじめに
2 有機感光体（OPC）
2.1 OPCの利点
2.2 OPC開発の経緯
2.3 OPCの種類と特徴
3 OPC用材料
3.1 CGM
3.2 CTM
4 OPC開発の最近の流れ
4.1 高感度化
4.2 長寿命化
4.3 正帯電型OPCの開発
5 まとめ
第11章 電子写真用トナーおよびキャリア 杉崎 裕
1 はじめに
2 フルカラー画像形成プロセスと材料
3 現像剤の種類と特徴
4 非磁性二成分フルカラー現像剤材料設計技術
4.1 トナー材料設計技術／4.2 トナー製造技術
5 おわりに
第12章 銀塩写真プリンター材料 鴨崎 徹、横川拓哉
1 はじめに
2 銀塩プリンターの画質が良い理由
2.1 高感度・高解像度
2.2 連続階調
3 従来の方式の銀塩プリンター
4 ピクトロカラー方式とは
4.1 従来のカラー処理の弱点
4.2 ピクトロカラー方式の特徴
4.3 ピクトログラフィーシリーズの開発
4.4 ピクトログラフィーの画像形成のケミストリー
4.5 光源と材料のマッチング
4.6 カラーマッチング技術の必要性
5 銀塩プリンターおよびその材料の問題点、今後の課題
第13章 直接感熱記録材料 五十嵐 明
1 直接感熱記録方式の特長
2 染料タイプ感熱記録材料
2.1 製造方法
2.2 発色感度と高感度化
2.3 発色素材
2.4 その他の素材
3 近赤外読み取り型感熱記録材料
4 耐薬品性感熱記録紙
5 光定着型感熱記録紙
6 透明感熱記録フィルム
7 多色感熱記録紙
8 フルカラー感熱記録材料
8.1 フルカラー感熱記録材料の原理
8.2 記録装置
8.3 発色層の構成
8.4 直接感熱方式による特長
9 まとめ
第14章 感熱転写記録材料‐昇華転写記録材料‐ 滝口良平
1 はじめに
2 原理と特徴
3 材料の構成と機能
4 用途と材料性能
5 今後の動き
6 おわりに
第15章 インクジェット記録用記録材料 田林 勲
1 はじめに
2 インクに対する要求特性
2.1 印刷物の品質
2.2 信頼性
3 インクの分類とインク材料
3.1 インクの分類
3.2 インク一般組成
4 被記録体別のインクの特徴
5 特殊インク
6 インク物性とプリンターのマッチング
6.1 ピエゾ方式
6.2 サーマル（バブル）ジェット方式
6.3 コンティニュアス方式
6.4 静電吸引（スリットジェット・ビームジェット）
7 インクの製造方法
8 インクジェット記録用インクの課題
第16章 電子写真およびインクジェット用記録紙 加藤 勝
1 はじめに
2 電子写真用紙
2.1 要求品質
2.2 基本的な用紙の構成
2.3 要求品質と用紙物性、材料
3 インクジェット用紙
3.1 要求品質
3.2 基本的な用紙の構成
3.3 用紙構成、材料と要求品質
4 おわりに
第17章 熱可逆性記録材料 鈴木 明
1 はじめに
2 高分子/低分子複合タイプ記録材料
2.1 記録材料の構成
2.2 熱可逆特性とメカニズム
2.3 透明化温度幅の拡大
2.4 記録特性
2.5 本記録媒体の応用
3 ロイコ染料タイプ記録材料
4 おわりに
第18章 電子写真湿式現像剤 津布子一男、望月 学、黒鳥恒夫
1 湿式現像剤の概要
2 湿式現像剤に要求される特性
3 構成材料
4 湿式現像剤の製造方法
5 湿式現像剤の評価
6 湿式現像剤の応用と今後の展望
7 まとめ
内容説明
本書は、プリンターの技術開発と材料開発に焦点を絞って、執筆している。多様化するニーズに対応するプリンター技術の開発と、これに係わるあらゆる材料、ケミカルスを分類・整理し、技術動向や要求物性との関連などをまとめた。
目次
総論編（プリンター最先端技術と問題点；プリンター材料への期待）
プリンター編（電子写真プリンター；感熱転写プリンター；バブルジェットプリンター ほか）
記録材料・ケミカルス編（電子写真用感光体；電子写真用トナーおよびキャリア；銀塩写真プリンター材料 ほか）
